#398 拠点防衛戦と海賊船への夜襲
まずは海岸正面で復帰した満月さんと帝さんたち重装歩兵が壁役をし、戦士や騎士が雑魚と戦闘をする。遠距離支援はレッカが指揮を取る魔法使いたちだ。支援は召喚師のフェアリーとマーメイドがしている。
雑魚相手では問題ではないが、半魚戦士たちが加わると徐々に押される。まぁ、わざとなわけだが…
雑魚が陸地に密集した時に仕掛ける。
『今です。騎馬隊!』
『了解!』
「総員、槍を構えろ! 槍使いの実力を見せてやれ!」
『おぉ!』
馬に乗って、槍を構えているのは槍使いたちだ。全員が槍を構える。
「突貫!」
『スクリューランサー!』
槍が高速回転し、ドリルのようになった槍を構える騎馬隊は敵を横から貫いた。突然の奇襲に敵の動きが鈍る。その隙を逃すプレイヤーはここにはいなかった。
しかし次第に物量に押され始める。
『司令部へ。そろそろ疲れが見え始めてきた…撤退を頼む』
『了解。第一部隊は撤退してください。第一魔法使い部隊は撤退の支援を。第二部隊は準備をお願いします』
『了解』
司令部のサバ缶さんの指示で満月さん、帝さんたちはレッカたちの魔法支援を受けて撤退を開始する。交代でメルが指揮する第二部隊が敵とぶつかる。
「行くよ! 全員突撃!」
「よっしゃー! やったるぜ!」
「アーレイ君! 一人で行ったら、ダメだって!」
「あいつはどれだけ死亡フラグを立てれば気が済むのかしら…」
メルの部隊にはアーレイたちや鉄心さんのパーティーなどがいる。そう簡単には突破されないだろう。
『時間です。第二部隊、撤退してください。空爆部隊お願いします』
『了解です!』
「みんな! 撤退!」
アルさん率いる召喚獣、猛獣使いの鳥モンスターたちの爆弾投下がされる。予期せぬ攻撃でモンスターの大軍は乱れる。しかし壁に逃げるプレイヤーをモンスターたちは追撃する。
メルが最後に残り、扉を開けっ放しにして壁の中に逃げ込む。それを見たモンスターたちは当然のように中に入っていく。しかしそこにはプレイヤーの姿はなく、代わりにあるのはまた壁だ。
モンスターは雪崩込むのをやめない。壁に挟まれた通路に入ったモンスターたちは壁の上にいるプレイヤーたちから色々なものを落とされる。
石工師から加工された石。木工職人の力を借りて、てこの原理で簡単に落とせるようになっている。
錬金術師は簡単に作った武器を次々投げる。最早本来の用途の武器ではないな。
後はみんな石ころを投げまくっている。実に楽しそうだ。なぜこんなことをしているのかというとみんな合図を待っているからである。そしてその時はもうすぐだった。
俺たちの狙いは海賊船だ。もう来ていても不思議ではないが…すると海を警戒していたチロルから連絡が来た。
『海賊艦隊を発見しました! えーっと本拠地から東の位置です!』
側面から来たか。まぁ、予想の範囲内。正面はドンパチしているから夜襲をするなら背後か側面になるだろう。
『既に小型船多数が向かってます』
「発見お疲れ様。タクト君、火影」
「行ってきます」
「任せるでござるよ。では、タクト殿。お先に失礼するでござる」
火影たち忍者は忍び込むことに関して全職種中最強だ。しかも工作船で敵に近づくのも容易だ。結果として火影たちがヨナの像を破壊してから挑むのが最適ということになった。
火影さん率いる忍者部隊が工作船で、船に接近する。俺はサフィに乗り、水中から侵入をサポートする。上空にいるコノハからの情報を頼りに鉤縄を投げ、侵入するタイミングを指示する。
『侵入成功でござる。これより捜索に向かうでござるよ』
だがここでトラブルが起きる。船長室を爆弾で爆破した火影たちだが敵の不死身が解除されなかったのだ。
『どういうことでござる!?』
『不死身が解除されていないぞ!』
『…恐らく船長室からアイテムをどこかに移動させたんでしょう』
『こちらの襲撃を予想されたわけね…でも船長室に無いなら場所は限られているわ。ひとまずボスを探して』
すると忍者たちは悲鳴を上げた。
『『『この状況で!?』』』
どうやらカースパイレーツたちに見付かり、必死に逃げている最中のようだ。さて、どう動くかな…
『イクス、アイテムやボスの位置はわからないか?』
