2章-44話 大会開催!?in陽輪村
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模擬戦や料理にリバーシ、そして狩り大会と大いに盛り上がった初秋。
そんな日々を過ごしていたルク達にも、お別れの時期がやってくる。
「ではなアシュレイ達よ、また会おう!」
「私の事師匠って呼んでもいいって言ってるのに!全くサフィアは」
「いつかリサナクでしたっけ?に絶対行きますからね!甘い食べ物いっぱい用意しててくださいね!」
「ニクも食べマス!」
「うん、ルク達も元気でね!王立学園の話考えておいてね?」
「ショートケーキを食べる時は気をつけた方がいいですよ?太りますから」
「サキさんが師匠はちょっと…………またお会いしましょうね?」
こうしてアシュレイ達は地元である辺境都市リサナクへと帰って行ったのであった。
冬になる前には絶対に一度帰ってこいと親や兄から言われているのである。
それに王立学園への入学は十五歳から。
後1年と少しで1番大事なゲームメインストーリーが始まる。
アシュレイにはその前に、どうしても果たさなければならない事がまだまだ山積みなのであった。
そしてルク達はと言うと…………。
この冬はこの村に残る事に決めてた!
少し足を伸ばせば強力な魔物のいる山々やまだまだ制覇しきれていない森達。
そしてなんと、冬の始め頃に村主催でリバーシ大会が開催される事になっていたのである!!
最強を決める戦いと聞いては引き下がる事など出来ないのだ!
「さて!宿に戻るぞ、今日こそリリをギャフンと言わせてやる!」
「ふふっ、私には勝てないですよ」
「リリ強すぎるのよ…………意味がわからないわ?」
「サキはちょっと弱すぎるデス」
陽輪村アルカ村長:オーンサイド
「ふむ…………。」
村長であるオーンは静かに頷いた。
ここ最近は驚く事の連発だった……。
嵐鳥ヴォルグリフォンが村近くの山に住み着いてしまい、長らく困っていたのも記憶に新しい。
しかし!
それ以上に驚く事が本当に多かった!
ヴォルグリフォン?——そんなのいたなぁ位には霞んでしまうくらいに…………。
まずワイバーンやグリフォンが巣を作る天陽連峰に登る馬鹿共が現れるとは思ってもいなかった……
思っても普通は大量のワイバーンとグリフォンを見たら帰るだろうに。
それなのにその者達は頂上まで到達したと言う
………………大量の落石を起こし、謎の巨大嵐を吹き荒らし周囲の岩々を吹き飛ばし、
ついでにグリフォンまで吹き飛ばし大量のグリフォンの素材や魔石が次々と冒険者から運ばれてきた時は腰が砕けるかと思った……。
いっそ『グリフォン大殺戮大嵐事件』として後世に語り継ぐ書物でも作るか?
いや、書いた所で誰も信じんか…………。
さらには森の主フォレストアースドラゴン…………。
誰がどう思ったらあの馬鹿でかいドラゴンを狩ろうという気になるのか誰か教えてくれ…………
あれって動く災害じゃないの?狩れるもんなの??
冒険者ギルドのギルド長に、
そんなの買取に出されてもそんな金ないからとワシに泣きつかれても、こっちだってない!!
知ったことか!!断ってしまえ!
そして村人中で御伽話で出てくる太陽と月の大精霊が夜な夜な村の宿で酒を飲んでいるなんて言う噂話まで広がり始めた……。
きっと村人も疲れているのだろう……ワシもなんか疲れた。
もうすぐ冬も来るしな……。
陽輪村アルカの人口およそ三百人程度、なのにも関わらず辺境の村としては異常なほど発展していた。
その理由は一つ。
大陸有数の巨大山脈―――天陽連峰があるからである。
危険な魔物が高ランク冒険者を呼び込み、希少な薬草が商人を呼び、貴重な鉱石を目指して鍛治師がやってくる!
そしていつしか村の規模は大きくなり、冒険者達の拠点として常に賑わっているのだ
しかし!冬だけは違う。
毎年必ず降る大雪によって身動きが取れなくなり、探索どころの話ではなくなってしまい冒険者達はより仕事の多い街へ移動してしまう。
するとどうなるか……宿屋は空き商店は暇になり村の活気は失われるのだ……。
毎年の悩みなのだ。
積み重なっていく雪をどかすのだって人ではいる、村の規模に対して村人の数が足りないのだ……
だがしかしもうそんな過去の事はどうでもいい
過去の冬の苦労話だろうが大量のグリフォンだろうがドラゴンだろうが!!!!
