#524 古の巨人兵とノワの告白
古の巨人兵はどうやらゴーレムみたいな敵らしいので、メンバーはリリー、イクス、ノワ、セフォネ、ファリーダにした。
『じぃ~』
召喚した途端に視線攻撃だ。
「どうかしたのか?」
「タクト…一人でこの前戦った人と決闘したでしょう!」
「あぁ…俺たちに手を貸してもらえることになったぞ」
『ずるい!』
まぁそう言われるよな。でも、こちらにも言い分はある。
「俺は話し合いに行って、その過程で仕方無く戦っただけだからずるくない!」
「それは屁理屈でしょう? そもそも私たちの誰も連れていかないのは大問題よ?」
「フィールドに出るわけでもないし、話し合いにみんなを連れていったら、話し合いにならないだろう?」
「それならちゃんと言うべきじゃない?」
まぁそれはそうなんだが…問題がある。
「言ったら、行きたがるだろう?」
『当然!』
「ほらな?」
「はぁ…もういいわ。それでなんで私たちは呼ばれたのかしら?」
俺はホークバレーのボスについて話す。
「古の巨人兵! 強そうなのじゃ!」
「なるほど。それでこの編成なのね」
「タクトは罰として手出し禁止だよ! リリーたちだけで倒そう!」
『おぉ!』
まぁ、それで気が済むなら任せよう。オプスに教わった場所に来た。
すると地響きが発生する。全員がその場を離れると地面からそいつは現れた。
ゴライアス?
? ? ?
ゴライアスはゴリアテとも呼ばれるペリシテの巨人兵士だ。
しかし巨人兵士やゴーレムというより、ロボじゃーん!というかエクスマキナのロボに似ている気がする。
『テキ、カクニン。ハイジョシマス』
ゴライアスが手をこちらに向けると手に機関銃が現れる。これはヤバい!
「ランパート!」
「星壁!」
リリーたちと俺をランパードで分け、俺はフライで飛び、見学するとリリーが必死にガードしていた。
その隙にイクスたちが攻撃するがゴライアスのシールドに阻まれる。
するとゴライアスは背中からミサイルを六発発射し、俺たちに飛んできた。
俺たちはそれぞれミサイルを撃ち落とすとミサイルから鉄の網が出てきた。
俺はそれを躱すがリリーたちは捕まってしまう。しかしノワとセフォネは影移動ですぐさま脱出し、リリーたちを助けようとする。
しかしゴライアスの目が光る。
「ノワちゃん! セフォネちゃん! 危ない!」
「…黒霧!」
「血晶なのじゃ!」
「エネルギーバリア、展開」
ゴライアスの目からビームが放たれる。ノワの黒霧とイクスのエネルギーバリアはビームを防ぐがセフォネの血晶は爆散し、セフォネがファリーダを庇う。
「うぐ…ファリーダ、大丈夫かの?」
「えぇ…セフォネのお陰よ。ありがと」
「う…うむ! 妾に任せ」
自慢気なセフォネがゴライアスのワイヤーで伸ばした腕に捕まる。
「しまっ…ぬわぁああああ!?」
するとセフォネが電撃を浴び、腕から離れる。あれ?セフォネの姿が変な気がする。
「むぐ!? 何が起きたのじゃ?」
「セフォネ…あなた。ヴァンパイアになってない?」
「なんじゃと?」
俺はステータス画面を見る。するとセフォネはヴァンパイアになっていた。
「な、何ぃいいい!?」
「ノワちゃん! 危ない!」
「…影潜伏」
「え? うそ!? タクト! 助け…きゃあああああ」
ノワはリリーの影に逃げ、リリーが腕に捕まり、ドラゴニュートになってしまう。
「ひ…酷い…」
「…危なかった」
「ノワちゃん!」
リリーが怒るのは無理もない。しかしこれはヤバいな…攻撃の軸のリリーが戦えなくなったのは厳しい。すると鉄の網から脱出したイクスから連絡が来る。
『非常事態です。マスター…ミサイルランチャーの使用許可を願います』
『ミサイルランチャーならゴライアスのシールドを突破出来そうか?』
『イエス』
『なら任せる』
イクスはミサイルランチャーを構える。それをゴライアスは察知し、機関銃を撃ってくる。
イクスはなかなか撃てない。
「…影竜」
ゴライアスの影からドラゴンが現れ、ゴライアスの足を狙った。結果、ゴライアスはバランスを崩し、イクスは銃撃から逃れた。
イクスがミサイルランチャーを構える。
「ミサイルランチャー、狙い撃ちます!」
ミサイルがゴライアスに命中し、ゴライアスのシールドが砕ける。するとノワが息を吸い、網から逃げたファリーダが構える。
「…ドラゴンブレス!」
「暗闇波動!」
ゴライアスは爆発するが火力が足らない。
「うぅ…重いぃ~…」
「く…くちゅじょくなのじゃ~」
屈辱な…するとゴライアスが光り出す。うそ!?自爆!?それはヤバい!
