「嫌いな食べ物ってなんで嫌いか言えなくない?」って話。
「ねえ、嫌いな食べ物ってさぁ、なんで嫌いか言えなくない?」
「……確かに。『なんで嫌いなの?』って聴かれても、「味がなんとなく」とか、「食感がなんとなく」とかしか答えられないわ。」
「ねー。だからと言って無理に食べようとしたらなんか無理で吐きそうになるし。なんか前履いたタイミングでさあ、消化直前の白玉が出てきてさあ。スッゲーグロかった。」
「あのさあ……」
「ん?どしたー?」
「食後のデザートにあんみつを食べている俺の前で言うなよ。汚いし。食欲失ったわ。」
「あ、やっぱり?」
「嫌がらせかよ。」
「嫌がらせだよ。」
「張り倒すぞ」
「怖いって」
「あ?」
「てかさあ、僕さあ、嫌いな食べ物が食べれるようになったわ。」
「何?パクチー食えるようになったの?」
「いや、そこら辺は全然無理なんだけど。ピーナッツがたべれるようになったんだよねー」
「ピーナッツ嫌いだったの?」
「なんか嫌いだったんだよね。アーモンドとかはむしろ好物寄りなのに。」
「なんか、めんどくさい舌してんな。お前。」
「ひどい!ってか「なんで食べれるようになったの?」って聞いてよ!!」
「めんど。」
「いいよ!!勝手に話すから!!!」
「どうぞ」
「なんかさあ、僕この前大学の友達と久しぶりに会って〜飲みに行ったのよ。」
「大学ってどこだっけ?」
「東洋大。でさぁ、お酒と共におつまみを食べるじゃん?」
「そやな。」
「で、おつまみを食べていてさあ、ふと気がついたのよ。『このおつまみピーナッツやん!』って」
「何?その時まで自分が何食べてたのか気にしてなかったの?アホじゃないの?」
「うるさいなぁ。でさぁ、全然気付いた後も食べれるようになっててー」
「酒で舌と頭がバカになってただけじゃないの?」
「そんなわけないって!」
「じゃあここにあるから食べてみてよ。」
「いいよ!」
同僚がピーナッツを手に取る。そしてそれを見つめ……
「……もう5分ぐらい経つんですけど。」
「なんか食べれない!なんで!?」
「やっぱ酒のせいだって!」
「違う!これは!新手の幽波紋使いか!?」
「俺とお前しかいないのに?」




