#541 ヴァインリーフとの共闘とドワーフの宝
朝食を食べてからログインする。するとサラ姫様からお城に来るようにメールが来た。
俺はフリーティア城に向かうとそこにはサラ姫様たちと一緒にドワーフたちがいた。
「この男が先ほど話をしていた奴か? グラン国王」
「あぁ…現在ゴネスとの戦争に向けて色々動いて貰っている召喚師だ。タクトよ。こちらのドワーフはヴェインリーフの王でイーヴァルディ殿だ」
イーヴァルディって、子供たちがグングニルなどを作ったことで知られているドワーフじゃなかったか?そりゃ王様にもなるよな。
「お初にお目にかかります。ギルド『リープリング』のギルドマスターをしております。タクトと申します」
「ふん」
態度悪い王様だな…クロウさんたちも苦労していそうだ。
「ドワーフ王から正式に此度のゴネスの戦争に対して共同することになった」
「昨日のヴェインリーフで何が起きたのか大体判明しました。彼らの前に妖艶な人間の女が現れ、女から黒い霧が発生した途端、ドワーフたちは謎の病気になり、逃げるのが精一杯だったらしいです」
「状況から見て、ドォルジナスである可能性が高いだろうな」
「そのドォルジナスはどうやって侵入したんですか?」
ドワーフたちの雰囲気が気まずくなる。
「えーっと…普通に入ってきたらしいです」
「…はい?」
するとイーヴァルディが叫ぶ。
「女がワシにどうしても会いたいと言うので、寛大なワシは会ってやっただけじゃ。問題があるか?」
あるに決まっているだろ!王の女好きが原因なんて、クロウさんたちは知っているのか?とにかくスルーしよう。
「いえ。ヴェインリーフと共同するということはドワーフたちも戦争に参加するということですか?」
「ワシらは基本的に鍛治や砦建設のサポートをすることになった。代わりにフリーティアにはヴェインリーフをゴネスから奪い返して貰う」
それはありがたいがどこまでも上から目線だな。するとサラ姫様が悪いニュースを話す。
「ヴェインリーフにあるドワーフの宝がどうやら敵の手に落ちたらしいです」
「どれも強力なアイテムじゃ」
「アイテムの名前を聞いてもいいですか?」
お願いします。グングニルやミョルニルは来ないで欲しい。ボスに使われるとか絶望しかない。
「ドラウプニル、ブリーシンガメン、ティルヴィングだ。ドラウプニルは九日ごとに同じ指輪を作り出す指輪で、ブリーシンガメンは身に付けた者に炎の力を与え、ティルヴィングは必中の魔剣だ」
セーフ!ティルヴィングは怖いが必中なだけなら怖くない。必中は必ず当たるだけで必殺ではないからな。
「これらのアイテムはいらないそうだ。ただ悪魔の手から奪ってほしいそうだ」
「いいんですか?」
「オリジナルのドラウプニルならここにあるからな。他は大したものじゃないから問題はない。言っておくが金はやらんぞ」
持っとるんかい。しかもうざいな。
「いりません。それよりも悪魔に有効な純銀石のほうが欲しいんですがありませんか?」
フリーティアのみんなとドワーフが笑う。
「…何? いや、あったか?」
「逃げ出すのに精一杯であるわけ無かろうが」
「ははは! 確かに金より今欲しいのはあの女に有効そうな純銀石だろうな! 一本取られたな! 王様!」
「えぇい! 五月蝿いぞ! 貴様ら!」
するとサラ姫様が聞いてくる。
「純銀石は足りませんか?」
「流石に全員分は厳しいです。新兵器などにも使っていますから」
『ほぅ』
「人間が作るものなど、大したものじゃないだろう」
やはりドワーフ。気になるようだ。しかしドワーフの王様は認めない。するとグラン国王様が提案する。
「完成はしておるのだろう? 見てもらってはどうだ?」
グラン国王様も人間を貶されるのは嫌みたいだな。というわけで見てもらった。
『なんじゃこりゃ!』
ドワーフたちは興味津々だ。対してドワーフの王様は悔しそう。
「これぐらいワシらでも作れるわい!」
はいはい。そうですか。作れるならゴネスが来る前に作ろうね。しかし見せた甲斐はあった。
「他にも何かあるのか?」
「どんな作戦を考えているんだ?」
「他に兵器はあるのか?」
「お、お主ら…」
完全にドワーフたちの興味を握った。それじゃあ、作戦の説明をしますか。
「純銀石だけでなく、ニトロ鉱石やタングステンまでそんなにあるのか!?」
「こうしてはおれんな…鍛治師が足りんだろう? わしに任せろ」
「いやいや。俺がやってやるよ!」
『…勝負だ!』
ドワーフってこんな種族だったんだ。とりあえず俺はこの情報をギルドに持っていくとみんなの士気が上がる。ボス戦のアイテムが確定したようなもんだからな。
するとギルドにクロウさんたちが来た。
