表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
114/1716

#109 タクトVSネビロス

俺たちの切り札はセチアの精霊召喚のみか…使わせて貰えたら助かるんだけどな。


こいつが相手では厳しいだろう。ただ農業をしに来ただけなのに本当にやめてほしい。


ネビロスはグリモワールに載っているほどの有名な悪魔だ。アスタロト配下の悪魔たちの長で魔神たちの監察官。未来を予知し、悪魔の中でも随一の降霊術師として有名だ。


もし目の前の奴が本物のネビロスなら間違いなく勝ち目はない。未来を予知されるなんて無理ゲーだ。嫌がらせにも程がある。


だが、こうなった以上、未来予知はないつもりでやるしかない。


「やー!」


リリーがネビロスに突っ込んでいく。あーあー…リリーの悪い癖だ。だが、今日はナイス判断だ。俺がセチアに精霊召喚の準備をさせる。


「リリー!? 無闇に近付いたらダメだとあれほど! 恋火、タクトさんとこの人をお願い!」


「は、はい!」


「ふふ、元気があるドラゴニュートですね」


ネビロスが杖を取り出す。何かの魔法か?やばい!?


そう思ったが攻撃魔法ではなかった。なんだ?俺がそう思っていなら、セチアが叫ぶ。


「タクトさん! 魔法が使えません!」


何!?俺がセチアのステータスを確認すると謎の状態異常。セチアによると魔法が使えなくなる状態異常か?


くそ、こちらの切り札を潰された!


リリーの攻撃を躱しながら、ネビロスは笑う。


「クフフ。エルフの精霊召喚は厄介ですからね。先に潰させて貰いましたよ。あぁ、クリアでは治すことはできませんよ」


ご丁寧にどうも。そしてリリーとイオンの攻撃を躱しながらネビロスの解説は続く。


「ドラゴニュートの擬似竜化も厄介ですが、すぐに使わないところを見ると使えないようですね。セリアンビーストはどうやら切り札を覚えていないようだ」


こいつ、うっぜー!しかも今、恋火を馬鹿にしやがったのか?絶対に許さん!


「しかし、このままではいけませんね。こちらもそろそろ本気で相手を致しましょう」


ネビロスは杖でリリーとイオンを俺たちのところまで吹っ飛ばす。こいつ、力も結構あるのか…嫌になるな。


そして再び、こちらに杖を向ける。また妙な魔法か?俺たちが警戒していると地面から何かが這い出てくる。どっからどう見てもゾンビだ。降霊術師というよりもネクロマンサーの力を使うのか。


そしてここ、俺たちの畑なんだが?風評被害でこいつ、訴えていいよな。


「邪魔!」


リリーがゾンビをぶっ飛ばす。さようなら、ゾンビ。


だが祈ってる余裕はないようだ。次々とゾンビが現れる。しかも超リアル…小学生が見たらトラウマだろ!


「はぁああ!」


イオンがゾンビを斬り刻み、一度は倒れたゾンビだが、切り口が繋がり、立ち上がる。


「えっ…今、倒したのに…」


やはり蘇生するのか!ならば光魔法で勝負だ。


「リリー! イオン! 一旦下がれ!」


「う、うん!」

「はい!」


リリーたちが戻ってくる。それと同時に魔法を撃つ。


「レーザー!」


俺のレーザーがゾンビの頭部に直撃。どうだ?ヘッドショットだぜ。ゾンビの弱点ぐらいは知っているのだよ。


撃ち抜かれたゾンビが地面に倒れる。そして頭が治り、起き上がる。


…うん。ちょっと待て。それはあんまりだろ…


「クフフ。光魔法ではゾンビは倒せませんよ。浄化の光か聖なる光でなければね」


ご丁寧に教えてくれてありがとうよ!浄化の光と聖なる光?なんじゃそりゃ。光魔法の中にそんな魔法があるのか?ということはこのクエストはそれを覚えてから挑むクエストってことじゃないのか!?


