つなぐ手と花見
デートを楽しい出来てくださいと、石田さんの後押しを受け、僕たちは散歩を再開した。
「もう、桜も季節も終わりか。できれば、花見をしたかったんだがな」
先輩は、葉っぱだけになった桜を見て先輩は言う。
「花見ならできますよ。もうすぐツツジが咲きますし夏にはヒマワリも咲きますよ」
「そうだな。その時はみんなで行こうか」
「僕もですか」
「それはそうだろう。君がいないと花見に行く意味がない」
先輩は言い切る。
「それとも、嫌か」
「嫌ではないですが、先輩は目立ちますからね、周りの人に妬まれそうです」
「妬む奴は妬ませておけばいい。周りばかりに気を使う必要もないだろう」
「それはそうなんですが、慣れなくて」
「まぁ、徐々に慣れればいいだろう」
そういうと先輩は僕の手を取る。
「いきなりなんですか」
「だから、慣れるための練習だ」
先輩は指を絡ませるように手を握る。
所謂、恋人つなぎと言われるものだ。
これって、こんなに恥ずかしいんだ。
「やめにしませんか」
僕がほどこうとするが、先輩が力を入れてそれをそしした。
「だから、すぐにやめたら練習にならないだろう。私だって恥ずかしいんだぞ」
そういう、先輩の頬はほのかに赤く染まっていた。
なんだかすごく珍しくて思わず凝視する。
「みるな」
先輩はつないでない方の手で、の顔を隠した。
「すいませんつい。珍しいくて」
「ふんだ。許してほしければ、今度、花見に行くことを約束しろ」
「解りました。約束するので機嫌を直してください」
「ちゃんと、計画を立ててエスコートするんだぞ」
先輩の顔が綻んでいる。
「わかりました。ツツジならゴールデンウィークぐらいですかね」
「そんなに、先なのか」
「そんなにって訳でもないでしょう」
「私にとってはそんなに先だ。だから、毎日退屈しないように面倒を見てくれ」
「手のかかる先輩ですね」
「君だけに特別だ」
先輩は楽しそうな笑みをこちらに向ける。
「それは喜んでいいのか解らない所ですね」
「何、私は美人だぞ」
「美人は関係ないと思いますよ」
「何を言うか」
そんな風にくだらない話をしながら散歩を続ける。
つないだ手はいつしか気にならなくなっていた。
およみいただきありがとうございます