『イクス! ミサイルを撃ちまくれ! 絶対に倒せ!』
『っ! イエス! マスター!』
イクスが喜々としてミサイルを撃ちまくる。しかし倒せない。俺は一角竜の槍を取り出し、ファミーユでテレポートすると頭がぶっ飛んだゴライアスの上から貫く。
くそ!コアに届いてない!するとノワが俺の影から現れた。
「…影操作!」
ゴライアスの体の中から影が棘が飛び出し、コアも外に飛び出すがまだ光っている。ノワの影じゃあ、あのコアを破壊するには威力が足らないみたいだ。
『タクト! アクセラレーションをかけてちょうだい!』
『『『『アクセラレーション』』』』
ファリーダに頼まれ、アクセラレーションをファリーダに使う。しかしコアの落下速度が遅くて、間に合うかギリギリ…ファリーダは引力操作を使わない様子からみると何か考えがあるんだろう。
ならば俺は間に合うようにするにはどうすればいいか考えないといけない。相手はコア、ならばイクスに掛ける!イクスならやれるはずだ!
『イクス!』
『やってみせます!』
イクスがテイルエネルギーガンでコアを縮地で移動したファリーダのほうに弾き落とす。やはり出来るんだ…凄いな。
これでファリーダは確実に間に合う。ファリーダがリープリングの暗黒バトルアックスを振りかぶる。
「荷重操作! ヘビースマッシュ!」
ファリーダの斧武技でコアを放つが砕けない。それをファリーダは見越していた。
「そうよね! はぁああ!」
ファリーダが連続で斧を振るうと遂にコアが砕けた。そしてインフォが来る。
『ホークバレーのボス、ゴライアスが討伐されました。アンナプルナが解放されました』
ふぅ~…危なかった。結局手を出していてしまったな。しかし誰も追求するものはいない。
「見事な腕ね。助かったわ」
「マスターの指示の成果です。ファリーダも素晴らしい判断でした」
「ふふ。ありがと」
珍しいこともあるもんだ。しかし今回はこの二人の見事な連携が光ったな。するとリリーとセフォネが来る。
「タクト~! 治して~」
「そうじゃ! 魔王たる我がいつまでもこんな姿でいるわけにはいかないのじゃ!」
セフォネの姿はあまり変わっていないとは言わないでおこう。しかし魔法では治らない。
「「そんなぁ~」」
がっかりしているリリーとセフォネ。しかしずっとこのままというわけじゃないだろう。
とりあえず解体するか。
マナジェネレーター:レア度8 素材 品質A-
マナを作り出す大出力のエンジン。巨大な魔導兵器に必須の部品。
神珍鉄:レア度8 素材 品質A-
長さ、重さが自在に変化する不思議な金属。一説では神様が作った金属と呼ばれている。
自爆を許さなくて良かった…ミサイルは無くなったがお釣りは来ただろう。
俺たちが帰ると俺だけナオさんのお店に行く。
「お待たせしてすみません。こちらがご注文の指輪です」
エンゲージリング:レア度7 アクセサリー 品質A
効果:召喚師とのエンゲージ、全ステータス+10、暴走無効、闇属性効果アップ(極)
女性用のブラックダイヤモンドがあるシルバーリング。邪竜のデザインがされている。
やはり微量に効果が上がっているな。そしてブラックダイヤモンドが格好良い…見ていると俺が欲しくなってきたがこれはノワのだ。我慢しないとね。
「やはり普通とは違いますね」
「はい…加工とかの作業も難しくて大変でしたが会心の出来ですよ」
「ありがとうございます」
「…それ、ノワの?」
ノワが俺の影から現れた。びっくりした…というか帰ってなかったのか。
「…にぃの寄り道はプレゼントの合図」
「ふふ。バレバレみたいですね。タクトさん」
ぐぬ…しかしこのまま渡すのはなんか変な気がするから指輪を受け取り、場所を変える。どこがいいか悩んでいるとノワが獣魔ギルドを望んだ。するとノワがネフィさんに召喚の間を使わせて欲しいとお願いする。
それで俺はなんとなくノワの狙いがわかった。俺とノワが召喚の間に入る。
「…ここで俺とノワは出会ったんだよな」
「…ん。告白されるならここがいい」
これは結構盲点だったかも知れないな。完全に召喚とは無関係なことをしようとしているが、これぐらいいいだろう。俺は指輪を取り出す。するとノワが自分も思いをぶつけてくる。
「…にぃは邪竜であるノワと契約して良かったと思う?」
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
「…ノワが最初に契約したとき、にぃはノワが邪竜だとは知らなかったから」
なるほど…それで聞きたくなったのか。
「俺はノワと契約出来て良かったと思っているよ。今までノワに助けて貰ったことがたくさんあるからな…それに」
「…それに?」
「俺とノワは似ているんだよ…闇を知りつつも仲間を大切に思っているところがな…だから俺は邪竜であろうとノワと契約出来て、良かったと思っているよ」
「…ん」
それじゃあ、告白に行きますか。
「これからも俺やみんなを助けてくれるか? ノワ」
「…ん!」
俺は指輪のノワの左手の薬指に入れる。そしてインフォが来る。
『ノワとエンゲージが結ばれました。ノワとのエンゲージバーストが使用可能となりました』
これでよし。するとノワが抱きついてきた。
「…にぃをだらけさせるのがノワの役目」
「なんだそれ?」
「…間違えた。休めさせるのはノワの役目」
違いが分からない。そもそも他のみんなには役目はあるんだろうか。
「…リリーは元気にする役。イオンは怒る役。セチアはしつけ役、恋火は甘え役、イクスは身守り役」
うん。なんとなくぴったりな気がした。そしてノワのこの発言は事実であるとすぐに証明された。
ホームに帰るとご立腹なイオンたちがいた。しかしその前にリリーの姿について説明することにした。
「そんな能力のゴーレムがいるんですね」
「ちょっと待ってください。その攻撃をタクト様が受けたら、どうなるんでしょうか?」
そりゃ…最初の召喚師になるか…もしくは子供姿に…ん?
