#588 マーメイド保護と宝箱の中身
焼きカニパーティーが終わった後、リアンから詳しい話を聞く。
「この子たちはみんな、こことは別の島にある入江に住んでいるマーメイドらしいです。遊びに少し遠出したところを海賊に捕まってこの首輪を付けられてしまったという話でした」
『人魚の入江!?』
まぁ、有名ワードだけど怖がらせるのはやめようね。
「となるとそこに帰してあげるべきか?」
「この子たちはそう言ってますけど…場所が分からないみたいです」
ならとりあえずカインさんに報告するべきかな?あの人なら心当たりぐらいあるだろう。
「ここで見つけたものはどうします? 大砲や爆弾、手榴弾、銃までありましたが」
「全部回収してとりあえず持って帰りましょう。後は成り行き次第ですね」
「わかりました」
俺たちは一旦マーメイドの子たちを獣魔ギルドに連れて行くと突然のマーメイドたちにざわつく。なんで俺を変な目で見るんだよ。
「すみません。ネフィさんかカインさ」
「もちろんいるとも!」
「ギルマスは仕事してください!」
「ま、待って! ネフィ! これも立派な仕」
ドアが閉められた。カインさんの悲しい悪足掻きの音が聞こえる。
「要件はその子たちですね? 何があったんですか?」
俺はバッカニア島で起きたことを話す。
「その海賊は亜人の奴隷で商売をしていたんでしょうね…マーメイドは奴隷として一二を争うほどの高値で取引されると言われていますから。そのアジトで戦闘をしたのは奴隷商人で間違いないでしょう」
「やっぱりそうですか…それでこの子たちはどうすればいいですか?」
「残念ながら獣魔ギルドに該当する情報はありませんね。それだけマーメイドは警戒心が強い種族ですから」
ありゃ…まさかの空振りだ。しかしヒントはくれた。
「アジトに地図はありませんでしたか?」
俺はシャローさんを見ると答えてくれた。
「ありました。結構な量でしたよ」
シャローさんの仲間の人が地図を出すと確かにかなりの量だ。するとネフィさんが地図を見る。
「この地図は正しいかどうかはわかりませんが、ここに印が付いています。恐らく彼らが船を襲う場所や亜人種を捕まえるためのポイントを示すものでしょう」
「俺たちの地図と組み合わせればある程度、絞れるかも知れないということですね」
「はい」
俺はシャローさんたちを見る。
「わかりました。解析してみます」
「お願いします。じゃあ、その間この子たちをお願いできますか?」
「もちろんです。後、彼らが使っていた武器などはありますか?」
ありますとも。俺たちはネフィさんにアジトで見つけた武器を見せる。
「この銃は基本的にはライヒのもののようですが少し改造されてますね…それに見たことがないエンブレムもあります。この武器はお預かりしていいですか? ここから奴隷商人などを追跡できるかも知れませんので」
「わかりました」
「それとその島に獣魔ギルドの職員を連れて行って頂けませんか? 何も知らず奴隷商人が現れるかも知れませんので」
というわけで俺は獣魔ギルドの職員をバッカニア島に転移させた後、ギルドで残った大量の宝箱を開けることにした。出てきたのがこちら。
黒ひげの日記:通常アイテム
黒ひげの毎日を綴った日記。
ベガスワイン:レア度7 食材 品質C+
効果:泥酔
ベガス島特産の辛口ワイン。通常のワインよりアルコール度数が高く、主に食前に飲まれるワイン。子供は飲むことが出来ないので注意。
ベガスワイン:レア度7 食材 品質C+
効果:泥酔
ベガス島特産の甘口ワイン。通常のワインよりアルコール度数が高く、主に食後に飲まれるワイン。子供は飲むことが出来ないので注意。
アン女王の像:通常アイテム
効果:船の破壊を一度無効