「俺たちは共同戦線になったらしいな。よろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いします。早速島に案内しますね」
すると当然のように引かれた。
「お前は一体何を目指しているんだ?」
「ニトロ鉱石がこんなに…しかもリンやタングステンまで…普通に軍事国家レベルじゃないですか?」
「使いたくないならいいですよ。別に…使いたい人なんてたくさんいますから」
クロウさんのギルメンやニックさんたちは俺の味方だ。なんといってもこれらは生産職からしたら経験値の山だからな。
「あ、いや、悪かった…それで俺たちの仕事はなんだ?」
「クロウさんたちには武器とイジ鉱山砦の建設をお願いします。鍛治場はここでは足りないので、イジ鉱山にいるドワーフに貸して貰えることになりました。ヴァインリーフのドワーフたちもそこで作業することになったので、頑張ってください」
「いや、そこは仕事を俺たちに回せよ!?」
残念ながらドワーフたちのほうが早かった。
それから俺はクロウさんたちに今回の作戦の説明をする。
「またお前は恐ろしい作戦を立てるな…普通こんなことするか?」
「普通しないからするんですよ。罠にはめると言うことはそういうことじゃないですか?」
「まぁな…俺たちが作るのは武器がメインで良いんだな?」
「はい。詳しくはうちのギルメンに聞いてください」
その後、ヴェインリーフで起きたことを説明された。
「王様のその話なら俺たちも聞いている。他のプレイヤーが当然止めに入ろうとしたんだが、眠りの状態異常になって、止められなかったらしい。他にも壁に配置していたプレイヤーや兵士の何人かが眠らされたらしい。幸い眠る前に敵の姿を見たやつがいてな。そいつは城壁をゴム人間のように腕を伸ばして侵入してきたらしい」
そういう流れで来るか。眠りの能力で腕長ならゾロアスターの悪魔に存在している。ブーシュヤンスターという腕が長い女悪魔だ。これでホークバレー方面には最低二人の名持ちの悪魔がいることが確定した。
そして俺たちは病気対策はしてきたが眠り対策はしていない。というわけでハルさんのところに向かい、いい薬がないか聞いてみた。
「眠りなら気付け薬がありますよ」
凄く嫌な予感。鑑定する。
気付け薬:レア度7 薬 品質B
効果:気絶解除、睡眠解除
使用回数制限:30回
強烈な臭いで嗅いだ人間の気絶と睡眠を解除することが出来る。
クロウさんとじゃんけんした結果、俺が臭いを嗅ぐことになった。
「う!?!?」
俺は倒れる。
「大丈夫ですか!? タクトさん」
「クロウさんが一週間履いた靴下を密封で一ヶ月放置した臭いがした…」
「どんな臭いだ! 俺はちゃんと毎日洗っているぞ!?」
犠牲になったもののせめてもの反撃だ。これはワントワークの人が開発したものらしい。一応対策として準備して貰うことにした。出来れば臭いを嗅がずに終わらせたいな。
その後、俺は気付け薬で倒れた時にあることを思いついた。あれを使えばティルヴィングを潰せるかも知れない。俺はクロウさんにアイテムを渡し、依頼した。
俺はその後、イクスを呼び出し、質問する。
「イクス…装備の中でドォルジナスの空間移動を察知出来るのはないか?」
「恐らく魔力感知レーダーで察知することが可能です。マスター」
やはりイクスならあれは察知することが出来るか。マザーシップに向かい、魔力感知レーダーと長距離索敵レーダーに追尾ミサイルを量産する。
「バトルシップは使えないか」
「イエス。流石にナノエクスマキナ、サブエクスマキナ。一体ずつでは厳しいです」
だよな。するとサブエクスマキナにお願いされた。
「これから戦うと言うなら武器の更新をしていただきたいです。マスター」
というわけでエネルギーマシンガンとイクスが装備していたエネルギーリングを装備させた。後はみんなの分の武器、弾薬を量産するとしよう。
名前 イクス コマンドエクスマキナLv6
生命力 185
魔力 185
筋力 185
防御力 185
俊敏性 185
器用値 185
スキル
飛行Lv17 多重兵装Lv32 暗視Lv15 望遠Lv23 射撃Lv27
必中Lv4 詳細解析Lv10 演算処理Lv27 指揮Lv1 複数照準Lv1
行動予測Lv22 索敵Lv27→遠距離索敵Lv27 魔力感知Lv1 反射Lv13 超装甲Lv1
魔力回復Lv1 連射Lv22 加速Lv3 バリアLv2 空間把握Lv4
換装Lv10→Lv11 並列リンクLv20 支援要請Lv1 連携Lv1 魔力充電Lv19
リミッター解除Lv3 EMバーストLv1




