#717 アンナプルナ中腹攻略とノワの成長
翌日、学校が終わるとスーパーに直行をする。明日から三連休だからその分を買い物をするために熾烈な主婦たちとの戦いに勝たねばならないのだ!
足を踏まれ、肘打ちをくらう戦場から無事に帰還し、ゲームにログインする。今日は俺もミスリル集めだ。ナオさんから注文した転移クリスタルとクロウさんたちに登山用の道具を貰いに行くと必要なしらしい。
「攻略組の奴らがカラビナとロープを設置したから必要ない。後は登攀スキルがあれば登れるだろう」
登攀スキルはエアリーが持っているが、背中に乗せて登らせてくれないかな?たぶんきついだろうな。
「取らないとダメですか?」
「ダメってことはないが厳しいぞ? 現実ほど高性能な物じゃないし、クライミングハーネスもないからロープから手を離したら、落下することになる」
ダメか…待てよ。別に登山用のアイテム使わなくてもクライミングできるんじゃね?きっとクライミングとは言えないものになるけど、あれを使えばいけるはずだ。
「何か思い付いたのか?」
「はい! ちょっと準備して来ます!」
俺は浮遊石を大量に持ち出し、土のルーンを仕込む。そう、浮いた石に乗っていけば、わざわざクライミングすることはないと気がついたのだ!これで準備完了。
次はあの死神だ。挑むつもりはないが採掘が目的ならいつ戦闘が起きても不思議じゃない。むしろ戦闘が起きる前提で編成を考えたほうがいいだろう。
俺が選んだメンバーは恋火、ノワ、セフォネ、ユウェル、優牙だ。恋火たちを冬用の装備に変更して、死神での戦闘時の作戦を説明する。そして俺たちはアンナプルナ攻略に出陣した。
俺は後ろに恋火、ユウェルを肩車してエイナル・スクーラソンで爆走中。オコジョやヨトゥンたちを置き去りにして、走っていく。
「いけ~! タク! そこだ~!」
「風が気持ちいいです~!」
二人は完全にハイだ。ノワとセフォネも影から顔を出して風を味わっている。すると目的地に到着すると確かにロープがあった。しかし俺は想像の上を行く。
「(土のルーン)」
俺たちは浮いている岩を階段上に乗っていき、崖を攻略した。すると目の前の光景は雪一色だ。再びエイナル・スクーラソンに乗る。
「一気にいくぞ」
「うむ!」
「はい!」
俺たちが乗っていくとうちのメンバーたちが戦闘しているところに遭遇する。彼らが戦っているモンスターはどれも初見だ。
グレンデル?
? ? ?
バーサーカービッグフット?
? ? ?
フリームスルス?
? ? ?
バーサーククリスマスローズ?
? ? ?
獣人っぽい巨人の戦士に目が血走っている毛むくじゃらの巨大な雪男、フリームスルスは恐らくヨトゥンの進化先だな。ヨトゥンと異なり、体が完全に氷で出来ている。最後は雪から氷の茨を出しまくっている植物モンスターだ。クリスマスローズは実在する花だが、クリスマスにはまだだいぶ早いな。
「タク!」
ユウェルが警告すると巨大な氷塊がこちらに飛んで来た。俺はそれを躱す。
「どんどん飛んでくるぞ!」
「上等だ! 俺のスケーティングで全部躱してやる!」
「おぉ! いけー! タク!」
「しっかり捕まっていろよ。恋火、ユウェル!」
俺はエイナル・スクーラソンで飛んでくる氷塊とモンスターたちの攻撃を躱していく。本当にいいもの貰ってしまったな。ノイシュさんに感謝だ。そして氷塊を投げて来ている奴は次の崖の上に複数いた。
スノーキングコング?
? ? ?
