表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
魔導船と魔王バエル
419/1718

#400 デイヴィ・ジョーンズ討伐戦

病院に行ったら、インフルでした。流行っているそうなので皆さんも体には気をつけてください。

翌日、学校で俺たちはデイヴィ・ジョーンズの話ばかりしていた。特に海斗は昨日作戦会議にいなかったからな。説明をする。


「結局、深海に向かうんだよな?」


「いや、その前に追跡の風見鶏を使うことになったよ。俺たちの推理が正しければデイヴィ・ジョーンズに追跡の風見鶏を使えば、深海を指すはずらしいからな」


「それになんの意味があるんだ?」


「ヨナの像のヨナって預言者でデイヴィ・ジョーンズになった話があるんだってさ。追跡の風見鶏を使うと見付かったことを察知して、海上に本体が出てくるんじゃないかって昨日サバ缶さんたちが言ってたよ」


まぁ、海底で戦うだけの筈はないからな。海上に出す手段があるとするならこれだろうという話だ。それよりも俺は旧約聖書の『ヨナ書』における主人公の像を何度も壊したことにバチが当たらないか心配だ。


学校が終わり、スーパーで買い物をする。安売りの卵を目の前でおばちゃんに取られ、ヨナの罰を真剣に考えた。


ログインすると第二の島の解放の知らせが来る。どうやら作戦がはまってくれたみたいだ。早速第二の島に向かう。


途中で司令部から連絡が入った。


『現在、第二の島が海賊たちの襲撃を受けています。タクトさんたちは海賊船のアイテムと撃破をお願いします』


『イエッサー!』


『何気にタクトさん、のりのりですね。到着時と撃破が完了したら、知らせて下さい』


第二の島に到着したのは夕方だった。俺が見つけたのは海賊船が3船のみ。こちらの船はない。それでサバ缶さんが指示した作戦を理解した。俺は船の舵をノワに任せ、水上戦にシフトする。メンバーはイオン、リアン、ぷよ助、スピカ、サフィだ。俺はスピカに乗る。


『第二の島に到着しました。これより海賊船の排除を開始します』


『了解です』


というわけでまたスピカで穴ぼこ作戦だ。今回ボスは動かなかった。おかげで見付けるのに時間はかかったが見付けたら終わりだ。


アイテムを破壊したら、スクナビコナからセチアたちが砲撃で沈めた。


『海賊船のアイテム、及び撃破完了しました』


『了解です。思った以上に時間がかかりましたね』


『敵が場所を教えてくれませんでしたから。やはり学習能力が半端じゃないですね』


『本来のゲームでは有り得ないことなんですけどね…ここまでの柔軟性がある思考や人間のようなNPCは自分はこのゲームが初めてです』


そうなんだ。まぁ、アウラさんとか普通の人と同じように接しているからな。


さて、俺の報告を合図に第二の島に侵入した海賊たちの殲滅戦が開始された。サバ缶さんは本番前に船の損傷を避けるために籠城を選択した。鍾乳洞の入口全てを錬金術師が壁錬成で塞げば籠城は簡単だ。


そして船からの攻撃がないなら魔法使いたちの的だ。海賊たちを全滅させ、合流をする。みんなで勝利を喜び合い、その後、運ばれてきた食料を料理して、ログアウトした。



そして夜、約束の時間に集まり、いよいよ第三の島に進軍を開始した。スクナビコナには操縦役にシャローさんたち、大砲役に与一さんたちが乗っている。俺が全力戦闘出来るようにという配慮だ。


船の操縦なら悔しいがシャローさんたちのほうが上だ。与一さんたちも大砲には慣れている。適役だろう。


メルたちは全員自分の高速船に乗っている。満月さんたちもメルたちの船だ。悲しいことだが、スクナビコナにはエーテルシールドがあるから、必要とされている船に乗るのは当然だろう。


海賊船と一回戦い、目的の海域に到着した。全員が料理バフ、各種バフをかけて追跡の風見鶏を使用する。すると追跡の風見鶏は海底を指し示す。やはり島にいたデイヴィ・ジョーンズは本物じゃなかったみたいだ。


