#448 人魚の選定
目を開けるとそこは宮殿の中で窓を見ると水中になっている。
「ここって…まさか宝瓶宮」
「その通りです。可愛い我が娘よ…よく来ましたね」
俺とリアンが声をした方を見ると泡が集まり、弾けると一人の水色の髪の美女が現れた。
「私の名はテーテュース。天界に住みし、海や泉、地下水の女神の母です。今では可愛い娘たちを見守っている者です」
偉い大物が登場したな…テーテュースはギリシア神話の女神でウーラノスとガイアの娘だ。ギリシャ神話に登場するオーケアニスたちの母だ。
「えぇええ!? テーテュース様!?」
当然リアンはびっくりする。しかしここが宝瓶宮なら微妙に間違っている気がする。
「ここは知り合いから場所を貸してもらっています。流石に選定で私の領域を使うわけには行きませんから」
色々、訳有りなご様子だな。
「さて、ではリアン…あなたには進む道が二つあります。どちらを選ぶかはあなたたちに任せます。ただこの選択はあなたたちの未来を大きく変えることとなるでしょう。よく考えて選ぶといいでしょう」
そして進化先が掲示される。
ローレライ
ネーレーイス
ローレライはドイツのライン川にそびえる岩山の名前だ。ここには人魚伝説があって、不実な恋人に絶望してライン川に身を投げた乙女が水の精となり、彼女の声は漁師を誘惑し、破滅へと導くというものだ。
ネーレーイスはギリシア神話に登場する海に棲む女神たち、あるいはニュムペーたちの名前だ。恐らくこのゲームではニュムペーたちの名前だろう。
なぜならネーレーイスで一番有名なのはポセイドンの妻であるアムピトリーテーだからだ。カシオペアが自分の娘であるアンドロメダのほうがネーレーイスよりも美しいと言ったことでポセイドンを怒らせた神話がある。
さて、明らかにネーレーイスのほうが強いと思うのだが、説明を見てみよう。
ローレライ…非常に攻撃的な性格をしており、海で悲しい歌声で敵を誘い出し、濃霧に紛れて敵を海中に引きずり込んで殺してしまうマーメイド。船乗りの間では恐怖の象徴とされる。近接戦が得意で非常に強力な呪歌が特徴。
ネーレーイス…美しさと海の動物たちを大切にする気持ちを併せ持っており、船乗りの間では美しい歌声と共に伝説に語られるマーメイド。魔法戦と海の動物たちと共に戦闘をするのが得意で未来を予知する能力を持っている。
これはどうなんだ?魔法戦と海の動物たちと共に戦闘をするのが得意って結構矛盾している気がする。俺が召喚したモンスターが合っていないだけか?いや、そうとは思えないんだよな。
とりあえずリアンのリクエストを聞いているか。
「ネーレーイスになりたいです」
即答だね…一応理由を聞く。
「えーっと…やっぱりタクト先輩は綺麗な人が好きだと思いますし、私は騙すのとか苦手ですから…とかじゃダメですか?」
俺に聞かれても…でもなんとなく理由が理解出来た気がする。ローレライを選ぶことは現実では失恋を意味する。それを選びたくはないだろう。
「一応最後に聞いておくが、本当にいいんだな?」
「は、はい!」
ふむ…リアンなりにしっかり考えて選んだみたいだし、決まりだな。
「決まりました。ネーレーイスでお願いします」
「わかりました。我が娘と、その愛する召喚師が選んだ道を祝福しましょう」
「あ、愛!?」
顔を真っ赤にしたリアンが水に包まれ、進化する。
『リアンがネーレーイスに進化しました』
進化したリアンは耳が魚のヒレとなり、少し胸が成長した。更に尻尾には装飾が追加され、女らしさが割増になったな。
「え…えと…どうでしょうか? タクト先輩…耳とか大丈夫でしょうか?」
「それぐらいで嫌いになるわけないだろう? 大丈夫。可愛くなったと思うぞ」
俺が頭を撫でるとリアンはホッとした。さて、ステータスを確認するとしよう。
名前 リアン メロウLv30→ネーレーイスLv1
生命力 100→140
魔力 215→260
筋力 100→130
防御力 65→100
俊敏性 185→225
器用値 150→200
スキル
槍Lv25 杖Lv1 聖歌Lv30 呪歌Lv10 舞踊Lv6
遊泳行動Lv26→高速遊泳Lv26 連続詠唱Lv1 詠唱破棄Lv1 同時詠唱Lv1 水弾Lv14→水圧弾Lv14
疾魔法Lv10 水魔法Lv14 神聖魔法Lv10 雷魔法Lv10 連携Lv1
騎乗Lv1 未来予知Lv1 連撃Lv10→多連撃Lv10 潜水Lv12 魅了Lv10→誘惑Lv10
音響探知Lv15 洪水Lv4 水流操作Lv4 水波動Lv9→海波動Lv9 波起こしLv5→津波Lv5
擬似女神化Lv1 料理Lv6 人化Lv30 人魚の加護Lv1