キングコングかよ。しかしどうしたものか。崖の上に陣取られたら、ロープの設置も浮遊石による土のルーンも出来ないぞ。
「撃つか? タク」
「んん~…降りてこないかな?」
「近寄ってみますか?」
「だな。戦闘する準備をしてくれ。行くぞ!」
俺たちが崖に向かうと氷塊の数が増えるだけだ。非常にウザったい。
「来ませんね」
「タク! あそこ! 崖に洞窟があるぞ!」
「突っ込むぞ!」
俺たちが洞窟に入ると真っ暗で何かにぶつかり、俺たちは転倒する。
「な、なんだ? ライト」
アルカスベア?
? ? ?
杖で明かりをつけるとチェスがいた。
「ガァアア!」
「いぃ!?」
倒れていた俺は咄嗟にエイナル・スクーラソンを足で蹴り上げ、アルカスベアの氷斧をガードする。しかし二擊目を防ぐ手段がない。
「タク! はぁああ!」
ユウェルが竜角で体当たりをするが、氷装甲で防がれる。
「やぁああ!」
続く恋火の攻撃も氷装甲相手では効果がいまいちだ。
「グォオオ~!」
俺に氷斧が振り下ろされた瞬間、影からセフォネが飛び出す。
「ぬぅええい!」
ハルペーと氷斧がぶつかり合う。しかしセフォネはパワーで押される。するとノワが影から飛び出す。
「…黒炎!」
ノワの黒炎がアルカスベアの顔に命中する。
「グォ!?」
「ナイスなのじゃ! ノワ! ぬああぁ~! ふん!」
怯んだ隙をセフォネは見逃さず、氷斧を弾いた。
「…ドラゴンブレス」
至近距離からのノワのドラゴンブレスをアルカスベアは受けるが星鎧を展開して、ノワのドラゴンブレスを受けきった。しかし距離は開き、俺は起き上がり、恋火たちが合流する。
「…びっくり」
「腕が変な方向に曲がるかと思ったぞ…とんでもないパワーなのじゃ」
「狭いところは不利じゃないですか? タクトお兄ちゃん」
「あぁ。だが、外に出ると氷塊が降ってくる。ここは洞窟で戦うしかない。俺は明かりを確保するが戦闘はみんなに任せる。この中で恐らく一番相性がいいのはユウェルだ。行けるか?」
ユウェルがトンファーを取り出す。ここでそれを選択するのはユウェルのセンスだな。洞窟は広くないからハルバードやバトルアックスのような武器は不向きだ。ここはトンファーの選択で間違っていないと思う。
「任せろ!」
「よし。ノワはブレスの防御に専念。セフォネは」
「グォオオ!」
説明中だっつーの!しかし説明が無くても恋火とセフォネが動いてくれた。
「攻撃はあたしたちが対処します」
「両腕を抑えたぞ! これで下ががら空きじゃ! ユウェル!」
「行くぞ! 荷重操作! 重力操作! はぁああ!」
ユウェルがアルカスベアのがら空きの腹にトンファーが決まる。しかし吹っ飛ばない。アルカスベアの足に優牙が噛み付いていた。
「む? はぁああああ!」
最初は吹っ飛ばないことに疑問を持ったユウェルだったが状況を理解し、トンファーで腹を連打する。アルカスベアも星鎧と氷装甲を展開するが、ユウェルの連続攻撃の前に持たせることができずに壊れる。そしてユウェルが息を吸い込むと先にアルカスベアが神聖ブレスを放つ。
「…黒霧」
ユウェルに放たれた神聖ブレスはノワがガードする。それを見た優牙は離れ、恋火も息を吸い、セフォネはハルペーの攻撃を溜める。
そして神聖ブレスが終わった瞬間、全員の攻撃が放たれる。
「ドラゴンブレス!」
「ハーミットブレス!」
二人のブレスが直撃するとアルカスベアは洞窟の壁にめりこむ。そこにセフォネがハルペーを振りかぶる。
「これで終わりなのじゃ! チャージスライサー!」
アルカスベアを斬り裂き、アルカスベアは倒れた。インフォが来る。