「ど、どうします? タクトさん。このままじゃ」


ゾンビたちがこちらに近付いてくる。


ふー、冷静になれ。観察し、思考しろ。勝利の光を見付けるんだ。


俺はインベントリから石ころを取り出し、投擲でゾンビに投げつけた。石ころが当たったゾンビは石ころに見向きもしないで真っ直ぐこちらにくる。


つまりこのゾンビたちはパニック映画でよくある聴覚で俺達を認識しているのではなく、視覚もしくは別の何かで俺たちを認識しているってことか。


そこで俺はネビロスを見る。ネビロスは杖をこちらに構えたままだ。


ひょっとして?ネクロマンサー…死霊術師。


ならば勝機はある!俺は念の為にシンクロスキルでみんなに作戦を伝える。


『聞こえないふりをしてくれ。俺が奴の注意を引きつける。リリーとグレイはシスターの護衛を頼む。重要な役割だ。頼めるか?』


『任せて! タクト!』


『イオンは投擲、セチアは弓の準備を頼む』


『はい!』

『お任せを』


『リリーが護衛で動けない以上、アタッカーは恋火だ。行けるよな?』


恋火は確かに20レベルに達していないかもしれないが速さと相手を倒す火力の両方を持っている。あのうざい悪魔に恋火の強さを教えてやる。


『は、はい! やれます!』


『よし。いい返事だ。俺が隙を作るから、三人とも合わせてくれ。タイミングの指示は俺が出す。今から言うことは無視してくれ』


『『『はい!』』』


「全員、シスターの子を守ってくれ! 勝負に出る!」


俺はネビロスにも聞こえる偽りの指示をみんなに出す。


「クフフ。人間は余りにも愚かですね。状況が理解出来ないとは」


確かにお前の言うとおり。人間は愚かだよ。だが状況の理解を出来ていないお前よりはマシだ!


ネビロスが俺を見る。勝機!


「ッ!? 召喚師が消えた!? 何処に行った!?」


ネビロスが俺を探して杖を左右に振る。その間、ゾンビは止まっていた。


この瞬間、俺の予想は当たっていた事を確信する。このゾンビたちはネビロスが魔法で召喚したもの。そしてゾンビを操っているのもネビロス。死霊術師だから当然だな。


ならば操っているネビロスがターゲットを見失えばどうなるか?答えがこれだ。ゾンビたちも指示を失い、動かなくなる。


さて、ここからは俺の領域だ。俺はネビロスの顔面を殴り飛ばした。


「グハ!? ば、馬鹿な!? あなた、いつの間に近くに!?」


俺はネビロスの問いかけを無視して殴りまくる。剣を使いたいが出していたら、相手を逃がす。仕方無いので、今日は格闘戦だ!


ネビロスは俺のパンチの対処に手一杯。杖を構える余裕はない。


「く…あなた、何者です!? なんなんです!? その洗練された格闘戦は!? あなたは召喚師でしょう!?」


あぁ。そうだよ。だけど召喚師が召喚や魔法だけだと思ったら、大間違いだ!


「く…ならば!」


ネビロスは大きく後ろに下がりながら、何かを懐から取り出す。俺はネビロスを追いながらそれを確認する。あれは本か?


ネビロスが取り出した本が中に浮き、本のページが捲れる。何をするつもりか知らないがさせるかよ!俺はゾンビに確認した際に隠し持っていた礫で投擲して、同時にみんなに合図を出す。


「イオン、セチア、恋火!」


「はぁ!!」

「シュート!」


俺の礫が当たり、ネビロスが怯み、イオンの短剣の投擲とセチアの弓の武技がネビロスに命中する。


「な!? …グッ!?」


ネビロスの本が静止し、ネビロス自身はスキルの強制解除による硬直と硬直時の連続攻撃で動きが止まる。この勝負、貰った。既に恋火がネビロスの捉えている。


「狐火、一閃!!」


ネビロスの体を斬り裂いた恋火の渾身の一撃は切り口から紅の炎が発火し、ネビロスを焼く。


火が消えるとネビロスは消えていく。俺が近付くとネビロスが言う。


「ふふ、あなたはとんでもない召喚師ですね…格闘戦もそうですが、まさか自身を囮に召喚獣たちのマークを外させるとは」


「お前が言ったんだろう? 俺は召喚師なんだよ」


「あなたのような奇想天外な召喚師はいないでしょう。どうやらこの私はここまでみたいですね。いい退屈しのぎになりました」


ん?この私はだと?


