#581 リビナの告白
夕飯を食べてからログインする。
俺は花見の時の約束でリビナと買い物に向かう。明らかに順番無視の買い物に流石にバレバレでリビナがガチガチだった。
それでもお店を回ると徐々に買い物を楽しむようになる。
「あ! この服、ボクに似合わない? タクト?」
「似合うとは思うが、本当にフリルとか苦手なんだな」
「し、仕方ないでしょ! ボクに女の子の格好なんて」
うむ。舞踏会の様子でも満更じゃない様子だったし、背中を押してみるか。
「舞踏会のドレスは似合っていたじゃないか。私服でも持っておいたらどうだ?」
「…本気で言ってる?」
「もちろん。着たくないなら着なければいいから…選んで見よう」
「じゃあ…タクトが言い出したんだからタクトがボクに似合う服を選んでよ」
任されてしまった…あ、背中にハートの刺繍がある服がある。面白そう。
「悪ふざけしたら怒るからね? タクト」
察知された…それじゃあ、真剣に選ぶか。ん?これは!
「タ…タクト? 何を持っているの? そんなの無理無理! あぁ~!? そんなスカートまで! 止まって~!?」
俺は無視してレジに行く。
「これください」
「はい。ここで着替えて行きますか?」
「お願いします」
「なんでタクトが決めるのさ!」
着替えたリビナが現れる。
「うぅ…サキュバスにこんな格好させるなんて…タクトぐらいだよ」
そうだろうか?リビナの格好はフリルがある制服っぽい白を基準にしたブラウスにフリルがある赤紫のミニスカートだ。
「似合っているじゃないか。それじゃあ、このまま行くぞ」
「嘘でしょ~!? ちょっと待ってよ! タクト~!」
俺はリビナを連れて公園に向かう。
「うぅ…めちゃくちゃ見られてた…」
「いつものリビナは今日以上に見られてるぞ? さて、ここなら景色もいいし、大丈夫だろう」
俺は指輪を取り出す。
「こんな格好をさせて、指輪を取り出すんだね…タクト」
「嫌じゃないんだろう? リビナには最初から大変な目に会わせられたからそのお返しだ」
「あはは…そういえば最初に魅了しようとしたんだっけ。でもお返しは変だよ。タクト」
「確かに変かもな」
するとリビナが話す。
「あの時はタクトを試すつもりでやったことだけど、今では本気だよ…タクト。だからボクに指輪を渡すならちゃんと覚悟して渡して欲しいんだよ」
「それなら出来てるさ。じゃなきゃ指輪を渡したりするもんか」
「ふ~ん。タクトってそういうタイプなんだ。じゃあ、指輪をつけてくれる?」
「あぁ」
リビナに指輪を付ける。するとインフォが来る。
『リビナとエンゲージが結ばれました』
リビナが指輪を強く握りしめる。そして挑戦的な目を向ける。
「ボクはリリーたちに負けるつもりはないからね? タクトをメロメロにしてあげるから覚悟するだよ! タクト!」
なんか宣戦布告されたみたいだな。でも、リビナらしいといえばらしいか。
その後、ホームに帰るとリビナの服装に全員が興味津々だ。
「この服、何処かでみたことあるような…」
「マスターが最初にわたしに着せた服に似ています」
言い方をなんとかしてくれ。俺が制服大好きみたいだ。いや、嫌いじゃないけどね。
『思い出した!』
事情を知らないノワたちにリリーたちが説明している。ここは逃げるが勝ちだな。するとそれに気付いたファリーダが指示を出す。
「ノワ! タクトを確保して!」
「…ん!」
ノワが影から現れ、俺の足にしがみつく。俺はノワを引きずりながら出口に向かう。
「…おぉ~…これはこれでいい」
何かノワのだらけセンサーにヒットしたようだ。
「止めれてないじゃない! リビナ! 貴女もよ!」
「わかっ…って無理無理! この服で抱きつくなんて無理だよ~!」
なるほど。猛アタックしてくると思ったのに大人しかったのはあの服装だったからか。
「普通逆でしょうが! セフォネ!」
「任せるのじゃ!」
しかしセフォネにくっつかれても全然問題ない。完全に人選ミスだな。ファリーダ。俺がドアノブに手を置くとイオンが手を置いてきた。
「そこまでです。タクトさん」
「イオンの手は綺麗だな」
「え!?」
驚いたイオンが手をどける。俺は部屋から脱出した。
「何してるのよ…イオン」
「いや! あれは反則でしょう! 待ってください! タクトさん! もう一回言ってください!」
「目的が変わっとりますよ? イオンはん」
「でも、気持ちはわかります! みんなに言ってもらいましょう!」
リアンの提案に一致団結するが俺は逃げ切った。あんな恥ずかしいことを連呼してたまるか!
「…気持ち悪い」
「タクトよ…妾たちのことも考えよ」
足にずっと捕まったままのノワとセフォネは伸びていた。
「いや、足から手を離せば良かったじゃないか」
その手があったか。という顔をするノワとセフォネだった。バタバタしたがログアウトしよう。
後に俺が制服大好き疑惑でみんなから追及されるのが、それはまた別の話。