『レーダーの範囲外です。マスター』
ダメか…早く決めないと防衛に影響が出てしまう。ここは一気に行くしかないか。とはいえ誘われているよな…よし。相手が凡策で来るなら、こちらは奇策で勝負しよう。
「ぷよ助、スピカ!」
俺はぷよ助とスピカを呼び出し、ぷよ助と共にスピカに乗る。するとカースパイレーツに見付かるが幻影があるから当たらない。そして攻撃をしてもぷよ助が入れば、安全だ。
『船体に突っ込むぞ!』
『『えぇ!?』』
二人の声を無視して、スピカで突っ込む。当然船の被害は甚大だ。巻き込まれたカースパイレーツは死ぬが復活する。無事な奴から攻撃されるが、ぷよ助が完璧にガードする。
ハズレか…じゃあ、もう一回。しかしまたハズレた。
『こ、これって…』
『兄ちゃん、まさか…手当たり次第突っ込んでアイテムを見付けるつもり?』
『そうだけど?』
『『ご、強引…』』
たまには強引な策もいいものさ。それに釣れた。
「止めろー! あの馬を止めるんだー!」
カースパイレーツキャプテンが指示を出すために声を出した。見つけたぜ。
『ボスは船首の下だ!』
『『了解!』』
俺はスピカで突っ込むとアイテムを守るカースパイレーツキャプテンと接近した。
「死ね!」
銃を撃たれるがスピカが幻影で躱し、俺たちは外に出る。
「逃げた? はは! ざまー」
次の瞬間、外からアイテム目掛けて、スピカで突っ込みアイテムを破壊した。俺たちの任務はアイテムの破壊だ。アイテムの場所さえ分かれば狙い撃ちだぜ。
「て、てめー! よくも」
「シャドールーム」
俺の影からリコとリーが飛び出す。
「「発勁!」」
「ぐはっ!?」
二人の発勁がカースパイレーツキャプテンの両胸に炸裂して、倒される。
「「やったー! 敵将撃ち取ったり!」」
良かったな。
「じゃあ、後処理頼むな」
俺は次の船を目指して移動した。
「任せて! 兄ちゃん!」
「…あの…この船、沈んでませんか?」
「え…そういえば下がってる気が…あ」
リコたちが乗っている船はスピカの体当たりを何回も食らった船であることを二人は思い出した。
「兄ちゃん! カムバーック!」
「もういませんよ!? と、とにかく上に向かいましょう!」
「兄ちゃんのバカ~!」
リコの声は残念ながら俺には届かなかった。
『イクス、場所は把握したな?』
『イエス、マスター。エネルギーキャノン。いつでも撃てます』
『よし! 撃て!』
『エネルギーキャノン、発射します!』
イクスが壁の上から次々エネルギーキャノンの精密射撃でアイテムとボスを倒す。
俺も三隻のアイテムを破壊した。溺れたカースパイレーツたちはサフィが襲っている。
他の船でも爆発が起き、アイテムの破壊の知らせが届く。そして待機していたチロルたち水中部隊が襲っていく。この報告を待っていたのはチロルたちだけではなく、防衛部隊も動き出す。
そんなこととは知らずに誰もいない海岸に上陸したカースパイレーツたちはのこのこ開けられた壁の中に入る。全員が入ったところで入口にゴーレムが召喚され、閉じ込めた。
「しまった!?」
「罠か!?」
『ライト!』
プレイヤーがあちこちで壁の上からライトを使用する。そして左右の壁から樽を落とす。
「この臭いは…」
「酒だ~!?」
お酒はルインさんたちが作っているものだ。
今、カースパイレーツたちに火がついた松明を持って見下ろしているのは満月さんたちカースパイレーツにやられた人たちと火矢を構えた弓術師たちだ。彼らの立っての希望でやられたことはやり返す作戦が決まったのだ。モンスターも一緒に焼き払えば、物資の節約にもなるからこの瞬間を持っていた。
『火計、発動!』
「全員、放て! アローレイン!」
『アローレイン!』
トリスタンさんの合図で弓術師たちのアローレインと松明が落とされ、壁に挟まれた通路は一瞬で地獄絵図となり、カースパイレーツたちは復活せずに焼かれて死んだ。
『ざま~』
みんな自然とその言葉が出た。これで勝敗は決したな。
「ま、待ちやがれ! てめーよくも俺たちの作戦をパーにしやがったな! 死ね! 死ね! くそ! 逃げんな!」
逃げるな?ならば撤退しよう。巻き込まれたくはないからな。
