#525 集結、亜人種連合
朝、下に下りると佳代姉たちが伸びていた。どうやら昨日の夜で佳代姉たちはクラスチェンジ出来たらしい。
『疲れた…』
苦労したみたいだな…スカアハ師匠の訓練の時の俺もこんな感じだった気がする。
俺が全員の朝食を作っていると佳代姉たちがクラスチェンジした強さを語る。かなり強くなったみたいだ。三人とも魔王戦に気合十分みたいだ。
朝食を食べながら、俺はゴライアスの情報を伝える。これをクリアして貰わないとホークバレーのフィールドをフルに使えない。全員ボスを倒せなくても問題はないけど、出来ればホークリバーに侵入したと同時に敵に仕掛けたい。
ご飯を食べ終えログインしリリーたちの朝食を作っているとチャイムがなった。誰だ?この忙しい時に。するとキキが来る。
「タクト様、お客様です。巫女服を着た狐のセリアンビーストですがどういたしますか?」
なんだと?このタイミングで来るということがクエスト関係かな?
「恋火、和狐。お客様を頼めるか?」
「「はい!」」
やはり二人が適任だろう。
そして料理を並べ、俺はお客様に会う。
「タクトお兄ちゃんが作るあれは本当に美味しいんですよ!」
「反則級の美味しさなんよ」
「和狐ちゃんがそこまで言うほどのものなんですか!」
楽しそうだな。
「あ! タクトお兄ちゃん!」
「ご飯出来たぞ。そちらがお客様かな?」
「あ、はい! 九尾様からの伝言を伝えに来ました。薙刀の巫女をしています。葛葉と言います」
お!安倍晴明の母と言われる狐、葛の葉から取った名前かな。
しかし髪の毛は白くて、ポニーテールにしている。元気な子のイメージがあるな。
「葛葉ちゃんはうちと同期で薙刀を使うのがとっても上手なんどす」
「そそ、そんなことないよ~」
褒められて嬉しいのはわかったから部屋の中で薙刀を振り回さないでくれ。
「ご飯を作ったがどうする?」
「せっかくですけど、私はお使いですから」
すると恋火たちが連絡が来る。そういえば良いのか?
「油揚げもあるんだが」
「いただきます」
手を返すの早っ。どうやら油揚げを自慢していたみたいだな。そしてご飯を食べてから九尾の話を聞く。
「ゴネスとの戦争に特別に一族が関わってもいいらしいです。ただ条件があるみたいでして」
「どんな条件だ?」
「えと…油揚げ100個、ビール樽20、清酒樽20で手を打つそうです」
そしてインフォが来る。
『依頼クエスト『九尾にお供え物を送れ』が発生しました』
依頼クエスト『九尾にお供え物を送れ』:難易度C
報酬:ワールドイベントで狐のセリアンビーストが参加
油揚げ100個、ビール樽20、清酒樽20を用意し、九尾に送れ。
凄いクエストだな。というかなぜこんなクエストが発生したのかちゃんと理由があった。
「実はこの前、空天狐様がタクト様の油揚げを持って、九尾様の前で美味しそうに食べる事件がありまして」
初めて油揚げを作った時の話だな。
「それで九尾様は『絶対あいつよりたくさんあれを食ってやる!』と機会を伺っていたそうです」
「なるほど…じゃあ、なんで酒が入っているんだ?」
「タクト様の周りを調べたら、見つけたらしくて…ついでに要求しちゃえ! と言っていました」
おい。だが、その言い分がなんともあの九尾らしく感じた。
それに狐のセリアンビーストは間違いなく強い。要求がこれなら用意するしかないな。
お酒はルインさんが管理している。たぶん用意出来るだろう。というか九尾は用意出来る数を要求している気がする。
「今日の夜には用意出来ると思うから家で待っててくれるか? 往復するのは大変だろう? 恋火、和狐頼めるか?」
「もちろんです!」
「うちも久々にみんなの話を聞かせてもらえる?」
「わかりました! では、少しの間、お世話になります!」
さて、俺は油揚げを用意しますか。
油揚げの下ごしらえをして、後はキキに任せた。その後、俺はギルドでサバ缶さんに昨日のアイテムを渡す。
『ジェネレータ、キター!』
「でも、これボス戦のアイテムなんですよね? 良いですか?」
「とりあえずイクスの素材にはありませんから、お譲りしますよ。俺もロボを見たいですから」
「ありがとうございます! これで恐らく素材が揃いました。新しい金属も使えそうですし、今から作製に入りますね」
おぉ!遂にか!提供した甲斐があった。後はレイブンの参加が決まったことと狐のセリアンビーストの話、ゴライアスの話をした。倒せる人たちには倒して貰いたい。
そして俺は騎士たちの訓練をする。レベルが上がっているがやはり戦闘がダメダメだ。それでも少しずつ良くはなっている。やはり学習能力は高い。
その後、将棋の結果を見ると混戦になっている。全員の将棋を見ると面白い。一点突破を図る人、守りを固める人、相手が動くのを待つ人様々だ。
俺はその作戦を取った人をメモする。これはそのまま、自分が得意な戦術を意味している。どうしても得手不得手が存在しているから将棋でそれをはっきりさせた。
俺の持論だが、不得手を無くすより得手を伸ばしたほうがいいと思うのだ。今回は期間が短いから尚更こうしたほうがいいと思ったのだ。
すると声がした。
「新人騎士の訓練をするとは、相変わらず変な召喚師だな。貴様は」
「またお兄様はそんなことを言って、ちゃんとお礼を言ってください」
「ふん…っ!? わ、わかったから殺気を飛ばすな。エルフィーナ」
エルフのエルビンとエルフィーナだ。それに多くの武装したエルフとドライアドがいた。
「あ~…んん! 先日のエルフの村の救援には一族を代表して改めて感謝する。此度はお前への恩義のためにゴネスとの戦争に参加することになった。精々我らに良い指示をーーんぎゃ!?」
「すみません。こんな兄で…」
「別に構わないよ。代表してエルフとドライアドのご助力に感謝いたします。エルフとドライアドの皆さんのお力、頼りにさせて頂きます」
すると後から早太郎率いるクーシー、ダルタニャン率いるケットシー、レイブン率いるオプスと集まってきた。俺はそれぞれお礼を言う。
バーバリアンたちはルークに集まっている。
「助けて~タクトさ~ん」
空耳が聞こえた。それよりも俺は改めてみんなが得意としていることを聞き、役割を決める。そして俺は現在決まっている作戦について話す。
「…流石だな」
「既に勝つための策を考えているんですね」
「まだまだ穴だらけの考えですけどね。その穴をこれから潰して行こうと思います。まずはトレントの森の罠設置をエルフ、ドライアド、ケットシー、クーシーの皆さんにお願いしたいと思います」
「妥当な人選だろうな。任せてくれ。早速行くぞ!」
エルビンはやはり態度は素直じゃないがリーダーの資質はあるんだよな。エルフィーナとダルタニャン、オプスは文句なし。早太郎は不安だが、人望はあるから大丈夫だろう。
俺はみんなのデータを纏めた資料をサバ缶さんたちに届けて、ログアウトした。




