#242 イエローオッサの伐採トラップと森の守護妖精
夕飯を食べ終え、風呂を済ませてからログインする。
まずはお城で明日の作戦説明をして、グラン国王様、サラ姫様たちに許可を貰い、編成を決めた。
その後、プレイヤーたちにも説明する。準備完了と言いたいが俺は依頼を受けた。
内容は松の伐採だ。原因は松脂だ。錬金術の油だけでは火の燃え上がりがいまいちだったらしい。そこで松脂を混ぜると改善されたらしいのだ。
更に与一さんたちやトリスタンさん、弓術師から松の矢の大量注文があった。やはり火計を使うなら松の矢が欲しい気持ちもわかる。
レッカからも杖の注文があったが、それは余るかどうかだな。
というわけで松を伐採しにイエローオッサ山脈に来た。メンバーはセチア、ノワ、リキュール、ルーナ、ミールだ。
それからひたすら松を伐採する。
伐採すること五時間以上…松を四本ゲットした…もういい？もういいよね？だって、インベントリの樽がいっぱいだし、腕が上がらない…
するとノワが敵を察知する。
「…大きい影が来る」
あ～…これは伐採トラップだな。セチアとリキュールに乗る。ノワは俺の影に入り、ミールは土に潜った。敵はなんだ？
敵の足跡が聞こえて来て、目視で敵を発見する。だって、暗闇の中に金色の輝く角を見付けたら嫌でも気が付く。
そして俺はこのモンスターを知っている。一応識別する。
ズラトロク？
？ ？ ？
エアリーと同じだな…こいつのネタは知っている。警戒すべきは蘇生と狂戦士化だな。
まずは追いかけっこが始まる。セチアが矢で、ルーナが魔法で攻撃する。
ダメージは与えているがずっと追いかけてくる。山羊や鹿はこんなのしかいないのか？
しかしズラトロクはミールの落とし穴をジャンプしてかわす…やるな。しかし攻撃を当て続け、ズラトロクは倒される。
だが蘇生で傷がふさがり、起き上がる。すると角が赤くなり、体に深紅のオーラが宿る。あれが狂戦士化か…
ズラトロクと再び追いかけっこが始まると思ったが狂戦士化したズラトロクはリキュールより早かった。
「っ！？ 不味いです！ タクト様」
「ノワ！ 動きを止めてくれ！」
「…ん！ 影縛り！」
ノワが影縛りで動きを封じる。だがノワに異変が発生する。
「…力が…強すぎる。…にぃ、少ししか止められない！」
狂戦士化、ヤバいな。ならすぐに決める！
「寄生木！」
「アローレイン！」
ミールとセチアの攻撃が当たり、ルーナが魅了鱗粉で動きを封じにかかる。
「リキュール！」
リキュールが角を回転させ、ズラトロクの腹を貫き、倒される。狂戦士化は諸刃の剣みたいだな。恐らく防御力が下がる代わりに他のステータスが上昇するんだろうな。
エアリーに使わせる時は注意しないとな。そんなことを考えているとインフォが来る。
『ルーナのレベルが20に到達しました。進化が可能です』
おーっと。レベル20で進化するのか…気になるから先にさせちゃおう。進化先は１つだ。
ニュンペー
ギリシャ神話で出てくる妖精だな。壁画とかにも書かれている有名な妖精だ。確か下級の女神という話も聞いたとことがある。俺は進化先が怖くなってきたぞ。説明を見てみよう。
ニュンペー…花を育て、自然を守っていると言われている妖精。人語を話し、人間と関わりを持つことが出来る知性を有している。良い人間には恩恵を授け、悪い人間には罰を与えると言われている。
下級の女神という項目は無しか…ちょっと安心した。では進化させてみようか。
名前 ルーナ フェアリーLv20→ニュンペーLv1
生命力 35→55
魔力 71→91
筋力 22→32
防御力 22→27
俊敏性 66→81
器用値 42→62
スキル
飛行Lv25→飛翔Lv25 竪琴Lv1 舞踊Lv15 気配遮断Lv1 危険予知Lv1
魅了鱗粉Lv8→Lv9 風魔法Lv12→Lv15 水魔法Lv1 木魔法Lv12
光魔法Lv1 譲渡Lv1 祝福Lv1 守護Lv1 幻術Lv2
進化したルーナは服装が進化した。エメラルドグリーンの薄い生地のワンピースだ。だ、大丈夫だろうか？
しかし姿はあまり変わらなくても、変化したものは確かにある。
「初めてお話が出来ますね。パパ」
ルーナが喋った！そ、そしてパパ？俺、いつの間にか子持ちになっていたのか…しかしルーナのパパ発言に大ダメージをおっているのは事実だ。
「あぁ。改めて、タクトだ」
「ルーナです。素敵な名前をありがとうございます。パパ」
ふぐ…ルーナのパパ発言が俺にダメージを与えてくる。するとセチアとミールがおちょくってくる。
「良かったですね。パパ」
「ルーナ可愛いですよね？ パパ」