あ、リコたちを回収しないと。船は既に沈没しており、二人はチロルたちに救助されていた。後で散々責められたのは言うまでもない。まぁ、これは俺が悪いな。
撤退した俺たちを合図にシャローさんが運転、エーテル魔導大砲を与一さんたちが担当しているスクナビコナとガレオン船二隻と修復が終わった砲船の艦隊による挟撃を海賊艦隊はくらい、全滅した。
『敵の全滅を確認しました! この勝負は我々の勝利です!』
『よっしゃあああ!!』
拠点から歓声があがる。こうして防衛戦は俺たちの完勝で幕をおろした。
名前 タクト 寵愛の召喚師Lv1
生命力 120
魔力 270
筋力 120
防御力 70
俊敏性 90
器用値 176
スキル
格闘Lv26 蹴り技Lv23 杖Lv35 片手剣Lv34 槍Lv21 刀Lv22
投擲Lv11 詠唱破棄Lv3 魔力操作Lv3 召喚魔術Lv39 封印魔術Lv26
ルーン魔術Lv11 騎手Lv34 錬金Lv23 採掘Lv28 伐採Lv36
解体Lv42 鑑定Lv33 識別Lv40 疾魔法Lv4 炎魔法Lv4
地魔法Lv5 海魔法Lv4 暗黒魔法Lv5→Lv6 神聖魔法Lv11 雷魔法Lv32
爆魔法Lv37 木魔法Lv27 氷魔法Lv29 時空魔法Lv43 獣魔魔法Lv4
遅延魔法Lv10 連続詠唱Lv15 水中行動Lv15→Lv17 縮地Lv1 読書Lv16
料理Lv40 餌付けLv8 釣りLv20 シンクロLv22→Lv23 エンゲージLv2
連携Lv9
名前 イクス アモールエクスマキナLv20
生命力 123
魔力 123
筋力 123
防御力 123
俊敏性 123
器用値 123
スキル
飛行Lv10 機人兵装Lv31 暗視Lv9→Lv10 鷹の目Lv17 射撃Lv19
詳細解析Lv10 演算処理Lv12→Lv13 行動予測Lv11→Lv12 索敵Lv21→Lv22 投擲操作Lv7
反射Lv8 連射Lv14 換装Lv6 リンクLv15 魔力充電Lv14→Lv15 リミッター解除Lv1
名前 コノハ グラウクスLv2
生命力 90
魔力 144
筋力 96
防御力 74
俊敏性 113
器用値 137
スキル
暗殺Lv25 飛翔Lv37→Lv38 氷爪Lv18 羽投擲Lv26 神瞳Lv28→Lv29
気配遮断Lv22→Lv23 連続詠唱Lv7 詠唱破棄Lv8 魔力操作Lv6 同時詠唱Lv8
風魔法Lv21 水魔法Lv18 神聖魔法Lv11 暗黒魔法Lv11 雷魔法Lv18
氷魔法Lv34 時空魔法Lv12 氷刃Lv16 幻影Lv5 守護Lv1 耐寒Lv7
女神の加護Lv4
名前 ぷよ助 クリーンスライムLv22
生命力 113
魔力 0
筋力 0
防御力 139
俊敏性 44
器用値 68
スキル
捕食Lv29 防御Lv16→Lv18 物理無効Lv23→Lv25 変形Lv30→Lv31
衝撃吸収Lv20→Lv21 分裂Lv16 再生Lv20 挑発Lv10 腐蝕Lv11
水中行動Lv18 極寒ボディLv24 浄化Lv18 水属性無効Lv6
火属性無効Lv12→Lv15
名前 スピカ ユニコーンLv7
生命力 95
魔力 132
筋力 147
防御力 52
俊敏性 184
器用値 86
スキル
回転角Lv19→Lv21 激突Lv17→Lv19 物理破壊Lv17→Lv19 集中Lv15 騎馬Lv19→Lv21
水上走行Lv10→Lv13 危険予知Lv16→Lv18 気配遮断Lv10 旋風Lv14→Lv16 疾駆Lv18→Lv20
騎手強化Lv19→Lv20 浄化Lv10 幻影Lv19→Lv21 木魔法Lv12 海魔法Lv3
神聖魔法Lv5 狂戦士化Lv1 蘇生Lv1 譲渡Lv3 聖獣の加護Lv6→Lv7
名前 サフィ オルカLv12→Lv14
生命力 34
魔力 44→46
筋力 47→50
防御力 20
俊敏性 58→62
器用値 46→50
スキル
遊泳行動Lv18→Lv20 跳躍Lv5 水化の牙Lv6→Lv9 突進Lv10→Lv13 強襲Lv8→Lv9
音響探知Lv12→Lv14 妨害音波Lv6 水刃Lv6→Lv9 疾走Lv11→Lv13 乗馬Lv13
波起こしLv2