2章-61話 王都での激闘!? VS白銀の守護
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場所は変わって王都の城門を潜ってすぐの場所にある警備員待機場脇の訓練場にて
白銀の守護4名と新魔団4名は向かい合っていた。
因みにこれは城門前で暴れられてはたまったもんではない警備員が何とか嗜めた結果である。
……因みにノクトは遠い目をして隅っこで気配を消していた……。
「ルールは簡単だ、負けを認めるかこの線から出た者の敗北とする。回復薬もあるしヒールも使える、ケガの心配はしなくてもいいよ。」
「…………え〜と?本当にやるんですね??」
警備員が困ったように確認するとキテツが頷く。
「あぁ、すまないね迷惑をかけて。しかし少しでも違和感を残しておくと後々面倒になるんでね?」
「…………どう見てもただの子供にしか見えないんですが、聖騎士の称号をもつSランク様が相手をしないといけないのでしょうか?」
「私と同じ聖騎士の称号を持ってるんですね?ちょっと興味があります……私がこの人の相手をしても?」
「ウム、いい経験になりそうだし行ってこい!ハーハッハッハ」
(……何を言っているんだろう?この子供達は。)
そう白銀の守護メンバーは思った。
聖騎士の称号とは戦士の称号を鍛え騎士になり、さらに騎士の称号の高みにある最上級の称号と呼ばれている物である……。
それをこんな子供が…………?
「お嬢ちゃん?だめよ、嘘ついちゃ?」
「リリが嘘なんかつくわけないじゃない!おばさん!それより私の相手は誰??」
「…………おばっ、私はまだ30代よ!!貴女格好からして魔法使いですわね?いいですわ魔の研究者の称号をもつこの私が相手してあげます」
完全にプチッときれた魔法使いの女性、リーラがサキを血眼になった目で睨みつける!女性の事を決しておばさんと呼んではいけない!決して!!
「魔の研究者〜?残念ね私は魔の真理者の称号持ちよ!おばさんなのにまだまだね!ハーハッハッハ!!」
「フフフフフフフフフフフフフフ、またそんな嘘を……絶対許さない…………」
「どうする?俺も出たほうがいいか?」
武道家の男がキテツに確認すると…。
「いや、キウとソーテは一旦待機でいい。ここは私とリーラでやる。流石に拳に属性を付与できるキウまで出たらすぐ終わってしまうだろうしね?」
「…………?拳にしか属性を付与出来ないデス??なんか弱そうデスネ!」
(……………………………ほぉ?)
「俺もでる……いいな?」
「はぁ、わかったよ。どうやらこの子達はハッタリがうまいらしい。大人を揶揄うとどうなるかしっかり教えてあげるのもSランク冒険者としての務めだろう」
「フム!では我の相手はお主か!ハーハッハッハ」
残った聖職者相手にルクがドヤ顔を決める!
魔王時代に戦った事のある聖職者は中々強かった!
いくらダメージを与えても自分で回復しまた突っ込んでくるのだ!中々楽しめそうだなと心の中で思っていると……。
「……いえ、私は回復専門ですので戦いませんよ?」
(…………………………?)
「え?…………自分に回復魔法かけながら殴ってくるのではないのか?」
「……は?そんな事出来るわけないじゃないですか?」
「ほ、本当に??」
「当たり前でしょう?」
…………ガクゥゥゥ。
ルクは完全に絶望し項垂れるのであった……。
「また、我だけ仲間はずれなのか……」
そして唐突に始まった白銀の守護VS新魔団の試合!
「ならば実況は最強である我がやってやろう!ハーハッハッハ!」
…………此処にはもう誰も突っ込む者はいなかった!
「ホォホォ?あの聖騎士がやはり1番強そうだな!魔盾に魔剣、それにあの鎧にも何か付与魔法がついているな!」
キテツが魔盾を展開すると自身の体を覆うほどの大きな盾が展開され、さらに悪を滅ぼす光のオーラを纏った剣を構える。
対してリリは、自然体でルナスィラの力を宿した精霊剣を展開し様子を伺う。
「フッ、聖騎士の称号を持っているのに盾を装備してない??やはりハッタリだったか……聖騎士を騙るとは恥を知れ!」
【アクティブスキル:シールドストライク!】
キテツが盾を前に出すと、盾の大きさの衝撃波が放たれリリを襲う!
しかし!
パキィィーン!!
【パリィ】
ただ真っ直ぐ飛んでくるだけの衝撃波など今のリリには全く効かず、簡単にパーフェクトパリィされてしまう。
「…………は??…」
(い、今剣で衝撃波をパーフェクトパリィしなかったか?この娘…………)
(い、いや!見間違いだ!そんな芸当出来るわけない!!)
「どうやら女の子だと自然と手を抜いてしまっていたらしい……私とした事が。今度は本気で行くぞ!!」
【シャイニングブレード!!】
今度は光を宿す魔剣を振りかざし光の斬撃を飛ばす……
だが!しかーーし!
【パリィ】
その光斬撃をパーフェクトパリィし光の閃光が空へと打ち上がった。
「………………攻撃は苦手ですか??」
もうおしまいかと?を浮かべるリリに対し動揺が隠せないキテツ……。
「…………はぇ???」
「フム!正統派の聖騎士というやつだな!守り特化だな奴は!ハーハッハッハ、キテツ対リリは膠着状態になりそうだな!」
攻撃は大した事ない??キテツだったが、防御面は流石に固く、リリの攻撃をことごとく大楯で弾いてみせた。
「…………大きい盾に全身鎧ですか、厄介ですね」
「……それはお互い様だよ、私の攻撃が一切通用しないんだからね……」
中々玄人向けの試合になった聖騎士バトルの傍では一方的な魔法戦が繰り広げられていた!
