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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
希望の国エステル
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#744 ゴブリンアサシン対策会議

帰ってきた俺たちはまずリアム国王様にダークエルフの宝を盗もうとした悪魔の発見、討伐によりダークエルフが戦争に協力してくれることになったことを告げる。


「そうか! やはり悪魔が動いていたか! 分かっていたことだが、ダークエルフたちの誤解が解けて、此度の戦争を共に戦ってくれるというのは大きな一歩だ。感謝するぞ」


「ありがとうございます」


「しかし国王様、先ほど建設中の砦が攻撃を受け、建設に関わっていた者たちに不安の声が出ています。このままでは砦建設に支障が出てしまいますよ」


まるで俺たちの責任のような言い方だな。そんなこと言うなら対策の一つでも言えよ。もっと言うと防衛に関わっていたのはエステルの騎士たちも同じだ。こんなことを言っている時点で話になっていない。


「そうなんですね。では、我々は対策を考えないといけませんので、失礼致します」


「ふふ…そうだな。よろしく頼む」


俺たちは一礼して、退室する。


「睨まれていたぞ。タクト」


「俺を睨む暇があるなら対策の一つぐらい考えろと言いたい」


「厳しいんですね…」


ギルドメンバー以外からだとそう見えてしまうかもな。するとシフォンがフォローしてくれる。


「うん…でもそれがタクト君なりの優しさでもあるんだよ。早く対策を考えないと被害が出るのは現場の人たちだからね」


思ったことを口にしているだけでこんなフォローをされると妙に恥ずかしいからやめて欲しい。


俺たちは作戦司令室に顔を出すとみんなが集まっていた。


「「「「お疲れ様~」」」」


「今、帰りました。状況は?」


「取り敢えずは安心だよ。そっちのクエストと合わせて話をしよっか」


まずメルたちの戦闘ではゴブリンアサシンは魔素のナイフを持っており、生産職を狙ってきた。そこで活躍したのがクロウさんだった。護身用の装備をしっかり準備しており、被害はそこまで出なかったそうだ。


「クロウさん、かっこよかったらしいよ?」


「生産職がひ弱だと思ってんじゃね~! って言ってた」


「ミュウ!? わざわざそこを話す必要はねーだろうが!」


「既にログアウトした人が掲示板に書いていると思いますよ?」


サバ缶さんの言葉にクロウさんが崩れ落ちる。頑張ったのにね。


「強さ的にはたぶん普通のゴブリンアサシンだったと思う。そっちの敵はどうだったの?」


俺たちは苦戦したことを話す。


「いきなりボス級の敵が出てきたんだね。まぁ、重要クエストの一つだから当然かも知れないけど」


「話を聞く限りではかなり厄介な敵だな」


「恐らくドワーフとドラゴニュートの所では更に強い敵が出てきますよね?」


「そうだな。こうなると残り二つの住処攻略は通常レギオンでは困難だろう」


デーモンタランチュラを超えるボスモンスターに敵は住処を防衛してくるだろうからな。


「だとすると住処攻略は主力が集まる夜しか出来ませんね。防衛と並行することにはなりますがそれはいつでも同じですから」


それが一番いいだろうな。ただ今晩の動き次第で敵がどう来るかはっきりする。まずは今晩、全員で防衛することが決まった。これで少しは生産職のみんなも安心して作業が出来るだろう。