リリーたちが期待の眼差しで俺を見ていた。
「タクトさんがゴライアスのその攻撃を受けてくれたら、今回のことは許してあげましょうか」
『賛成!』
「嫌に決まっているだろう。それに俺に攻撃受けろ発言はどうなんだ?」
「あ! 待ってください! タクトさん! 逃がしませんよ!」
逃げるに決まっているだろう!因みにリリーたちは朝には戻っていた。
名前 イクス コマンドエクスマキナLv4
生命力 181
魔力 181
筋力 181
防御力 181
俊敏性 181
器用値 181
スキル
飛行Lv17 多重兵装Lv32 暗視Lv15 望遠Lv23 射撃Lv27
必中Lv3→Lv4 詳細解析Lv10 演算処理Lv27 指揮Lv1 複数照準Lv1
行動予測Lv22 索敵Lv27 反射Lv13 超装甲Lv1 魔力回復Lv1
連射Lv22 加速Lv3 バリアLv1→Lv2 空間把握Lv4 換装Lv10
並列リンクLv20 支援要請Lv1 連携Lv1 魔力充電Lv19 リミッター解除Lv3
EMバーストLv1
名前 ノワ ドラゴニュート・ディペンデンスLv5
生命力 146
魔力 264
筋力 122
防御力 97
俊敏性 140
器用値 212
スキル
影操作Lv21→Lv22 飛翔Lv20 呪滅擊Lv17 影探知Lv20 影移動Lv12
影針Lv8 影潜伏Lv27→Lv28 影呪縛Lv22 影召喚Lv14 気配遮断Lv17
擬態Lv9 暗視Lv27 魔眼Lv15 冥波動Lv12 暗黒魔法Lv2
超再生Lv3 黒炎Lv4 集束Lv3 邪気Lv8 蘇生Lv3
黒霧Lv16 霊化Lv5 身代わりLv6 超感覚Lv11→Lv12 逆鱗Lv1
竜技Lv10 ドラゴンブレスLv10 竜魔法Lv6 竜化Lv7 料理Lv8
邪竜の加護Lv15
名前 セフォネ ヴァンパイアクイーンLv5
生命力 160
魔力 230
筋力 144
防御力 110
俊敏性 142
器用値 194
スキル
鎌Lv2 影翼Lv5 吸血Lv22 暗視Lv26 吸血爪Lv6
影潜伏Lv18→Lv19 影操作Lv12 影召喚Lv24 影移動Lv1→Lv2 隠密Lv16
暗黒魔法Lv8 氷魔法Lv10 時空魔法Lv10 引力操作Lv2 夢幻Lv2
譲渡Lv5 蘇生Lv14 不死Lv20 血流操作Lv17 出血弾LvLv13
血竜Lv3 金縛Lv3 障壁Lv3 血晶Lv9→Lv10 魔素解放Lv4
呪滅封印Lv19 暗黒波動Lv13 血醒Lv1 吸血鬼の加護Lv2
名前 ファリーダ 魔将Lv1
生命力 96
魔力 132
筋力 185
防御力 80
俊敏性 116
器用値 116
スキル
斧Lv18→Lv19 魔拳Lv23 舞踊Lv10 投擲操作Lv12 縮地Lv9→Lv10
荷重操作Lv7→Lv8 邪気Lv27 暗黒魔法Lv10 時空魔法Lv14 集中Lv25
誘惑Lv14 物理破壊Lv25→Lv26 魔力妨害Lv22 引力操作Lv3 暗黒弾Lv22
暗黒波動Lv5→Lv6 衝撃波Lv5 連撃Lv1→Lv2 乱刃Lv1 魔将技Lv1
魔素解放Lv12 擬似魔王化Lv1