「ほらほら!もう少し本気出さないとつまらないわよ??おばさん!!!!」
【ファイアアロー&ウィンドアロー×10!】
サキが魔の矢を展開しリーラの頭上をクルクルと旋回させるとそれを中級魔法を連発して吹き飛ばす。
「くっ——またそれ!?何で魔法が曲がったり旋回したり出来るんですの!?」
【ファイアショックウェーブ】
【ファイアショックウェーブ!!】
「フーッフーッ!!もう!キリがない!何なのよこの子!」
「あれあれぇ〜もう疲れちゃったの?私初級魔法しか撃ってないから全然平気ですけど?」
「クッ、……いいわ本当は大人気ないから使わなかったけど見せてあげる?伝説の上級魔法を!!私を怒らせた事を後悔することね!!」
【来たれ灼熱の業火よ!敵を包み込み全てを燃やし尽くせ!スペルマジック:ファイアストーム!!】
「………………伝説??」
リーラがファイアストームを発動すると首を傾げたサキが水の上級魔法で応戦する。
【スペルマジック:ウォータースパイラル!】
「へ??嘘嘘嘘、嘘でしょーー??ブッハァァァ」
火の渦が水の渦に飲み込まれ水の余波がリーラを襲う……。
そう、この世界では魔法やスキルは書を使うか誰かから教わるかしないと手に入れる事は出来ず、さらに魔法適切もなければいけない……。
そして上級魔法を扱える者はごく一握りなわけであり、上級魔法を扱えるだけでかなり凄いのだ!
…………何処かの元魔王が、何でもかんでも教えてくれる環境にいる者には絶対わからないであろうが……。
「…………本当にSランクなのか?あの魔法使いは??我の知ってる魔法使いとなんか違うな??」
今更すこーーしだけ違和感を感じたルクであった!
300年以上前を生きていたルクはここにきて、初めて違和感を持った!
……しかし、そんな違和感はレンカ達の見応えのある戦いを見て、すぐに宇宙の彼方に放り投げられるのであった。
「ほぉ?武術家対レンカは中々面白いな!いいぞ!もっとやるがいい!ハーハッハッハ」
拳に風属性を纏わせ身体強化スキルで体を強化し、磨き上げられた武術で戦うキウに対し、体全体を風で覆い爆発的に上がったスピードで攻め続けるレンカ!
「はぁはぁ、クッ攻撃が当たらないデス!」
【ラッシュ】
「フッーフッー、そんな攻撃当たったら死んでしまうだろうが!!ウオオオー!!」
【アクティブスキル武術:風捌き!】
一撃一撃が必殺の槍を巧みな体捌きで何とか捌き続けるキウ!
MPに限界があり焦りが募るレンカと、一撃でも喰らえば敗北必死の極限状態にあるキウ……。
まさに一心一体の攻防が繰り広げられていた!
「ハーハッハッハ、まだまだレンカの技は未熟な部分があるからな!それにしてもあやつの武術中々やるな?」
(…………なるほどな)
リリの攻撃を防ぎながらも、キテツは辺りを見渡すと敗北を察する……。
リーラが敗北した時点で火力での敗北を意味するのだ、これが戦場ならサキが他に加勢した瞬間終わりなのである……。
しかし!キテツにもSランクというプライドがあった!
本当は奥の手は見せたくない。
だがここで敗北を認めてしまってはプライドが許さないのだ!
「ふぅ、驚いたよ。君達は本当に強いらしい……」
「?……では負けを認めると?」
キテツは首を振り戯けた態度を見せた。
「……いや?それとこれとは話は別だ!構えろリリ君。私の奥の手を受けてみるがいい!」
キリッとキテツの雰囲気が変わりリリも身構える。
するとキテツの奥の手である必殺の技を発動させる!
「行くぞ!!」
【アクティブスキル聖騎士:キャッスルフォートレス!】
キテツの盾が地面に深く突き刺さると白銀の守護メンバーを守るように巨大な城が出現!
そして周囲全体を包み込むように巨大な衝撃波がリリ達を襲う!
「クッ!これはっ——サキ姉!」
「流石にやばすぎるわね?レンカ来なさい!」
「ちょっとまだ自身無いデス!制御任せるデス!」
「「【スペルマジック:ストームシールド】」」
リリとレンカが風魔法を発動!それをサキの魔力制御により融合!
【アビスストームシールド!!】
その生成された闇嵐の巨大な盾をリリが操り……
【パリィ!!】
巨大な衝撃波と激突する!
凄まじい衝撃がリリ達に襲い掛かりリリ達の足が地面を削りながら後退していく!
「くッウゥゥゥゥッッッ!!」
ズザザザザザッッ!!
「負け………るかぁぁ!やぁぁぁぁ!!!!」
【パリィーーー!!】
ズドーーーンと大きな音を立てつつ衝撃波を何とか受け切り反撃しようとサキが杖を構えるも、それよりも先にキテツが手を上げて見せた。
「凄いね……回復薬を用意してたんだけどな?」
「あら?あたりまえでしょう?リリだもの!」
えへんっと何故かサキが胸を張りキテツの態度に勝利を確信する!
「でも、この勝負は私達の勝ちだね?」
「…………?何を言ってるんです??」
「そうよ!まだまだ勝負はついてないわ??」
「いや?最初に言ったよね。どちらかが負けを認めるかこの範囲から出たら終わりだと……君たちの立ってる場所を見てみるといい……」
言われて足元をみると…………。
「「「あっ………………」」」
こうして唐突に始まった試合は終わりを迎えるのであった……。