『ノワのレベルが20に到達しました。成長を実行します』
ノワが黒く光り、成長する。終わると再びインフォが来た。
『ノワが成長をしました。黒死病、死の宣告を取得しました』
『ノワが竜化で代償がなくなりました』
死滅光線は次の進化に持ち越しか…まぁ、強いから当然か。それより黒死病と死の宣告を覚えたことは大きいな。
「…にぃ。成長した」
なぜ胸をアピールしてくる。するとセフォネがキレた。
「妾に対する嫌味か! ノワ」
「…そんなつもりは」
「問答無用なのじゃ~! ノワ!」
セフォネがハルペーを振り回すのだけは止めて、ノワのステータスを確認する。
名前 ノワ ドラゴニュート・ディペンデンスLv19→Lv20
生命力 162→192
魔力 316→360
筋力 130→160
防御力 97→130
俊敏性 150→180
器用値 238→270
スキル
影操作Lv29 飛翔Lv35 呪滅擊Lv23 影探知Lv26 影移動Lv18
影針Lv19 影潜伏Lv35→Lv36 影呪縛Lv27 影召喚Lv19 気配遮断Lv24
擬態Lv15 暗視Lv32 魔眼Lv18 冥波動Lv20 暗黒魔法Lv5
超再生Lv8 黒炎Lv7→Lv8 集束Lv12 邪気Lv18 蘇生Lv4
黒霧Lv24→Lv25 霊化Lv8 身代わりLv11 引力操作Lv5 吸収Lv5
黒死病Lv7 超感覚Lv24 死の宣告Lv3 逆鱗Lv5 竜技Lv17
ドラゴンブレスLv16 竜魔法Lv11 竜化Lv9 料理Lv16 邪竜の加護Lv20
まぁ、強くなったな。さて、さっきの戦闘を褒めないとな。
「いい連携だったな。偉いぞ。みんな」
『えへへ~』
敵は強くなっているが、これまでの戦闘経験は確実にみんなを成長させていると実感した戦闘だった。こういう敵に自分たちがどう動くのがいいのかしっかり理解していることと、ノワの防御を信じて動いたみんなは本当に強くなっていると思う。召喚師として鼻が高いが俺の指揮への卒業が近い気がするな。
暗い気持ちを切り替えて、解体する。
小熊座の毛皮:レア度8 素材 品質B
耐寒性に優れた熊の毛皮。星の加護が宿っており、魔法耐性もあることから狩人から戦士まで非常に人気があり、雪が降っている場所の冒険には大活躍する素材。
チェスが毛皮になってしまった。俺は触るといい毛皮で思わず味わっているとノワが手を差し出して来る。
「…ん!」
「はいはい。ノワもな」
「…むふ~」
本当にノワはこういうのが好きだ。俺も同じだから同類だけどね。するとノワが話す。
「…ノワたちにはにぃの指揮が必要。やめるのはダメ」
完全に不意打ちだった。ノワには気づかれていたみたいだな。
「…わかった。でも今みたいなことがあるから」
「…ん。そこをフォローするのがノワたちの役目」
「そっか」
俺はノワの頭を撫でると洞窟の先を見る。
「セフォネ、ワープポイントを設置してくれ。今から洞窟探検をするぞ」
『おぉ!』
俺は一応頑張っているであろうメルたちに洞窟のことを伝えて、洞窟探検を出発した。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv23
生命力 144
魔力 364
筋力 212
防御力 70
俊敏性 150
器用値 226
スキル
格闘Lv39 蹴り技Lv38 杖Lv43 片手剣Lv50 槍Lv35
刀Lv43 二刀流Lv10 投擲操作Lv19 詠唱破棄Lv36 魔力操作Lv18
魔力切断Lv26 危険察知Lv20→Lv21 超感覚Lv19→Lv20 召喚魔術Lv41 封印魔術Lv40
