2章-42話 陽輪村と大精霊達
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陽輪村アルカにて。
季節は夏の終わりから少し秋に足を踏み入れた時期。
ルク達は精霊ダンジョンから帰ると今日までの2週間、新しく手に入れたスキルや装備、大精霊でできる事などを確認しながら狩りや実戦形式での模擬戦等を行っていた。
【精霊憑依:来なさい混沌の大精霊ルナスィラ】[タイムリミット30s]
リリがルナスィラを憑依させ、緊張した様子のルクに向かって剣を振り上げると。
――――――バゴォォォン
何故か魔法が暴発し、自身の足元で闇と光魔法による爆発が起こる。
『ちょっとぉ〜?リリちゃん力み過ぎよぉ〜?』
「………………ゲホッ、難しいです」【ヒール】
「精霊憑依は我もよく分からんからなぁ〜、アシュレイもあのジジイの憑依苦戦してるみたいだし」
ルクが少し離れた場所を見ると大きなクレーターを作りソルアルディアに正座で説教されてるアシュレイの姿があった。
「スパルタだな〜あのジジイ…………」
『あのジジイは昔からそうなのよぉ〜、私でよかったでしょぉ?』
「……………………少しは?」
リリはまだすこーしだけ切り刻まれた事を許して無かった!すこーーーしだけ。
因みにリリの魔剣レイピアはルナスィラと契約した事により本来の精霊剣の姿を取り戻した!
刀身は白と黒で半々、柄の部分は黒色である。
「なぁ?ルナスィラよ、天才である我は思ったのだが。わざわざ精霊憑依したくてもお主そこそこ強いだろう?召喚だけしたらそれで良いのではないか??」
『ダメよそれじゃぁ、今みたいにただ召喚されただけじゃ魔法の一発も放てないもの、肉体も透けてるし。助言くらいなら出来るけど戦力にはならないわねぇ?』
「使えない精霊ですね?」
『…………リリちゃんまだ怒ってるのぉ?可愛い〜。まぁ精霊憑依したら制限時間はあるけど私の力使いたい放題みたいなものだから頑張ってねぇ〜』
ルナスィラは実は結構お気楽な性格をしているのだった。
『それよりも〜?その魔短剣をリリちゃんに貸してあげて[あの化け物]の動きを訓練させた方が効率的には上よ?』
「ハーハッハッハ!ヴァルガは怒りっぽいがいいやつなのだぞ!……そうして見たいのは山々なんだがなぁ。完全にエネルギー切れでうんともすんとも言わんのだ!」
「薄らとした記憶ですが、あの暗黒剣は確かに凄まじかったです。もう一度やれるならお願いしたいですね」
「魔短剣にまたエネルギーが貯まれば、何とかしてくれるだろう!それまで待ちだな!」
……魔短剣は実に苦労人――いや、苦労剣としての地位を獲得しつつあった。
そして模擬戦をしているもう1組の方は…………。
サキ&イグニスペアVSレンカ&サフィアペアで行われていた。
サキは初級魔法のみ、レンカは属性纒装禁止、イグニスも焔技禁止ルールである。
それでもまだサキとサフィアには明確な実力差があり、
【ウィンドアロー&アイスアロー×20】
「それを〜展開!対空!追尾ショット!」
「負けないデス!!」
サキが魔法を放つと同時にレンカがサキに向かって走り出す!
多少のダメージを受けてでも強引に突破しないとマズイと野生の勘が告げていた。
しかし
「レンカ殿の相手は私だ!」
イグニスがレンカの前に達はばかり足止めをし、
その隙に
「ひっ!ヒィイ」【アイスウォール】
サフィアを狙った魔法矢が次々と襲いかかる…………。
結局
サキによる魔法が何十発も同時に放たれ、しかも放たれた後曲がったり上空でくるくる滞在してから突如降って来たりと変幻自在な魔力操作によりサフィアが真っ先に脱落。
その後2人で完全にレンカを抑え込事でサキ・イグニスチームの圧勝で終わった…………。
「ハーハッハーまだまだねサフィアは!もっとバーンってやってシュパーンって曲げるのよ!?」
いつだったかそれをルクから聞いた時は、そんなんじゃ分からないと言ってた時の事など、嫌な記憶と一緒に爆発させて塵に変えたサキである。
「それが出来たら苦労しません!!何で魔法が曲がるんですか!?」
「レンカ殿は魔法コントロールも上手いですね、やはり私も魔法の訓練をもっと増やした方が良さそうですね」
「お婆直伝デス!基礎を怠けちゃいけないんデス!」
そうして日中は狩りと訓練、夕方が近づいてくると宿の中で7人が集まって真剣な表情で木で作られた複数の盤を囲んでた。
「ふっ!完全に見極めた!ココダァだー必殺5枚返しィィィ」
ルクが黒く塗られた木のコマを置くと白のコマを5つ返し黒に変える。
「………………では此処をもらいますね」
リリが冷静に盤の角に白いコマを置き1枚の黒いコマをひっくり返し白に変える。
数分後………………。
「……………………」
リリは静かに微笑み。
盤上には圧倒的な差が広がっていた。
ルク(黒20)リリ(白44)
ルクの完敗である。
実は、休憩中にアシュレイが金策で流行らせたリバーシゲームにルク達もしっかりとどハマりしていた。
人生初の娯楽である、そりゃハマるのである!
