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Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~  作者: とんし
自由の国フリーティア
112/1718

#107 サトウキビクエストと砂糖作り

クエストを受けた俺たちの結果は--


「うわーん! 負けた~!」


惨敗、全方向から押し寄せる大量のボアに対処出来なかった。これは中々の無理ゲーだ。


「守るって、大変ですね」


「全くです。私たちの対処が間違っていたとは思えませんけど」


「だな…六人で守る以上、六人でそれぞれの方向を対処するべきだが、数が多すぎだったな…」


「はい…斬っても燃やしても、次々来て、対処出来ませんでした」


さて、どうするかな。精霊召喚は使えないし…切り札はリリーとイオンの疑似竜化だ。使うとしたらイオンだが、俺はそこである考えを思い付いた。


「…イオン。ドラゴンウェーブはこの辺りを呑み込めるよな?」


「え? 可能ですけど、そんなことしたらタクトさんたちも流されてしまいますよ?」


「そこは大丈夫だ。俺が何とかするからな」


セチアはそれだけで俺の意図を把握したみたいだ。


「タクト様…まさか」


「あぁ…全面から来るから対処が出来ないなら、片面からしかこれないようにするまでだ」


俺がそういうと疑問符を浮かべる二人。


「どういうこと?」


「わかりません…」


恋火はドラゴンウェーブを知らないからな。リリーは…リリーだから仕方無い…説明するか。


リベンジ。切り札を使う以上、ここで決める!作戦の要のイオンはイベントフィールドギリギリの位置で待機。作戦指示はシンクロがあるので、大丈夫だ。じゃあ、やるか。


ボアたちが押し寄せてくる。


「「アースウォール!」」


俺とセチアがアースウォールで自分達の周囲を囲む。これで準備完了。


『イオン、今だ!』


『はい! 疑似竜化、発動します!』


イオンが疑似竜化する。残念ながら俺達は土壁に囲まれて見ることは出来ない。


『竜技! ドラゴンウェーブ!』


イオンがそういうと波の音と共に土壁に衝撃が走る。緊張するが何とか大丈夫だったみたいだ。


『ドラゴンウェーブ、終わりました。アースウォール、解除して大丈夫です。後はお願いします』


『あぁ。よくやった。後は任せてくれ』


俺はアースウォールを解除する。そしてボアたちを見ると右側に集まっていた。左から来た波に流されたせいだ。


これが俺の考えた作戦。ボアたちは今、ドラゴンウェーブのダメージを受け、右側のフィールドの端に集まっている。すなわち魔法の的だ。


「サンダーブランチ!」

「スプラッシュ!」


俺とセチアの範囲魔法が炸裂。残ったのが来るがリリーと恋火、グレイが対処して、再び範囲魔法。これで勝負ありだ。残り僅かになり、リリーと恋火、グレイなら仕留められるだろう。ある程度倒してからグレイが力尽きたイオンを回収してきた。


「イオンお疲れ様。グレイもご苦労様」


「ガウ」


「何とかなったみたいで良かったです」


だな。グレイもボアを襲いにいった。これで磐石だろう。サトウキビゲットだ!


「タクト、終わったよー!」


リリーが最後のボアを仕留めたみたいだ。流石はボアハンターだな。


最初にボアばかり倒していたから俺の中でリリーはそういうイメージになっている。俺がサトウキビゲットに浮かれているとグレイと恋火の声が響いた。


「ガアァ!」

「まだです! 何か大きいのが来ます!」


何!?


「ブオォォォ!!」


グレイと恋火が意識するほうを見ると巨大な猪が現れた。識別する。


ボアリーダー?

クエストボス 討伐対象 ?


そうか…そうですか。俺にサトウキビを渡したくないか…いいだろう。何がなんでもゲットしてやる!


「リリー、疑似竜化使っていいぞ。あいつにレベルの違いを教えてやれ」


「任せて! タクト! 疑似竜化!」


光の柱が立ち上り、その中から疑似竜化したリリーが現れる。


「いっくよー!」


リリーとボアリーダーが正面から激突。いや、リリーがボアリーダーの動きを片手で止めていた。マジで?俺たちより遥かにでかい猪の突進を片手で止めちゃうの?というかリリーのやつ、出来るとわかってやったな。


「疑似竜化したら、リリーは強いんだよ!」


リリーがボアリーダーを空に放り投げた。そして空を飛び、必殺コンボを発動する。俺も準備する。


「闘気! からの~竜技、ドラゴンクロー!」


ボアリーダーに直撃。ボアリーダーは地面に叩きつけられたがHPは半分残っている。リリーは疑似竜化が解けようとしていた。だが、このスキルは魔力に依存する。ならばこんなことが出来る。