『酷い設定です…最初に負けること確定ですよ』


『でも今回はポイントのマイナス無いんですよね?』


『えぇ…多分運営は第三の島でプレイヤーを全滅狙いだったんじゃないかと思います』


なるほどね。さて、ここで問題が発生。追跡の風見鶏の光が海底から動かないのだ。


『海域に入ってから現れる可能性が高いです。タクトさん、行ってくれますか?』


『イエッサー! スクナビコナ先行します!』


スクナビコナが魔法の霧の中に侵入する。すると追跡の風見鶏の光が上に上がってきた。


「来るぞ!」


リリーたちが武器を構える。すると目の前に海から水しぶきを上げながら船首がサメの巨大な海賊船が現れた。


でかすぎるだろう…スクナビコナの倍はあるぞ。するとデイヴィ・ジョーンズが現れた。


「俺の居場所を見つけたことは褒めてやる。だがここまでだ! 野郎ども! やっちまえ!」


次々海賊船が海底から現れ、スクナビコナは集中攻撃を受ける。だがスクナビコナはエーテルシールドを展開しているので、効かない。仕返しに与一さんたちが巨大海賊船にエーテル魔導大砲を撃ち込むがでかすぎて効いてない。


「アルさん!」


「もう連絡役を飛ばしました!」


通信が出来ないことで今回、伝書鳩方法を採用した。速いイーグルの足にメッセージを書いた紙を縄で足に固定したものだ。


暫く応戦しているとみんなが敵の背後や側面から大砲で攻撃を開始した。


「ほう…中々やるな。だがこのデイヴィ・ジョーンズ号の敵じゃねーな!」


巨大海賊船が俺たちに向けて動き出した。凄く嫌な予感!止まる気配がない!俺は舵を切る。


巨大海賊船とスクナビコナが擦り合う。エーテルシールド様々だな。


しかしそのまま巨大海賊船は他の船にも体当たりをする。足が速い高速船は躱せるが砲船では逃げれない。このままじゃ詰む!


「大砲が効かない以上、切り札を使うか侵入して倒すしかありませんよ! タクトさん!」


「巨大海賊船が動き回ってて、魔導砲では狙えません! なんとかしないと…みんな!」


リリーたちが大技を使うがダメだった。命中はしているが波動系やブレスは効きが弱い。接近しようにも大砲や銃撃が酷い…スピカで攻撃したら、幻影で躱せなくなるし、ぷよ助も全方位をカバー出来るわけじゃない。


どうする…大砲は一応効いている。ならこれにかける!


「セチア、イクス、ブラン、スピカ以外は一旦戻ってくれ! アルさん、連絡を! これから巨大海賊船にでかい穴を空けます! 後、船の舵を変わって下さい」


「わ、わかりました!」


「ブラン! デイヴィ・ジョーンズを挑発してくれ!」


「わかりました! 挑発!」


ブランの挑発にデイヴィ・ジョーンズが反応する。


「ほう…生意気に挑発してきた奴がいるな。最初に侵入してきた奴か…いいぜ。売られた喧嘩は勝ってやるよ!」


巨大海賊船が真っ直ぐ向かってくる。まぁ、乗るよな。だが、お前らは知らない。俺の秘密兵器が魔導砲だけだと思ったら、大間違いだ!


「召喚! 来い! 黒鉄! お前の力、あいつらに見せてやれ!」


黒鉄がロケットパンチの構えを取り、腕が回転し、電気が走る。


「ぶちかませ!」


黒鉄必殺のレールガンロケットパンチが炸裂し、巨大海賊船を正面から貫通する。その瞬間、攻撃が止んだ。


「行くぞ!」


俺は黒鉄を戻し、ブランとスピカに乗り、黒鉄が空けた穴に飛び込む。侵入成功!