因みにアシュレイ達は行く村や街でしっかりとリバーシを宣伝し今では商業ギルドに販売を委託、かなりの金額を稼いでいたりするのだが、それはまた別のお話である。
「何故勝てないのだァァァ!!!10連敗だと?この我が!!??」
「ルクは真っ直ぐで読みやすいんです。もっと先の事も考えないと…………」
その隣でも
「待って!何で私のおける場所をなくす様に打つの??卑怯じゃない!!私の番来ないじゃない?」
「サキはわかりやすいデス〜」
「……イグニス…………強くない??」
「そうですか? アシュレイ殿が弱いだけでは?」
「………………………………そうですか」
前衛の観察力と先読みは伊達ではなかった……。
ここまでルク達に振り回され続けてきた経験が生きているのである。
そしてアシュレイはもう少し頑張って欲しい………………。
そんな中完全に保護者気分で観戦をしている者が2人(体)…………。
『やっぱりウチのリリちゃんは最強ね〜、自分で考えておいてあっさり負ける人とは大違いねぇ。フフフ』
『フォッフォ黙れ小娘が、そもそもアシュレイ意外はちょっと待ったありでの試合であろう、土俵を同じにしてから言え土俵を!』
『なになに〜ジジイ、そんなムキになって〜。そんなんだからずっと契約する人が現れなかったのよ〜』
『ああん??それはお前も同じであろうが!!そもそもあのダンジョンに来る者自体全然いなかったのじゃ!しょうがないじゃろ?』
『私はそもそも契約するきがぁ〜なかったんですぅ〜(怒)』
『(怒)、よーーくわかった!よしアシュレイよ明日は狩りだ!狩対決じゃ!』
『よし!乗ったわ!!頑張るのよリリちゃん、あんなオツムの悪い男どもに負けちゃダメよぉ〜?』
………………完全に酔っ払いのダル絡みだった、酒飲んでないのに。
実はソルアルディアとルナスィラは寂しかったのだ!本当に少しだけ。
昔々、大精霊である2人はその強大な力から契約を望む者が多くいすぎた。
そこで到達が難しい山脈の頂上に固有結界を貼り選別の為の隠し要素も考えた…………。
しかし!ダンジョンを作ってから500年!ルク達以外に現れたパーティーはたったの1組である!
しかもそのパーティーも隠し要素を少ししか解く事が出来ず、サラマンダーの精霊と契約して帰っていったのである!
そんな事がありせっかく契約したんだしと、アシュレイとリリにとても甘い、
…………というか完全に過保護になっているのである。
「ムム!?確かにリリが強いのは認めるが1番は我だぞ? だが!狩りはやろう!絶対やろう、頑張るぞリリよ」
「そうね!確かにリリは強いけど、それよりもちょっぴりだけ私の方が強いんだからね??そこは覚えておいて貰わないと困るわ?」
「…………一回でもリバーシで勝ってから言ってもらえます?? もう3手前まで戻る無しにしますよ?そんなこと言うなら」
「まぁ狩りは賛成ですけど、お肉はいくらあっても困りません!」
「「………………すいませんでした」」
「あの〜、別に僕が狩り出る必要なくない?精霊憑依の練習していたいんだけど?」
『ほぉ?アシュレイ、まさか吾輩の言葉を無視すると?』
「…………やらせて頂きます、はい。」
「ルナスィラ?今度勝手に決めたら食べ物に魔力流してあげませんからね??」
『な!!??り、リリちゃん? 何でそんな酷いこというの!!?? 私泣いちゃうよ、私もプリン食べたいのよォ〜』
普通の精霊たら人に触れることは愚か物にすら触れることは出来ないのだが、流石は大精霊。
契約者が魔力を流した物なら触れるし食べる事も出来たのである…………。
因みにルナスィラがプリンを食べた時は、この世の物とは思えない美味しさに天に登りかけたのだと言う。
こうして狩対決の開催が決定されたのだった。