…………どうでも良い事にしよう、うん、それが良い。
それは現在アルカには確実に転換期が訪れているのだ!
ついに来たのだビッグウェーブが!!
たった数週間前に広まったばかりだというのに、今や宿屋でも酒場でも広場でも村人達は白と黒の盤を囲んでいる。
子供も大人も冒険者も商人も皆が夢中になっている遊戯がある!
リバーシである!!
とある冒険者が都市の遊びをこの村でも広めていったのだ!
「まさかここまで流行るとは……クックック」
故に決断した!ワシの一世一代の大勝負!!今しかないのじゃ!
第一回陽輪村アルカリバーシ最強決定戦を行う!
参加資格はただ一つ。
リバーシ盤を扱える者のみ!
年齢身分職業、一切不問。
優勝者にはワシがこれまでせっせっと貯めてきたヘソクリを全て出す!
さらに村公認『初代王者』の称号を与える!冒険者共は称号やら最強やらが大好きだからな!
そして恐らく今後も大会は続く、いや必ず続けてみせる!
ならば初代王者の価値は計り知れないだろう。
そして、村長の読みは当たる。
歴史の最初に名を刻む者!そんなカッコいい称号、誰だって欲しいではないか!
その座を求めて多くの冒険者達が今現在も村に居座りつづけ日々特訓に励んでいた!
冒険者はお祭り事が大好きなのである!…………ついでに言うとグリフォン大殺戮大嵐事件で懐が暖かいのだ!
「ふふふ……」
村長は笑う、これは村の未来を左右する祭りだ……否!村の命運を賭けた戦争である!!
絶対に成功させる!何としてでもだ!!
「総出で盛り上げるぞ!!」
『オオオーーー!!!!』
その日の夜、村長の号令と共に陽輪村アルカは冬最大の祭典へ向けて動き始めるのであった。
ここでリバーシについて説明しよう!!
リバーシとは今からおよそ何百年以上前に生み出された伝説的盤上遊戯である!!(現代日本から見て)
ルールは単純!
白と黒の石を盤上に置き、相手の石を挟んでひっくり返す!たったそれだけである!!
え?そんな単純なゲームが面白いのかって?
舐めてもらっては困るのである!
その単純さとは裏腹に奥深さは底なし!!
一手先を読む者は初心者!
五手先を読む者は中級者!
八手先を読む者は上級者!
十二手先を読む者は変態なのである!!
序盤は地味な陣取りから始まる
しかし!此処にも重大な駆け引きが存在する。
初手を間違えれば即敗北もあり得るのだ
そして中盤は熾烈な駆け引きとなり終盤は阿鼻叫喚の大逆転劇!!
「勝った!!」
と思った瞬間に盤面がひっくり返り、
「負けた!!」
と思った瞬間に逆転する!
戦場(盤)での熱い駆け引き、読み合い、そして迫力のある必殺技(??)での戦い!
それがリバーシ!!運だけでは勝てない超頭脳ゲームなのである!
だが実力者も油断すれば負ける!故に子供から大人まで全員が本気になれる
それがリバーシなのだ!
故に人は熱狂する。
故に人は昼夜を徹して盤を囲む!
仕事?そんなのは後にしろ!
そして今!陽輪村アルカは熱いリバーシの熱気に包まれていた!!
大会参加者は200名を超え、皆が優勝を目指し切磋琢磨していく。
そして参加メンバーも名のある者達が多い……
Aランク冒険者炎弓のボウを筆頭に
名高い高ランク冒険者多数参加!
アルカ村百戦錬磨ギルドマスター参戦!
さらに!
未来を読む者フォーチュンテラー(占い師のオババ)
研ぎ澄まされた超集中ブラッァァクスミス(鍛治師のオジジ)
どんな圧力にも動じないイン・ザ・メイド(宿屋の娘)
無限の体力ヴィレッジ・ボーイ(村の少年)
最強の頭脳!オールドハーバリスト(薬師の老婆)
までもが参戦を決める!
そして勿論忘れてはいけない一団がいる!
パーフェクト冒険者(自称)!全てを喰らうもの
スターイーター!ルク
見えた敵は塵も残さない最強の爆発使い
ボード•カタストロフサキ!
冷静沈着に全てを支配する
サイレント•ルーラー!リリ
その瞳には何が見えているのか?全ての掛け声がニク!
アイラブミート!レンカ
ルク達は苛烈な戦いを勝ち抜き優勝する事が出来るのか!?
最強の称号は一体誰の手に!?
今、アルカ村史上最も過酷(?)な大規模大会が幕を上げようとしていた!




