#572 タクトのお礼参りとブリュンヒルデクエスト
リリーたちのお説教が終わり、昼食を食べた俺はゲームにログインする。お昼はお礼品を持って、各地を回る予定だ。まずはエルフの森に向かい、俺が作ったパンケーキを送った。
「…お主が直接渡すべきとは思わんか?」
「女王様に何度も会うわけには行かないでしょう?」
「…ぐ。わかった…」
エルサリオンさんにイヴリーフ様のために作ったパンケーキを渡す。
「エルフィーナよ。ちょっと良いかの?」
「なんですか? エルサリオン様」
あーあー。たらい回しになる予感。まぁ、俺は悪くない。変なことになる前に逃げ出そう。
レイブンには燻製ドラゴンステーキとお酒。ホークマンの村でお酒を飲んでいたから、プレゼントしよう。
「わざわざお礼品を持参するとはな…みなでありがたく飲み食いさせて貰う」
次はクーシーのところに行き、骨付きドラゴン肉の丸焼きを贈った。
「わぁ! ありがとうございます! みんな! 凄い骨付きお肉が来たよ!」
『骨付き肉だって~!!』
やはり犬だけあって、骨好きなんだね。
「ワシにも食わしてくれ~」
村長のハチが死にそうになりながらお肉を目指す姿が見えた。ハチ公に優しくしてやってくれ。
次にやってきたのはメイド村。一応お守りに助けられたからしっかりお礼をしないとね。用意したのは特大プリン。
「お礼品なんていいですのに…」
「助けてもらったのは事実だからさ…受け取ってくれ。それに…もう出しちゃったからさ」
「まぁまぁ。凄い黄色いお山さんなのだわ!」
「甘~い。いい香りがするのだわ!」
既にプリンに飛び込む気満々なブラウニーたちがいる。
「ずるいご主人様なのだわ。仕方がありません…今回はありがたくお受け取りしますのだわ」
それを聞いた瞬間プリンに飛び込むブラウニーが続出した。
葛葉ちゃんたちはどうしようか迷ったが台所に貼り紙でお礼品と書いて、油揚げを置いておいた。多分、取りに来るだろう。
最後はスカアハ師匠のところに向かう。
「お邪魔しま~す!」
「よぉ。タクトじゃねーか。戦争で随分活躍したらしいじゃねーか!」
「そこまで活躍してないさ。スカアハ師匠はいるか? お礼にドーナツを」
「いるぞ」
背後からスカアハ師匠が現れた。びっくりした。そして俺が出したドーナツは残らずスカアハ師匠の物になった。
「ひっで~」
「ちゃんとクーフーリンの分も作ってきたぞ。ステーキでいいか?」
「もちろんだ!」
俺は燻製ドラゴンステーキを出す。
「うほ~! 美味そう! いただきます!」
クーフーリンが肉を手で掴み、かぶり付くとスカアハ師匠に叩かれる。
「マナーが悪いわ! 馬鹿者!」
「いってーな! ん!? うま!」
痛さより肉の旨さが勝ったらしい。これでお礼回りは終わりだな。それじゃあ、帰って攻略を進めようと思ったが、スカアハ師匠に止められた。
「実はブリュンヒルデからメッセージを受け取っている」
「メッセージ?」
「あぁ…タクトに助けて欲しいらしいぞ?」
俺はスカアハ師匠から葉書を受け取ると映像が流れる。
『レギンとへリアに認められ、ノートゥングに選ばれた召喚師へ。私と共にシグルドに会い、彼を救って欲しい』
するとインフォが来る。
『依頼クエスト『シグルド救出』が発生しました』
依頼クエスト『シグルド救出』:難易度S-
報酬:クエスト結果により、変動。
記憶を改竄されたシグルドを救出せよ。
救出せよとか書かれているけど、絶対シグルドと戦うことになるよね?難易度S-だもん!しかしほっとけないよな…難易度から見て、絶対報酬はいいし…ひょっとしたら、グラムとか貰えるかもしれない。
それにこのクエストはノートゥングが手に入った時点でフラグを踏んでた感じだな。グンナルと戦って追い返しているし…とにかくブリュンヒルデに会いに行きますか。
俺はブリュンヒルデがいる炎の館に向かう。すると火が消えていた。あれ?なんでだ?
疑問に思いながら屋敷に入るとブリュンヒルデに出迎えられた。
「ようこそ。ノートゥングに選ばれた召喚師さん。メッセージを読んでくれたようですね? どうぞ、事情をお話します」
俺は椅子に座って話を聞く。
「まずあの後、グンナルと名乗る者が炎の壁を越え、ここに来て私に婚約するようにと言って来ました」
うん。グンナルに姿を変えたシグルドが炎の壁を越えて、グンナルとブリュンヒルデは結婚することになるんだよな。
「私はその人の婚約を断りました」
うん。婚約を断り…え?ちょっと待て。話が違うぞ。
「彼がシグルドであることはわかりましたが彼は私のことを忘れていました…そしてこのままでは私はグンナルと言う者と結婚することになることもわかりました。そこで私は思い付きました」
何を思い付いたんだ?なんか嫌な汗が流れている気がする。
「炎の壁を越えたのはあなたもそうなのですからあなたにも私と結婚する権利があると」
完全に俺を利用したよね!?何、堂々と言っちゃっているの!?この人!
「するとですね。シグルドはならば実力でどちらが結婚するにふさわしいか決めるように言ってきました」
ほらー!決闘する流れになったじゃん!アーサー王に負けたばかりなのにまた英雄と戦うなんて酷い!