「あぁ。可愛いに決まっているな」
「「親バカですね」」
既にロリコンの称号を持っている俺は最早恐れるものはない。なんとでも言えばいいさ。
スキルで初は危険予知だな。恐らく暗黒召喚師が使っていたと思われるスキルだ。元ネタはたぶん守護する泉の水を飲む者に予言の力を授ける話からだろうな。他にもニュンペーは病を治す力もある。
ここでとある危惧が過る。泉と関係があって、病を治すのはユニコーンと共通する点がある。こういう予感は当たるものだが…今はズラトロクを解体してみよう。
金の角:レア度6 素材アイテム 品質D
ズラトロクの角。金色をしているだけで金としての価値は全くないがその角には栄養が詰まっている。
金山羊の肉:レア度6 食材アイテム 品質C
ズラトロクの鹿肉。通常の鹿肉にはないジューシーな霜降りが特徴のお肉。薬肉としても有能で味付け無しでも十分に美味しいお肉。
ヤバい…ノワのヨダレが止まらなくなっている。それもそのはず、何せレア度6のお肉と言えば、リリーが熱望しているサーロインと同じレア度だからな。まぁ、品質は落ちるようだが、神話の動物の肉を超えるサーロインは問題がある気がする。
するとノワがローブを引っ張ってくる。
「…食べたい」
「明日な」
「…にぃ」
「ダメ。我慢しなさい」
そして金の角も巨鹿の角と同じでどうやら肥料にするみたいだな。するとミールがお願いしてくる。
「タクト様！ 早く粉末化をしてください！ 早く食べ」
「早く二人で肥料の研究をしたいんです！」
セチア、手遅れだったな…
「二人で肥料を食べているのか？」
「「…えへ」」
「ルーナは食べてないよな？」
ルーナは俺の疑いの視線から顔を背けた。間違いないな。
「没収だな。この金の角も俺が管理する」
「「「そんな！？」」」
仕方無いだろ…流石に黙ってアイテム消費する行為を見逃したら、歯止めが効かなくなる。
フリーティアに戻り、成果報告する。ユグさんたちが引きつる。
「今から作るの？」
「俺は五時間伐採して、神話の山羊とまで戦ったんですよ？ 頑張ってください」
『鬼！』
五時間伐採させた人たちに言われたくないな！
その後、セチアとルーナ、ミールの必死のお願いでおやつとして肥料を渡す。
我ながら甘いな…そしてリリーたち用のおやつも何か考えないといけないな。
そんなことを考えながらログアウトした。
名前 タクト 情愛の召喚師Lv3
生命力 68
魔力 126
筋力 56
防御力 40
俊敏性 57
器用値 98
スキル
格闘Lv9 蹴り技Lv16 杖Lv22 片手剣Lv21 槍Lv15 刀Lv3
投擲Lv7 高速詠唱Lv26 召喚魔術Lv30 封印魔術Lv13 騎手Lv20
錬金Lv17 採掘Lv20 伐採Lv24→Lv30 解体Lv34→Lv35 鑑定Lv21→Lv22
識別Lv30 風魔法Lv23 炎魔法Lv1 土魔法Lv23 海魔法Lv1 闇魔法Lv22
神聖魔法Lv8 雷魔法Lv24 爆魔法Lv24 木魔法Lv24 氷魔法Lv25
時空魔法Lv38 水中行動Lv2 読書Lv8 料理Lv34 餌付けLv7
釣りLv16 シンクロLv12 連携Lv4
名前 セチア ハイエルフLv9
生命力 52
魔力 134
筋力 46
防御力 36
俊敏性 38
器用値 134
スキル
杖Lv14 魔法弓Lv18 鷹の目Lv8 射撃Lv10 木工Lv16
採取Lv20→Lv24 調薬Lv12 刻印Lv5 宝石魔術Lv2 宝石細工Lv2
風魔法Lv7 火魔法Lv16 水魔法Lv24 土魔法Lv13 闇魔法Lv1
神聖魔法Lv6 雷魔法Lv3 爆魔法Lv2 木魔法Lv16 氷魔法Lv5
樹魔法Lv9 ハイエルフの知識Lv18 精霊召喚Lv6 料理Lv8
名前 リキュール モノケーロスLv4→Lv5
生命力 44→45
魔力 8
筋力 62→65
防御力 30
俊敏性 84→87
器用値 48
スキル
回転角Lv19 蹴り技Lv3 突進Lv18 物理破壊Lv5
乗馬Lv25 旋風Lv7 風魔法Lv3 疾走Lv21
騎手強化Lv8→Lv9
名前 ミール ドライアドLv4→Lv5
生命力 64→66
魔力 66→68
筋力 33
防御力 33
俊敏性 69
器用値 64→66
スキル
土潜伏Lv14→Lv15 蔓Lv10 俊足Lv8 風魔法Lv3 土魔法Lv8
木魔法Lv7 水魔法Lv7 光合成Lv1 譲渡Lv1 花蜜Lv3
花粉Lv4 採取Lv17→Lv22 植栽Lv4 寄生木Lv10 罠設置Lv9→Lv10
植物召喚Lv1