「エントラスト!」


俺の魔力がリリーに全部流れる。ぐ…ふらつく。この感じ、バイトのしすぎで倒れた時みたいだ。これで俺も魔力が無くなり何も出来ない。だがリリーの疑似竜化は継続されている。


「え? これ、タクトの魔力?」


「リリー! 決めろ!」


「う、うん! 任せて!」


リリーが空からボアリーダーに上段に振りかぶって斬りかかる。


「ドラゴンクロー!」


ボアリーダーに直撃。だが死なない。少し残った。落下ダメージ分、足りずに残った。だが、リリーの疑似竜化もまだ解除されていない。


「これでとどめ! ドラゴンクロー!」


リリーがボアリーダーの側面に回り、横薙ぎでボアリーダーをぶっ飛ばした。ボアリーダーのHPは全損して起き上がることはなかった。


クエストクリアを知らせるレベルアップのインフォが来た。


『職業中級召喚師のレベルが上がりました。仲間にできる召喚獣の数が1つ増えました』

『職業中級召喚師のレベルが上がりました。スキルポイント1ptを獲得しました』


俺の残りスキルポイントは20pt。仲間に出来る召喚獣の数10だ。

俺達は喜びあったがリリーにしたコンボの件はイオンとセチアを不機嫌にした。機会があればすると約束したので、二人は機嫌がなおったのだった。



クエストをクリアした俺達は動けるように回復してからおばあちゃんに報告する。


「ありがとねぇ。これが報酬ねぇ」


「ありがとうございます」


これでクエストクリア。サトウキビの苗が手に入った。


サトウキビ:レア4 食材アイテム 品位D

イネ科の植物で茎の髄を食べたり、汁を搾って飲んだりする。食べる以外にも用途がある。


早速、畑に植えに行くとしよう。


俺たちの畑は村の端にあった。村の教会の近くだ。そりゃ、新参者だから仕方無いよな。


畑の大きさは2坪およそ6.6平方メートル。畳だとおよそ4畳分だ。まぁ、最初でただの畑だ。これぐらいの畑だろう。


早速ユウナさんに教わりながら耕し、サトウキビの苗を植えようとしたところでに重要な事を忘れていた…俺、サトウキビ植えたことがない。それどころか耕し方あってるのか?


ユウナさんに聞いても当然知るわけがない。それどころかーー


「え? 土に植えるだけじゃないの?」


それはないと思うよ?だって料理でかなり手が込んでいる。農業で手抜きするとは思えない。


…詰んだ!なんてこった!なんて馬鹿野郎なんだ!こんな初歩的なミスをしでかすとは!


俺が落ち込んでいると救世主の声が聞こえた。


「あの…植物の事なら大体わかりますよ?」


セチアがそう発言した。マジか!救世主様!


というわけでセチア指導の元、サトウキビの苗を植えていく。水をやり、一段落。


「こっちもお願いします」


セチアにお願いするユウナさん。小さい女の子に野菜のことを教わるダメな人間が二人。なんとも情けない限りだ。


「畑仕事は大変だな」


「確かに植物の世話は大変です。ですが奥の手もあるんですよ?」


「奥の手?」


「はい。というかタクト様も使えますよ」


何?そんなの何かあったか?俺は少し考え、思い出した。使ったことが最初しかないから忘れていた。


木魔法のグロウだ。これは植物を成長させる魔法だ。即ち野菜も対象。というか野菜のためにある魔法だったんだろうな。早速セチアのグロウを使ってみる。


俺達の畑に緑の光が降り注ぐ。なかなか神秘的な光景だ。


緑の光が地面に吸い込まれていく。そしてサトウキビが一気に成長した。約3メートルまで成長し、ストップ。


魔法、すげー。そして木属性魔法のスキルがアップだ。これは畑をやっていると木属性魔法が急成長する予感がするな。


早速、セチアが採取し、念願のサトウキビが手に入った。やったぞ!これで砂糖を作れる!