「私はこれをチャンスだと思いました。シグルドを元に戻し、グンナルと名乗る者の化けの皮を剥がすチャンスだと…しかし決めるのはあなたです」
いや、もうやる流れじゃん。ふぅ…覚悟を決めますか。
「…わかりました。決闘をお受けします」
『依頼クエスト『シグルド救出』を受注しました』
これでもう引き返せない。それでもブリュンヒルデには言っておかないといけない。
「引き受けますが、このやり方は良くないですよ? ブリュンヒルデさん」
「私もわかっています。もう二度としません。私の望みはシグルドと結婚することだけですから。私とシグルドの運命…あなたに託します」
重くてプレッシャーに潰されそうだ。唯一希望があるとすればランスロットさんの洗脳と同じ状態なら弱体化している可能性があるって所か…するとブリュンヒルデさんからあるお願いをされた。
クエストのクリア条件がそれならなんとかなるかも知れない。決闘は今夜に決まった。帰って準備をするとしよう。
俺がルーン魔術を仕込んでいるとユウェルがやってきた。
「初めて武器を作ったぞ! 見てくれ! タク!」
お!ユウェル初の武器はどうやら自分も使えるハンマーのようだ。鑑定する。
ユウェルのハンマー:レア度5 鎚 品質D+
重さ:80 耐久値:75 攻撃力:50
鉄で作られた最も一般的なハンマー。鉄のインゴットから作られており、鉄鉱石で作られた鉄のハンマーより性能が良くっなている。
最初でこれを作れたら、上出来だろう。
「凄い上手に出来たな~」
「んん~」
頭を撫でるとユウェルは目を細める。リリーたちには少し反応が違うな。するとユウェルから自分専用の鍛冶用のハンマーが欲しいとお願いされたので、一緒に買いに行き、プレゼントすると凄い喜んだ。
「これでわたしも一人前の鍛冶師だ!」
それは早すぎるだろうな…へーパイストスのところに行き、ユウェルのことを聞くとまずは簡単な剣や槍などの武器を作らせたほうがいいということだった。
まぁ、鍛冶スキルを上げるところから始めないとな。実際にハンマーだけで結構失敗したみたいだし…俺はユウェルに簡単な剣や槍を依頼すると出来上がる度に自慢しに来た。
やっぱり自分が一生懸命作った物は自慢したいよな。俺たちの武器で現状悩みを抱えているのは月輝夜とクリュスの武器だ。金砕棒では既に月輝夜のパワーに一致していない。クリュスも今はイオンの星晶の疾風槍を渡しているがイオンは二刀流のスキルが上限に達したから、これからは槍を多く使うことになるだろう。本人はきっと嫌がるけどね。
へーパイストスはこれからセチアと共にみんなの武器を次々依頼することになるだろう。だとしたらユウェルにはこの二人の武器を武器をお願いすることになるかな。するとインフォが来た。
『ルーン魔術のレベルが30に到達しました。ルーン魔術【光のルーン】、【飛行のルーン】を取得しました』
ようやく解放されたか。残り三レベルだったから狙ってた。飛行のルーンは前にスカアハ師匠が見せてくれたものだな。ミュウさんのところで靴を買い、飛行のルーンを使ってみた。
「おぉ! 浮いた! よし! 行くぜ!」
結果一回転して、頭から地面に激突。くそ…運営の笑い声が聞こえる気がする。この飛行のルーン…当然だがリリーたちが空を飛ぶのとは操作が違う。体重移動で動く向きを決めるようだ。セグウェイに似ているな。
「は! 閃いた!」
アカシアのサンドボードの飛行にルーンを使う。すると空飛ぶボードが作ることが出来る。今ならダブルコークが出来る気がする!
「あぁああああ~~~へぶ!?」
すみません。調子乗りました。空が飛べるからと言って出来るはずないよね‥回転したら、止まらず再び地面に激突した。気分はタケコ〇ターの回転が人間にも適応された感じ。俺の場合は逆さまだったから、効果は抜群だ。気持ち悪い。
遊びは終わりにして次は光のルーンを試してみる。閃光石に仕込んで使うと強い閃光を放った。完全に目眩しの効果だな。これは使えるかもしれない。
光のルーンも生産して、俺はシグルドとの決闘を考えながらログアウトした。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv13
生命力 136
魔力 324
筋力 152
防御力 70
俊敏性 110
器用値 210
スキル
格闘Lv36 蹴り技Lv36 杖Lv40 片手剣Lv46 槍Lv34
刀Lv41 投擲操作Lv10 詠唱破棄Lv28 魔力操作Lv16 魔力切断Lv20
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv35 ルーン魔術Lv27→Lv30 騎手Lv41 錬金Lv27
採掘36 伐採Lv39 解体Lv50 鑑定Lv44 識別Lv48
疾魔法Lv14 炎魔法Lv11 地魔法Lv12 海魔法Lv12 暗黒魔法Lv10
神聖魔法Lv17 雷魔法Lv45 爆魔法Lv45 木魔法Lv34 氷魔法Lv35
時空魔法Lv52 獣魔魔法Lv6 遅延魔法Lv14 連続詠唱Lv35 水中行動Lv27
縮地Lv28 読書Lv16 料理Lv44 釣りLv20 シンクロLv30
エンゲージLv11 連携Lv22
名前 ユウェル ドラゴニュート・プロテクターLv20
生命力 92
魔力 50
筋力 142
防御力 186
俊敏性 50
器用値 56
スキル
格闘Lv1 鎚Lv1 採掘Lv1 鍛治Lv1→Lv7 鉄壁Lv1
挑発Lv4 格納Lv1 練気Lv1 土魔法Lv1 土潜伏Lv1
石波動Lv1 竜技Lv1 竜化Lv1 ドラゴンブレスLv1 地竜の加護Lv1