「レギオン召喚!」


リリー、イオン、恋火、ノワ、リビナ、リアン、和狐、セフォネ、ファリーダ、グレイ、虎徹、チェス、ゲイル、白夜、優牙、アラネア、ぷよ助、狐子、ルーナ、伊雪、リュクスが召喚する。


「ぷよ助は俺のガードを! 一気に攻め落とすぞ!」


『おぉ!』


俺たちは一気に攻めに出た。


一方、デイヴィ・ジョーンズは混乱していた。


「な、なんだ!? 今の衝撃は!? 何が起きた!」


部下が報告をする。


「船長! 金属の巨人が!」


「パンチを飛ばしてきて!」


「「「「格好いい!!」」」」


「うるせー! バカ野郎!」


すると部下が慌ててくる。


「船長! 敵に侵入された!」


「何!? 直ぐにぶっ殺せ!」


すると巨大海賊船から次々振動が襲う。


「船長! やべー奴らが侵入してる! 銃が効かねー!」


「あいつら大砲を潰してやがる!」


「何!? まさか…」


デイヴィ・ジョーンズが側面を見ると衝角を装備した高速船が三隻突っ込んで来ていた。


「ッ!? 船だ! 突っ込んで来るぞ! 沈めろ!」


「ダメです! 大砲が潰されて! 逃げろ~!」


巨大海賊船に体当たりが成功し、メルたちが侵入に成功する。


「大丈夫!? タクト君」


「…殺そうとした奴の言うセリフじゃないぞ」


自分に向かって突っ込んでくる船…リリーたちがいなかったら、アウトだった。俺は二度とこんなことはしないと決めたぞ!


「あ! 姉ちゃん! みんな先に行ってるよ!」


「いけない! 急がないと!」


メルたちも上に上がっていった。やれやれだ。


「タクト? リリーたちはどうするの?」


「もう勝敗は決しているからな…ひとまず大砲を全て潰そうか」


「わかった!」


「では拙者たちはヨナの像を潰してくるでござるよ」


俺たちが大砲とヨナの像を潰している間にメルたちは甲板に出る。一斉に銃撃されるが満月さんたちがガードし、隊列を組む。それを見てデイヴィ・ジョーンズが苛立ちを見せる。


「よくも俺様の船をめちゃくちゃにしてくれたな! 覚悟しやがれ!」


「覚悟するのはそっちだよ! 既にヨナの像は壊した! あなたはもう不死身じゃない!」


「不死身じゃないから俺様に勝てるつもりか? 俺様の切り札がこの船だけだと思ったら、大間違いだ!」


デイヴィ・ジョーンズが指を鳴らすとあちこちで悲鳴が上がる。メルたちが警戒しているとメルたちが見たものは巨大なイカの足に捕まった自分たちの船の姿だった。


「やっちまえ! クラーケン! テンタクルズ! ホオジロザメ! 俺様を怒らしたら、どうなるかこいつらに教えてやれ!」


ホオジロザメLv24

イベントモンスター 討伐対象 アクティブ


クラーケンLv30

イベントモンスター 討伐対象 アクティブ


テンタクルズLv30

イベントモンスター 討伐対象 アクティブ


自分の船が振りかぶられる。


『ヒッ!?』


「動くな! 守れなくなる!」


「満月! タイミングを合わせる!」


「助かる。全員構えろ!」


満月さんたちと帝さんたち重装歩兵たちが盾を構える。


「今だ!」


『ファランクス!!』


必殺技を使用し、敵の攻撃から全員を守る。


「今だ! 行け!」


メルたちが飛び出すがカースパイレーツたちが邪魔をする。


「今の攻撃を防いだことは褒めてやる。だが俺様に攻撃を当てることは不可能だ!」


「弾幕がきつくて近付けない…」


「こんなの反則だよ!」


「魔法さえ使えたら吹き飛ばせるのに…何か手は」


デイヴィ・ジョーンズもメルたちも肝心のことを忘れている。これはデイヴィ・ジョーンズとメルたちの戦いじゃない。


二隻のガレオン船から一斉に大砲の音が響き、デイヴィ・ジョーンズたちは吹き飛ばされた。


『ボスを仕留めたぞ!』


『『よっしゃー!』』


ガレオン船から歓声が上がるなか、完全にいいところを持っていかれたメルたちは…


『えぇ~…』


そう言うしかなかった。

次回も戦闘が続くため、ステータスは次回書きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
[気になる点] 第三の島に向けて進航時に戦闘に集中するため、シャローさんたちにスクナビコナの操縦を任せたはずが、ボス出現後もしばらくの間、舵を握っているところに違和感。
[一言] お大事にしてください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