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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
88/130

<2>~俺達と黒服との戦い。~ (先生VS気弱)

 B4F、叶side。


「え、えと……。こういうときは自己紹介をしたほうがいいんじゃないでしょうか……? 僕は“DBYデイ・ビフォー・イェスタディ”って言うんです……」

 叶の前に現れたのはとても気の弱そうな黒服の男だった。


「へぇ。私は富士叶っていうの。よろしくね♪」

「は、はい……。でも、ここで倒されてもらうんですけどね」

 “DBY”は腰周りに八つの飾りのようなものを付けていた。

 それは剣のつばだけのものだった。

「それで何するの?」

「これは僕の武器……。僕の才能、“操鉄能力(メタル・アーティスト)”のね」

 その柄を持つと、そこから刃が飛び出した。


「メタル・アーティスト……? “発鉄能力(メタルメイカー)”みたいなものかしら」

「そんな陳腐な能力と一緒にしないことだね!!」

 “DBY”がその出来た剣を振りかぶった。

 その剣の長さから考えて、叶には決して届かないと思われたが――――――――――、


「危なっ!!」

 その剣が叶まで届いた。

 振りかぶられた剣はその途中でどんどん長さが伸びていっていたのだ。

 そして鞭のような柔らかさを見せて叶に向かった。

 それを叶はぎりぎりで避けた。


「舐めないでよね!」

 振り下ろしていた剣を右手に持ち、もう一つの柄を左手に持つと、今度は刃のようなものではなくレイピアのような鋭い剣先が生まれ、叶に向かった。

 それを紙一重で叶は避けると、“DBY”へ走っていった。


鉄壁メタル・シールド!!」

 “DBY”が手を前に出すと、鉄の壁が叶の目の前に現れた。

 いつの間にかあんなに長かった剣も無かったことになっていた。


「こんなもので、私を止められないよ♪」

 叶は左手で鉄壁に触れ、右手の掌底(手首より上の手のひら部分)を思い切り鉄壁にぶつけた。


「衝・撃!!」

 ドォンとまるで鋼鉄に攻撃したとは思えないような音が出ると、一瞬間を置いてから、鉄の壁が砕け散った。


「えっ!? そんな!!」

 “DBY”はその状況を見て非常に驚いていた。


「叶さん、あなたは肉体強化系の才能……?」

「そんなものじゃないわよ♪」

 叶はそのまま“DBY”に迫る。


「まだ、負けないよ!!」

 “DBY”は両腰から短剣を取り出し構えた。

「私の才能、“衝撃をあなたに(インパクト・ギヴァー)”はその名のとおり、衝撃を……、与える!!」

 叶は両手を一瞬だけ短剣に当たるか当たらないかまで近づけた。

 すると、一瞬間を置いてから剣が内部から砕け散った。


「……、まるで北斗○拳みたいな感じですか?」

「フフッ。否定できないのが残念ね」

 叶はそのまま両手で小さな球を描くように構えると、その中の空間が陽炎のように少し歪んで見える。

「それが、衝撃ですか?」

「ええ。わざわざ私の才能を教えてあげたんだから、少しは持ちこたえてね♪」

 するとかめ○め波のようにそれを打ち出した。

 

 しかし、何も起こらない。


「……? 何ですか?」

「別に~♪」

「……、あぁもう!! あなたの才能は衝撃なんですよね! なら、さっさと本気を出しておけばよかった」

 イライラしながらも、“DBY”はまたも両腰から二本ずつ取り出した。 

 そこから出た鉄は、まるで糸のような細さをしていた。


「“有私鉄尖”はここの地面が堅いから使えないんですよね。だからこそ、昔の――――――――」

 そこでその糸のような剣を愛でるように見た。


「血が騒ぐんですよ♪」

 “DBY”は何かの愉悦に浸っているような顔をする。

 叶はゾクリとした。

 その笑顔に。

 普通に生活していれば、こんな顔は出来ない。


「殺人鬼のね♪」

「……、♪は私の専売特許なんだけどなー」

 怖い。

 さっきまで謝っていた男とは違う。

 いや、隠していたんだろうか。

 叶は今までの男との変貌ぶりに恐怖していた。

 しらじらしい言葉しかでない。

「ぎーんの線にー、赤ーい筋ー♪」

 急に“DBY”が歌いだした。


「美しい花をー、赤い花をー♪」

 回りながらその細い糸を振る。

 もちろんそんなものに殺傷能力などない。

 それを無視して“DBY”へ叶は迫る。

 