俺は帰ろうとしたが、ルインさんたちを置いていくわけにはいかないと思ったがルインさんが時空魔法を覚えたらしいから問題ないらしい。


というわけでお店に戻り、砂糖作り。とはいえここからが大変なのだ。


まず竹のような固さのサトウキビの皮を剥かないといけない。何とか剥き終わると次はサトウキビを粉末化しないといけない。当然手作業で…


ぜぇ…ぜぇ…みじん切りで細かくしたものをお店にあったフキンで包んで絞る。


これはリリーにお願いした。一番、筋力あるからな。


「ぎゅ~~…ぎゅ~~…んん~~!」


おぉ!絞れてる。絞れてる。


リリーの頑張りで無事に砂糖の元になる原液をゲット。頑張ってくれたので、リリーは頭を撫でて誉めてあげる。


さて、この原液を魚醤で使ったろ過装置で不純物を取り除く。


最後に湯煎で水分を飛ばす。直火(じかび)だと早いが焦げるリスクが高いから時間はかかるが湯煎を選択した。


そして原液が結晶化していく。鑑定してみる。


きび砂糖:レア5 料理 品位D

効果:なし

サトウキビから作成した茶色い砂糖。ミネラルが多く含まれている。


よっしゃー!遂に砂糖誕生!しかし名前がきび砂糖になるのか…サトウキビから作られたからきび砂糖ではない。家庭にある上白糖もサトウキビから作られているものがある。


恐らく不純物やミネラルが残っているからきび砂糖にしているとは思うが…謎だな。


もし上白糖を作らなければならないなら専用の施設か何が必要になるだろう。詳しくは知らないが、そういう施設を作ることも出来るのかな?流石にそこまでは俺はしないからユウナさんに丸投げだな。


きび砂糖作りも現実ではもっと難しいはずだが、少しは優しい設定にしてくれたみたいだ。それでも時間はとんでもなくかかった。しかし量的に少なすぎると思ったところでインフォ。なんだ?


『食材の粉末化に成功しました。料理スキルに【粉末化】が追加されました』


な、何…粉末化だと?


俺はサトウキビに粉末化スキルを使うと一発できび砂糖が完成した。


スキル、すげー!きび砂糖生産しまくりじゃないか!そしてこの粉末化は色々な可能性があるな。真っ先に浮かんだのがカレー粉とだしの素。これは色々試さないとな!


しかし時間が夕飯時になっているので、ログアウトすることにした。次はじゃがいも、レタスを植えないとな。


名前 タクト 中級召喚師Lv4→Lv5


生命力 38→39

魔力  76→78

筋力  28→29

防御力 18→19

俊敏性 24→25

器用値 55


スキル


格闘Lv3 蹴り技Lv12 杖Lv15→Lv16 片手剣Lv8 投擲Lv1 召喚魔術Lv19 

錬金Lv9 採掘Lv14 伐採Lv10 解体Lv19 鑑定Lv9 識別Lv15 風魔法Lv19 

火魔法Lv19 土魔法Lv18→Lv19 水魔法Lv19 闇魔法Lv18 光魔法Lv22 

雷魔法Lv15→16 爆魔法Lv15 木魔法Lv15→Lv16 氷魔法Lv15 時空魔法Lv14 

読書Lv5 料理Lv20 餌付けLv6 釣りLv5 シンクロLv2→Lv3


名前 リリー ドラゴニュートLv22→Lv23


生命力 37→38

魔力  27

筋力  69→71

防御力 26

俊敏性 20→21

器用値 17


スキル


素手Lv6 片手剣Lv17 大剣Lv4→Lv6 闘気Lv6→Lv7 擬似竜化Lv1→Lv3


名前 イオン ドラゴニュートLv22→Lv23


生命力 37→38

魔力  49→50

筋力  30

防御力 20

俊敏性 68→70

器用値 58→60


スキル


二刀流Lv17 投擲Lv1 水中行動Lv5 水刃Lv9 擬似竜化Lv2→Lv3


名前 セチア エルフLv20→Lv21


生命力 30

魔力  70→72

筋力  20

防御力 15→16

俊敏性 20

器用値 70→72


スキル


杖Lv9 弓Lv1 木工Lv5 採取Lv8 調薬Lv5 風魔法Lv1 火魔法Lv1 水魔法Lv11→Lv12 

土魔法Lv11→Lv12 木魔法Lv11→Lv12 樹魔法Lv4 エルフの知識Lv5 精霊召喚Lv2 


名前 恋火 セリアンビーストLv14→Lv16


生命力 34→36

魔力  29→30

筋力  29→33

防御力 16→20

俊敏性 32→34

器用値 24→25


スキル


刀Lv5→Lv6 炎魔法Lv3 狐火Lv2 気配察知Lv5→Lv6 妖術Lv1


名前 グレイ グレーウルフLv11→Lv13


生命力 36→37

魔力  12→13

筋力  45→47

防御力 22→23

俊敏性 45→47

器用値 25→26


スキル


噛みつきLv15 気配察知Lv12 夜目Lv9→Lv10 危険察知Lv8→Lv9 硬化の牙Lv10→Lv11


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動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います
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