ルーン魔術Lv33→Lv35 阻害無効Lv9→Lv11 騎手Lv43 錬金Lv27 採掘36
伐採Lv39 解体Lv52 鑑定Lv47 識別Lv49 疾魔法Lv15
炎魔法Lv11 地魔法Lv15 海魔法Lv12 暗黒魔法Lv12 神聖魔法Lv23
雷魔法Lv47 爆魔法Lv53 木魔法Lv36 氷魔法Lv37 時空魔法Lv54
獣魔魔法Lv9 遅延魔法Lv17 連続詠唱Lv40 水中行動Lv30 空脚Lv5
読書Lv20 料理Lv47 釣りLv23 シンクロLv32 エンゲージLv14
連携Lv28
名前 恋火 ハーミットビーストLv20
生命力 190
魔力 246
筋力 304
防御力 120
俊敏性 354
器用値 184
刀Lv43 二刀流Lv35→Lv36 鎌鼬Lv25 炎魔法Lv12 時空魔法Lv19
黒炎Lv23 聖火Lv35 火炎操作Lv9 天耳通Lv36 他心通Lv23
危険予知Lv37 気配遮断Lv12 魔力切断Lv24 物理切断Lv26
霊力Lv18 仙気Lv27 仙術Lv21 幻影Lv14 神道魔術Lv16
見切りLv24 縮地Lv32 神足通Lv30 妖術Lv12 血醒Lv14
料理Lv29 蒼炎Lv1 紅炎Lv8 鬼火Lv6 ハーミットブレスLv10→Lv11
狐技Lv12 荒魂Lv1 神降ろしLv2 獣化Lv8
名前 セフォネ ヴァンパイアクイーンLv19
生命力 184
魔力 286
筋力 158
防御力 110
俊敏性 146
器用値 210
スキル
鎌Lv23→Lv24 影翼Lv23 吸血Lv26 暗視Lv33 吸血爪Lv10
影潜伏Lv22→Lv23 影操作Lv12 影召喚Lv30 影移動Lv8 隠密Lv20
暗黒魔法Lv10 氷魔法Lv17 時空魔法Lv15→Lv16 引力操作Lv4 夢幻Lv3
譲渡Lv5 蘇生Lv21 不死Lv28 血流操作Lv22 出血弾Lv18
血竜Lv9 金縛Lv7 障壁Lv8 血晶Lv16 斥力操作Lv6
魔法侵食Lv3 魔素解放Lv6 呪滅封印Lv27 暗黒波動Lv18 血醒Lv2
吸血鬼の加護Lv10
名前 ユウェル ドラゴニュート・コアLv15
生命力 160
魔力 122
筋力 241
防御力 322
俊敏性 94
器用値 116
スキル
鉄拳Lv2 万物武装Lv14→Lv15 採掘Lv3 鍛治Lv15 堅牢Lv14
強制Lv8 竜角Lv3→Lv4 激突Lv8→Lv9 超感覚Lv10→Lv11 竜眼Lv8→Lv9
高速再生Lv10 格納Lv6→Lv7 練気Lv16→Lv17 荷重操作Lv15→Lv17 金属装甲Lv9
金属壁Lv10 宝石投擲Lv3 重力操作Lv15→Lv16 土魔法Lv10 土潜伏Lv12
集束Lv5 石波動Lv10 投擲操作Lv3 地脈操作Lv3 逆鱗Lv3
竜魔法Lv6 竜技Lv10 竜化Lv6 ドラゴンブレスLv6→Lv7 起死回生Lv3
星核竜の加護Lv6
名前 優牙 マーナガルムLv20
生命力 80
魔力 207
筋力 124
防御力 160
俊敏性 125
器用値 74
スキル
噛み砕くLv35 気配察知Lv33 危険予知Lv31 氷爪Lv28 暗視Lv29
防御無効Lv25→Lv26 耐性無効Lv22 氷投擲Lv16 氷の牙Lv32→Lv33 氷装甲Lv22
反射Lv14 極寒ブレスLv31 冷凍弾Lv20 吹雪Lv2 雪潜伏Lv19→Lv20
即死Lv19 耐寒Lv18→Lv20 狂戦士化Lv7 月の加護Lv8