完全に魔法使いだな。それでいて、騎乗と連携もある。これって、俺は大丈夫だろうか?思いっきり被っている気がするんだが…
切り札は間違いなく擬似女神化だろうな。女神の力がどの程度のものか知らないが擬似とはいえ神様になるなら間違いなく強いはずだ。
するとテーテュースがこちらに来る。
「これでリアン…あなたの進むべき道が定まりました。もう引き返すことは出来ません。進むか止まるかです。願わくばあなたの進む道が光に満ちていることを願います」
「きっと大丈夫です。私には頼りになる仲間とタクト先輩がいますから」
「ふふ。そうですか…我が娘をよろしくお願いしますね?」
「はい」
俺が返事をすると俺たちは元の火山に戻る。
さて、戻ってきたからまずはヴォルケーノドラゴンを解体する。手に入ったのがこちら。
火山竜石:レア度9 素材 品質A
火山竜ヴォルケーノドラゴンの魂が宿っている石。火山竜ヴォルケーノドラゴンを討伐したものにしか扱えない特殊な石。
火山竜の鱗:レア度8 素材 品質Aー
火山竜ヴォルケーノドラゴンの鱗。防具素材に使用すると火属性の攻撃を無効化することができる鎧などを作ることが出来る。
火山竜の爪:レア度8 素材 品質Aー
火山竜ヴォルケーノドラゴンの爪。武器素材に使用すると灼熱を使用することができる。
コロナサイト:レア度8 素材 品質Aー
太陽の力を内包した鉱石。蓄積されたエネルギーは凄まじく扱う際は注意をすること。
まぁ、やばい素材だろうな…めちゃくちゃ強かったもん。
戦ったフィールドを探索するとやはり採掘ポイントがあった。採掘すると手に入ったのがこちら。
焔性石:レア度8 素材 品質Aー
強力な炎の力を内包した石。武器素材や召喚に使用される。
ボーキサイト:レア度7 素材 品質B
アルミニウムの原料となる岩石。扱う際に粉塵が出るので、防塵マスクの装備して作業をするようにしよう。
焔性石は確か和狐と契約の時に使った石だな。偉いレア度の石だったんだ。
そして衝撃はボーキサイト…アルミニウムの原料!?赤褐色のこれが?これは島送りだな。サバ缶さんたちは大喜び間違いなしだ。
俺はその後頂上に立つがクリアはしなかった。なぜならもっと大きい山が目の前にあるからだ。あちらがゴールなんだろうな。ご丁寧に大きな洞窟があった。どうやら次は洞窟戦闘らしい。
休憩する前に新しい魔法について知ろう。
まずは疾魔法のトルネード。言葉通り竜巻を発生させる魔法だ。どうやら直線に進むみたいだな。魔力操作で操作可能だから強いだろう。
次はエクスパンション。これが使わないと全くの謎魔法だ。使ってみると魔方陣に風が集まる。どうやらこれで敵を集めれそうだ。そう思ったら空気が破裂し、爆風が発生した。びびった…この魔法、最初の谷で使いたかったな。
次は海魔法のハイドリックプレス。これは水で相手を閉じ込めて、水圧で追加ダメージと動きを封じる魔法のようだ。流石に押しつぶすほどの威力はないが、泳げない奴にとって、凶悪な魔法だろう。
最後にマリンスノー。これは海で見ることが出来る現象の名前なのだが、魔法ではどんなのだろうか?使ってみるとどうやら広域魔法のようだ。
「「綺麗…」」
イオンとリアンは見とれているがどうやらそれはトラップのようだ。降ってきた雪が岩に当たると岩を溶かしてしまう。
恐らくマリンスノーで見ることが出来る雪のようなものはプランクトンの死骸などが分解されたものという話だ。そこからこの雪は分解の効果があるものと予想される。俺は分解の怖さをぷよ助で知っている…これはおっかない魔法だぞ。
これで魔法チェックは終わり。洞窟の手前でキャンプを張り、一旦ログアウトすることにした。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv4
生命力 126
魔力 285
筋力 120
防御力 70
俊敏性 90
器用値 184
スキル
格闘Lv32 蹴り技Lv29 杖Lv38 片手剣Lv40 槍Lv28
刀Lv30 投擲Lv18 詠唱破棄Lv18 魔力操作Lv9 魔力切断Lv5
召喚魔術Lv40 封印魔術Lv32 ルーン魔術Lv13 騎手Lv37 錬金Lv25
採掘Lv31→Lv32 伐採Lv36 解体Lv46→Lv47 鑑定Lv37→Lv38 識別Lv44
疾魔法Lv10 炎魔法Lv7 地魔法Lv8 海魔法Lv11 暗黒魔法Lv8
神聖魔法Lv14 雷魔法Lv38 爆魔法Lv42 木魔法Lv30 氷魔法Lv35
時空魔法Lv48 獣魔魔法Lv4 遅延魔法Lv12 連続詠唱Lv24 水中行動Lv20
縮地Lv8 読書Lv16 料理Lv42 釣りLv20 シンクロLv27
エンゲージLv8 連携Lv14