 さっさとこいつを倒したい。


「怖いけど、考えなさすぎ――――――、って!!」

 “DBY”は愉悦に浸っていて、すぐそこまで迫っていた叶に気づかなかった。

「これでも!!」

 “DBY”は振っていなかった方の細い糸を叶に振る。

 が、もちろん攻撃力は皆無で、ほとんど無視された。 

「波っ!!」

 右の掌底が“DBY”に当たる。


「うわぁ!! ――――――――ってあれ? 痛くない?」

 だが、その掌底は“DBY”を決して攻撃することなく、本当に触れるくらいで止められている。


「わかんないけど、この距離は僕の範囲だよ?」

 “DBY”は両腕を交差させた。

「???」

 その行為が叶はよく分からなかったが、すぐに分かることになった。


「えっ!?」

 キュッと首が絞まる感覚がした。


「どう、僕の技は」

「さっきの……、糸……?」

 “DBY”はその鉄を操る能力で、右手と左手で振った別々の糸を繋ぎ長さを少しずつ元に戻した。

 そのわっかが叶についたのを見て、腕を交差させた。

 そうすることで首に糸が絡みついたのだ。


「このままゆっくりと締め上げるね♪」

 キリキリキリとだんだん鉄の糸が首を締め付けてくる。


「赤い花を咲かして欲しいな♪」

 このまま行けば叶の首は斬られてしまうだろう。



「油断は……、禁物よ……♪」

「喋ると切れちゃうよ……、って言う前に少し切れちゃったじゃないかー」

 のどを動かしたせいで少し斬れてしまっていた。


「一つだけ言わせてもらうとね……」

「よくこんな状況で喋れるね?」

「この範囲は私の領域でもあるのよ♪」

「……?」

 “DBY”は頭に?を浮かべていた。


 トンッと軽く叶は“DBY”のおなかの辺りを掌底で押す。

「だから、叶さん。君の攻撃は痛くないよ?」

「そう……、かしらね♪」

 フッと不敵に叶は笑った。


 その時。

「あれ……? 地震?」

 “DBY”は地震が起きたのかと思った。

 もちろん地震など起きていない。

 だが、体が揺れたかと思った。


「がふっ……!?」

 “DBY”は何の予兆もなく、吐血した。


「あなたはまだ気づいてないんだよね。私の才能に。術中に嵌っていることにも」

「……?」

 体が急にふらついて“DBY”は倒れこむ。

 糸は緩み叶は自由になる。


「私の才能は衝撃って言ったでしょ? 私の才能は相手に蓄積するの」

「ゴフッ!」

 また“DBY”は吐血する。


「この力、衝撃は相手の内部に蓄積するの。鉄壁に攻撃したときに壊れるのに一瞬間を置いたのはこのせい。蓄積してから効果が及ぶのに時間が掛かるの。この衝撃は与えてからある程度の物理的接触の後に発動するの。だから、この衝撃は物理的接触の力を倍加させたりも出来る。これで鉄壁を壊したんだけどね」

「なら……、あなたの攻撃が痛くなかったのは……」

「衝撃自体にはそこまで攻撃力は無い。今までの私の攻撃はすべて衝撃を与えるものだったから。最初の掌底も、衝撃を球にして飛ばしたときも、あなたが私のそばに(・ ・ ・ ・ ・)立っている(・ ・ ・ ・ ・)ときも(・ ・ ・)

「そば……?」

「私の才能の技。“絶対領域インパクト・フィールド”は、体の回りに衝撃を与える球を作り出すの。ほら、よくて見なさいな」

 ドンッと胸を張る叶。

 その周りをよく見てみると、景色が少し歪んで見える。

 

「この範囲に入っている間その対象の相手は私の衝撃を受け続けるの。だから、私の領域でもあるの」

「なっ……」

「じゃあ、これでフィニッシュになるのかしら」

 少し叶は腰を落とし、右の掌底を構えた。


 そして、ゴウとした勢いで手を振る。

 その手は“DBY”の頭の辺りを触れて止まっている。


「あ、さっき言ったけどさ。衝撃は攻撃力が無いっていったけど、衝撃も溜まり過ぎるといつか爆発してね」

「……?」

「もうそろそろね。はじけ飛ぶわよ? 衝撃崩壊(インパクトダウン)

 ブゥゥンと視界が思いっきり揺れて感じる。

「かっ!?」

 その瞬間、“DBY”皮膚が裂け、血が噴き出す。 

 そして倒れこんだ。


「返り血がついちゃったかー。生徒の前に出れないな」

 叶は自分の服を見ながら可愛くそう呟き、戦いを終わらせた。

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