船の破壊を防ぎ、船乗りの安全な航海を祈る女王像。海賊などによく使われている。
クイーンアンピストル:レア度7 銃 品質C+
重さ:50 耐久値:100 攻撃力:100+純弾
フリントロック式の拳銃。主に海賊などが使用している拳銃。他の銃と比べると命中精度に難があるが重くなく、何より二丁拳銃が可能になる。他の銃と比べて、敵が近くにいても撃つことが出来るため、銃士の近距離武器としても人気を誇る。
手榴弾:レア度6 爆弾 品質C
攻撃力:300 物理破壊 使用回数1回
追加効果:やけど
手で投げて用いる小型の爆弾。安全ピンを外さないと起爆しない仕組みで外してから五秒後に起爆する。そのため銃で弾かれたり、投げ返されることもある爆弾。
魔法阻害煙幕:レア度6 爆弾 品質C
魔法阻害 使用回数1回
追加効果:暗闇
手で投げて用いる爆弾。地面にぶつけることで魔法を阻害する煙を発生させる。煙内では魔法の使用が出来ず、また煙に魔法を使用しても魔法を弾いてしまう。追跡を巻くのにも便利で忍者や銃士などに人気がある爆弾。
黒ひげの宝の地図:重要アイテム
黒ひげが隠した宝の在り処を示した地図。
どれも黒ひげゆかりのものだな。俺は日誌を読むとシャローさんにあげる。黒ひげの性癖暴露本だったからだ。ただの嫌がらせアイテムの間違いだろう!運営!
気を取り直して…拳銃来たな!それも結構あるから俺の分もある。二丁拳銃か…いかん。俺は召喚師だ。ただでさえ刀とか使っているのにそんな男のロマンを求めるなんて!へーパイストスとユウェルのお土産と合わせて四丁貰いました。
代わりに大量のワインは全てシャローさんたちにあげる。どうせ飲めないしね。アン女王の像は数個しかなかった。俺は四個貰えた。結局はスクナビコナに使うからね。それに俺には前科がある。壊すつもりはないがあるに越したことはない。
手榴弾と魔法阻害煙幕はそれぞれ宝箱三つに一杯入っていた。これはシャローさんたちに多めに渡した。残ったものは俺が保管することになった。一応決闘イベント中だからな。
後はお金だった。しかし今回は結構な金額だ。半々に分けようとしたが多めに貰えた。俺たちの戦果を加味したら、当然と言われた。シャローさんたち…大人だ。
そこで俺は気になるのを見つけた。
「すみません。そのワイン、見せてくれませんか?」
「? どうぞ」
やっぱり見間違いじゃないな。
「あの…このラベルに書かれているエンブレムってさっき武器に書かれていたものじゃないですか?」
『え? …あ』
まさかの一致だ。そしてベガスといえば俺たちにはやはりこれが浮かぶ。カジノの町ラスベガス!この町と奴隷商人がどう関わっているのか大よその想像が付く。とりあえずわかったことを報告しに向かう。
「あ! タクトさん! いいところに」
何事だ?マーメイドたちが来る。
『カニ、食べたい!』
俺に言うのか!?最初にカニを焼きだしたのはシャローさんたちだろう!?シャローさんたちを呼び出し、責任を取らせた。ついでに俺の分のカニも要求する。
その間にネフィさんに話をする。
「ベガス島ですか…すみません。私では聞いたことがない島です」
「そうですか…」
もしラスベガスが実在しているなら間違いなく有名なはずだ。名前だけ似てるだけ?そんなことは考えられないな。そして俺たちの次の目的地は結構大きな島だ。どうしても怪しく思ってしまう。
「一応国に報告させて貰いますね」
「よろしくお願いします」
すると服を引っ張られる。
『カニは?』
「もう少し待っててくれ。カニのお兄さんたちが取ってきてくれるから」
『はーい!』
後にシャローさんたちから変なあだ名を付けたことで抗議された。とりあえずもう遅いからログアウトするとしよう。