「…死霊の呪いは今だ解けてはいない。次に会うときはあなたの顔が恐怖と絶望に染まっているのを楽しみにしていますよ。クフフ」


そう言い残し、ネビロスは消えた。何も残さずに…あれ?解体とかしてないよ?


残さないものは仕方ない。肝心なのは変なフラグを残されたことだな。そしてまた会えるような言い方にこの私は発言。


現実のネビロスが相手だとまず俺たちに勝機はなかった。そう考えると本物じゃないとかそういうことだろうな。有名な悪魔に目を付けられるなんて最悪だな。


そんなことを考えているとレベルアップとインフォが流れる。


『職業中級召喚師のレベルが上がりました。仲間にできる召喚獣の数が2つ増えました』

『職業中級召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント2ptを獲得したした』

『格闘のレベルが5に到達しました。武技【フック】、【アッパー】を取得しました』

『召喚魔術【合成召喚】を取得しました』

『緊急クエスト『悪魔ネビロス』をクリアしました』

『ネームドデビルを初討伐しました。称号『名持ち悪魔の討伐者』を獲得しました』

『一部スキルが解放されました』


俺の残りスキルポイントは22pt。仲間に出来る召喚獣の数12になったのだが…


ちょっと待って!?新しい称号となんか新しいスキルが解放されたみたいなんですけど!?

いやそれよりも問題は合成召喚だ。これってなんだ!?


俺はパニック状態に陥った。


名前 タクト 中級召喚師Lv5→Lv7


生命力 39→41

魔力  78→82

筋力  29→30

防御力 19→20

俊敏性 25→26

器用値 55→57


スキル


格闘Lv3→Lv7 蹴り技Lv12 杖Lv16 片手剣Lv8 投擲Lv1→Lv3 召喚魔術Lv19→Lv20 

錬金Lv9 採掘Lv14 伐採Lv10 解体Lv19 鑑定Lv9 識別Lv15 風魔法Lv19 

火魔法Lv19 土魔法Lv19 水魔法Lv19 闇魔法Lv18 光魔法Lv22 雷魔法16 

爆魔法Lv15 木魔法Lv16 氷魔法Lv15 時空魔法Lv14 読書Lv5 

料理Lv20 餌付けLv6 釣りLv5 シンクロLv3→Lv4


名前 リリー ドラゴニュートLv23→Lv25


生命力 38

魔力  27→28

筋力  71→75

防御力 26

俊敏性 21

器用値 17→18


スキル


素手Lv6 片手剣Lv17 大剣Lv6 闘気Lv7 擬似竜化Lv3


名前 イオン ドラゴニュートLv23→Lv24


生命力 38

魔力  50→51

筋力  30

防御力 20

俊敏性 70→72

器用値 60→62


スキル


二刀流Lv17 投擲Lv1→Lv2 水中行動Lv5 水刃Lv9 擬似竜化Lv3


名前 セチア エルフLv21→Lv22


生命力 30

魔力  72→74

筋力  20→21

防御力 16

俊敏性 20

器用値 72→74


スキル


杖Lv9 弓Lv1→Lv2 木工Lv5 採取Lv8 調薬Lv5 風魔法Lv1 火魔法Lv1 水魔法Lv12 

土魔法Lv12 木魔法Lv12 樹魔法Lv4 エルフの知識Lv5 精霊召喚Lv2 


名前 恋火 セリアンビーストLv16→Lv18


生命力 36→38

魔力  30→32

筋力  33→35

防御力 20→21

俊敏性 34→38

器用値 25→26


スキル


刀Lv6→Lv7 炎魔法Lv3 狐火Lv2→Lv3 気配察知Lv6→Lv7 妖術Lv1


名前 グレイ グレーウルフLv13→Lv15


生命力 37→39

魔力  13→14

筋力  47→49

防御力 23→24

俊敏性 47→49

器用値 26→28


スキル


噛みつきLv15 気配察知Lv12→Lv13 夜目Lv10→Lv11 危険察知Lv9→Lv10 硬化の牙Lv11→Lv12



名持ち悪魔ネビロスとの戦闘回でした。やっとまともな悪役が登場する回でした。ネビロスは現実では降霊術師として有名で


ネビロスが取り出した本については後日書きます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を連載開始しました。
以下のリンク先で連載中です。


動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