#434 小麦クエスト
俺は美食の町ドノスにやってきた。農耕ギルドに行き、小麦が手に入るクエストに挑戦する。改めてクエストを見てみよう。
依頼クエスト『小麦畑を死守せよ』:難易度A
報酬:小麦
小麦を食べに来るモンスターから小麦を守って欲しい。
これなんだよな。小麦を食べに来るから虫のモンスターだと思うが、どんなクエストなのやらだ。
とりあえず、クエストを受ける。すると転移する。場所は麦畑だ。すると麦わら帽子のお爺ちゃんが来る。似合ってるな。
「モンスターがワシの小麦を狙っておる。頼む…モンスターからワシの小麦を助けてくれ。もし守ってくれたら、お礼に小麦の苗をあげよう」
「頑張ります」
するとクエストの説明が来る。まとめると麦畑の中にモンスターを入れるとクエスト失敗みたいだ。全方位を守らないといけないから大変だな。
選んだメンバーは恋火、ゲイル、ダーレー、月輝夜、ヒクスだ。全員が陣形を取る。では、クエスト開始だ。さぁ、何が来る?
地平線から煙のようなものが現れる。あれは…なんだ?
『タクトお兄ちゃん…何かブンブン音が聞こえます』
ということは…あれはやはり虫のモンスターなのか?そうは見え…まさか…
俺はテレビで見たことがあるアメリカや中国で観測される災害を思い出した。そう災害だ。識別が成功する。
ローケストプレイグLv1
イベントモンスター 討伐対象 アクティブ
ご丁寧に英語を教えてくれて、ありがとう。ローケストプレイグは蝗害だ。蝗害で使われている蝗はいなごと読むが蝗害はバッタが大量発生する災害だ。
蝗害の後には作物は当然だが、雑草すら残らなくなる恐ろしい災害だ。それが現在目の前で発生しているわけだ。
バッタの群れが津波のように押し寄せてくる。ちょっと待て、これは酷いだろ!
『ど、どうするんですか!? タクトお兄ちゃん!』
『とにかく攻撃! 攻撃するんだ!』
はい。無理だね!
麦畑は綺麗さっぱり無くなり、俺たちは全滅した。ごめんよ。麦わら帽子のお爺ちゃん。
「あたし…あの虫、恐怖症になりそうです…」
「俺もだよ…」
俺たちはバッタの群れから体当たりをくらい、全滅した。軍隊アリと同じだ。例えダメージが1でも100匹から攻撃をくらえば、100になる。現実の蝗害の規模では500億匹のバッタが発生することを聞いたことがある。
そんなのどうしようもない。チェーンエクスプロージョンで吹き飛ばしても、すぐに隙間が埋まるほどの数だった。
ダーレーの炎も確実に倒しているのだが、あの数に押し潰されてしまった。
「あたしの炎も燃えているんですけど、最終的には押されてまるで効果がないみたいに見えました…ハーミットブレスはまとめて貫きましたけど」
「直線攻撃は向かないよな…」
「はい…」
かと言ってフレイムシャワーなどの範囲攻撃だと弱すぎて効果がない。
「よし。気分転換に何か食べるか」
「え!」
恋火のテンションが急上昇した。
ご飯を食べながら改めて作戦を練る。
「俺と恋火の獣魔魔法を使う手もあるな」
「もぐもぐ…どんにゃのれすか?」
猫語みたいになってるぞ。口を拭いて、水を差し出す。
「サンダーヴォルテックスとファイヤーストームでプラズマストーム。サンドストームとラーヴァフローでラーヴァストームがあるな」
「強そうですね! でも」
「あぁ。火力はあっても、今欲しいのは広範囲攻撃だ。火力はぶっちゃけ求めてないんだよな…」
いい案だと思ったが…現状どうすることも出来ないな。
「こうなったら、仕方無い…秘密兵器を作るしかないな」
「秘密兵器…ですか?」
「あぁ。どんなものが作れるかわからないがそれでもこのクエストにはかなり有効なはずだ」
人類史において、虫を殺すなら殺虫剤と決まっている。ただ問題もある。
「恋火たちには厳しい兵器になるかもな…」
「えぇ!?」
スプレーの殺虫剤では今回は明らかに無理だ。作るなら毒ガス兵器クラスじゃないと…その際の煙は恋火たちにはかなりきついものとなるだろう。そのあたりも考えないとな。
とりあえずルインとサバ缶さんに報告する。それから俺の案を伝える。
『酷いクエストね…』
『秘密兵器のほうは任せてください。素材に余裕が出始めたら、作製に入ります。恐らく発煙筒のようなアイテムになると思います』
『お願いします。後、マスクの開発もお願いします』
『それはこちらで用意するわ。ワタがあるから作れるはずよ。任せてちょうだい』
ということで今日は撤退だな。ギルド設立最初のクエストで失敗は正直いい出だしではないが、仕方無い。
帰ってトーナメントの続きをしよう。夜にテスト勉強をしないと流石にヤバいからな。




