#662 フィールドの変化とフィールド攻略計画
俺たちは町を見て回ると色々な人に声をかけられた。最初のアンラ・マンユの攻撃がよほど効果があったのか、タダで料理を渡してきて、断る前にリリーたちが受け取るので断るに断れない。
「感謝の気持ちなんだから受け取らないと失礼よ? タクト」
そんなものなのかな?
「タクト~持ちきれないから持って~」
山のような料理を預かったが誰が誰の物かわからない。するとリリーの衝撃発言。
「グレイたちの分もあるから大丈夫だよ」
あのリリーが!お肉なら絶対に譲らないリリーが!グレイのことを考えて料理を受け取っていただと!?
「あの魔神の攻撃がまた落ちてくるんじゃないですか?」
「あれをまた俺がするの嫌だからアーレイの奴を探すか」
「ギルドにいるのではないでしょうか?」
「酷いですよ…タクトお兄ちゃん、お姉ちゃんたち」
恋火はそういうとリリーの呟きが聞こえてきた。
「これでしばらくタクトの料理はリリーのもの」
あぁ…フリーティアは救われた。リリーはどこまでいってもリリーだった。そしてリリーの悪知恵を聞いたみんなもそれに乗っかり出す。次々貰っては俺に渡してくるので、俺の限界を迎えた。
「インベントリが一杯でもう無理だ! それに俺の料理は当分無しな」
『えぇー!? なんで!?』
「お礼にはお礼で返すものなんだよ! みんなが貰ったお店は全部覚えたから暫くはそのお店で外食だ」
『そんな~』
買い物する前に大変なことになったから、ホームに帰る。するとグレイたちは少し料理を食べて、残りをリリーたちに返した。
どうやらリリーたちの考えはバレバレだったようだ。
『ど…どうしよう…』
「食べるしかないだろう? 残すことは許さないからな」
『うぅ…』
悪知恵というものは自分に返ってくると学べて良かったな。
『…』
「はぁ~…俺も手伝うし、冒険の時は俺の料理を出すから、これからこういうことは止めるようにな」
『タクト~!』
どうしても落ち込むリリーたちの姿には弱い。
お昼となり、ログアウトする。昼食を食べると佳代姉たちからメールが来た。
『トレントの森でザッハークが出た。ギルドで会議するからちょっと来て』
メンテでフィールドの情報を変更した話か。これは話し合わないといけないだろうな。
というわけでログインして、ギルドに顔を出す。
「メンテナンスで行われたフィールドの変更は『魔神大戦』で被害を受けたフィールド全てが対象のようです」
「暗黒大陸も変わってたよ~」
「新しいモンスターは確認出来ませんでしたけど、レベルが上がって、攻撃パターンが変わってました」
それで死に戻りかけたみたいだな。
「今日の夜の国際会議で各国の救援クエストが発生するはずよ。フィールドの難易度も上がったことだし、私たちの動きの指針を決めましょう。タクト君はどう動くつもりかしら?」
「朝と昼は海で夜は悩んでいます。暗黒大陸か桜花を狙うか、今進んでいるフィールドの先を狙うかって感じですね」
次にメルが話す。
「私たちのお昼はトレントの森で砦の再建をする生産職の護衛だね。夜はタクト君と同じ感じかな?」
次にルークたちが話す。
「僕らは暗黒大陸にかかりっきりになりますね。一刻も早くバトルシップを手に入れたいですから。ただご覧のような有様で…情けないですが、タクトさんには暗黒大陸の攻略を手伝って欲しいです」
「私たちはお昼はタクトさんと一緒に海に行きたいです。宝島を見つけるまで終われない!」
わかる。ここまで来たら、最後までやりたいよな。これにはシャローさんたちに賛同する。サバ缶さんがまとめてくれる。
「だとすると攻略組は朝、昼は海と桜花、生産職の護衛。夜は暗黒大陸に戦力を集めますか」
「そこまでなんですか?」
「はい。今は梅雨の村からフィールドボスを二体倒しているんですけど、町がなく、モンスターが強いため苦戦しているんです」
「ゼロの状態で攻略をしたから時間がかかっちゃったんだよね。罠も結構あったし、モンスターの数が多いから大変なんだよ」
へー。そうなのか。俺はサバ缶さんからみんなが作ってくれた地図とモンスター情報を貰う。これで俺は迷う必要が無くなった。しかしこれは暗に早く来て欲しいと言っているようなものだ。
「どんなところで止まっているんだ?」
「森の中にある遺跡フィールドです。遺跡の中にある宝珠アイテムを見つけて来て、中央の遺跡にその宝珠アイテムを収めると恐らくボスが出現する仕組みではないかと」
森の中の遺跡かぁ…いいね!冒険心をくすぐられる。因みに六つ必要で、誰がそこに収めてもいいらしい。そしてみんなが集めたのは四つ。
「もう少しじゃん」
「全然大変さを理解していないね! 兄ちゃん! 大小30近くの遺跡があるんだよ! どれが当たりかわからない上に遺跡の中も外もモンスターが出るんだよ!」
外れがあるってことか…ここの運営が考えそうな悪知恵だな。しかし全くのノーヒントというのは変な気がする。
「なぁ? 本当にノーヒントなのか? ここの運営なら何処かにヒントを隠しそうなんだが」
「気持ちはわかるけど遺跡の中を調べたけど、何も無かったよ?」
「遺跡にアイテムがある印みたいなものも無かったです」
「遺跡の周りはどうなんだ?」
誰も何も言わなくなる。遺跡のフィールドだから意識が遺跡にいくのは仕方無い。たぶん俺もいくだろうから。しかしここの運営ならそれを逆手に遺跡とは関係がない所に何かしらのトリックを隠すことは大いにありえそうだ。
「周辺を調べる係と遺跡を調べる係に別れてみます」
今度はクロウさんが言う。
「俺たち的にはヴェインリーフを開拓して欲しいんだが?」
俺たちが行くとしたら、ホークバレーの先の山だ…山だから当然鉱石があるんだろうけど、イエローオッサよりハードだと思うんだよな。
「全員のスケジュールが一致するわけじゃありませんから。他のフィールドはそういう時に探索する感じですかね?」
「タクトはあの山に一度行ってきてくれねーか?」
「わかりました。明日にでも行ってみます」
「おう。いい素材を見つけてくれ。後、昨日も話したが魔法の粘土も悪いが頼む」
みんなで予定を決めて、俺はアラジンとジンに用事があるので、二人の所に向かうことにした。