次に本題のゴブリンアサシン対策について話す。


「ルーク君がいないじゃ詳しい能力はわからないね」


「メル…それは大いなる誤解だぞ。ゴブリンを召喚しているプレイヤーが結構いること知っているだろう?」


「あ、あはは。そうだったね。すっかりルーク君にゴブリンマスターのイメージが付いちゃって、忘れてた」


気持ちはわかる。ということで詳しく話を聞くと本人たちが不思議に思っていることを教えてくれた。


「普通のゴブリンアサシンなら熱探知に引っかかるはずなんですよ。でも蛇タイプの召喚獣に反応はなく、こちらのゴブリンアサシンも敵の接近に反応を示しませんでした」


これは紛れもない事実。だったら、何か仕掛けがあるな。


「召喚獣とは違うスキルを持っているか装備のせいだろうな」


「それだと装備が怪しいかな? 識別ではゴブリンアサシンって出ていたから」


「いずれにしても探知スキルを擦り抜けるのは問題です。なんとかしないといけませんね」


全員で考える。


「相手は所詮ゴブリンです。地面を歩いているならばボトムレススワンプで動きは封じられるとは思うけど、目に見えないんじゃどうしようもない」


「敵がいないのに大魔法を打ち続けるのも変ですし、もしその後に敵の大部隊が来たら目も当てられません」


「やはり敵を見つけるための仕掛けは必要ですね」


「オーソドックスなのは糸を使ったものね。糸察知で敵が触れると敵の位置がわかるわ」


アラネアも使えるものだな。ただ問題があるみたい。


「ゴブリンアサシンには罠感知と危険予知があります。罠にはめるのは厳しいと思います」


罠感知は罠察知の上位スキルだ。罠察知は罠があることを知らせるだけだが、罠感知となるとそこにどんな罠があるのかまでわかるようになる。


「それだときついわね」


「寧ろ今回のゴブリンアサシンは爆薬を使ってきたから逆に利用してくる可能性があるかも」


それだと逆効果になるな。俺はサバ缶に地形について聞く。


「地形はこことずっと同じですよ。左右が山で挟まれている谷の地形ですね。前後は今確認されている範囲ではずっと平地です」


「そうですか…砦は左右の山の中心に作っている感じですか?」


「そうです。何か思い付きましたか?」


俺は紙に現在の状況を書く。そして砦を囲むようにを線を引き、もう一つ左右の山から直線を書いた。


「いくつか作戦があります。まずゴブリンアサシン対策としては大きく二つ方法があるでしょう。物理的に砦に来れなくする方法と罠により、ゴブリンアサシンを見つけて退治する方法です」


「なるほど。砦を囲っている線はそれをするラインだな?」


「はい。敵を見つけるにしても、こさせないにしても砦を囲む必要があります。どちらがいいかみんなの意見を聞かせてください」


みんなと話し合った結果、やはりみんなポイントが入る撃破を選ぶ。とすると選ぶ手は絞られる。


「ゴブリンアサシンには罠感知と危険予知が掛からない罠を用意するのがいいでしょうね」


「え? そんなものありますか?」


「やってみないとわかりませんがたぶん行けると思いますよ」


俺はその方法を説明するとゴブリンアサシンを持っている召喚師たちが言う。


「なるほど! 確かにこれならゴブリンアサシンの罠感知は反応はしないと思います」


「実際に梅雨の村では普通に遊んでいたくらいだからな~」


「問題は危険予知ですね。こればかりはちょっと分からないです」


「まぁ、攻撃をすると反応するからな。ただ危険だとわかって砦に攻め込めないのでは防衛目的のこちらの勝ちだ。罠がない以上、ゴブリンアサシンは突破してくると思う」


先の戦いでゴブリンアサシンたちの任務は砦の破壊と砦で作業している生産職たちであることが判明している。罠がなく、ただ何故か攻撃を受ける状態だけでならスピードが売りのゴブリンアサシンは強引に突破してくるはずだ。


後は危険性が少ない攻撃で敵の姿を晒して、弓矢や銃の狙撃で倒せばいい。これでゴブリン対策は決まった。後は実際に試して見るだけだ。これはゴブリンアサシンの召喚師たちにお願いした。


次の左右の山から引いた直線の話をする。


「これは防衛のための作戦の線なんですが、今回の地形なら魔法使いたちのランパードで擬似的な万里の長城のような物を作れないでしょうか?」


「なるほどね。人数は必要になるけど、行けると思うよ」


「壁があるのとないとでは防衛での安心感が違うからな。ただ今回のイベントが正面からのみ来るのかが問題になるな」


なるほど。敵に占拠されている左右の山から攻撃を受ける可能性があるか。


「それを考えると建設されている第一、第二の砦が側面から攻撃される可能性も出てきますね」


砦は一つのフィールドにいる敵が砦を落とさないと先には進めなくするものだ。このフィールドだと敵は平地を通って順番に砦を攻略してくるように見えるが、横から第二の砦のフィールドに敵が侵入したら、その敵は第二の砦を攻略することになる。


もしこれで第二の砦を落とされると現在作製している砦は敵に挟撃される可能性が出てくる。それは避けたいな。


「ルインさんたちは第一、第二の砦に行ってもらえますか? 実はどんな砦かまだ確認していないので」


「それがいいでしょうね。一応護衛もそれぞれの砦に手配しましょう。プレイヤーはみんな正面の敵と戦いたいでしょうから希望者を除いて、NPCを頼るのがいいでしょうね。今出来るのはこれぐらいかしら?」


全員が頷く。後はこれで防衛戦をやってみてどうなるかだ。その後、ゴブリンアサシン対策の実験結果が知らされると成功したみたいだ。


「こういう自然の物は罠感知や危険予知には引っかからないですね」


「他にも方法はありますが取り敢えずこれでいいんじゃないですか?」


「ですね。至急手配します。タクトさんはログアウトしてください。作戦指示は我々がしておきます」


「わかりました。それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」


ログアウトする前に俺はトリスタンさんにあるお願いする。


「わかったわ。それじゃあ、これを預かるわね」


「お願いします」


それじゃあ、俺はセチアとノワと共に用意された部屋にいくとベッドが一つ。トラップだ。俺がベッドを複数お願いしに行こうとすると二人に捕まった。


「ベッドが一つなら仕方ないですよね?」


「…ん。にぃ、寝る」


「わかったよ」


今回はプレイヤーがたくさんいるんだ。贅沢言わずログアウトすることにした。

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