第十八回:不意の出来事
「それがしは己の弟子を推挙することを、疑うに足らぬことと思うておる。」
安子と高旭は、ほぼ二人に目を釘付けにしておった。
もし見えるものならば、今頃その額には大きな疑問符が浮かび上がっていたであろう。
「よかろう。今はここまでにしておく。」彼はまだ満足していないことは明らかであった。
「これはまだ始まりに過ぎぬ。」
言い終えると、彼は身を翻して立ち去り、同時に書吏に片付けるよう合図した。
敷居を跨ぐ前に、なお一言残すことを忘れなかった。
「急くことはない。この件、まだ終わっておらぬぞ。」
巳の刻。
「先輩、お吸い物が少し塩辛うございます。」孔雀は口をすぼめ、顔をしかめた。
「これくらいが丁度よい。塩辛くはない。」
彼は大根を薄切りにしておった。大根はやや白濁しておったが、清々しい香りを漂わせていた。高旭は一切れ箸で挟み、彼女の口元へと差し出した。
「お嬢様、お試しあれ。いかがにございますか?」
孔雀はやや身を乗り出し、口を開けて受け取った。大根の切れは柔らかく甘く、ちょうど煮え頃で口の中に溶けていった。
「小女めにはよろしゅうございます、煮崩れてもおらず…」彼女は噛みながら言った。
「飲み込んでから申せ。」
孔雀の顔はたちまち熟れた柿のごとく赤く染まった。彼女は頭を下げ、慌てて飲み込んだ。
「……先輩、もうお済みになりましたか、早うなさいませ…」
「どこへ参るのだ?」
「花の間へに決まっておりましょう、先輩?」
「楊太医と安子はそこで食事をしておる。」
「それが何か?」
「……お嬢様は本当に、あのお二方と共に食事をするとお思いなのですか?」高旭はわずかに眉を上げた。
「……今のは忘れてくださいませ。」
昼餉を終えた後、二人連れ立って仲源の部屋へと上がった。ちょうどその折、下男が使い終えた膳を運び出していた。
高旭と孔雀が入ると、二人の太医はすでにそこにおった。
孔雀はまだ先刻のことが胸に引っかかっておったため、小声で尋ねた。
「楊大人……先ほどの件は……」
「ただの気まぐれよ。」楊太医は彼女を見向きもせずに答えた。
「は?」
「かくも聡い弟子を持つとは、悪くはあるまい。」
彼女はわずかに顔を右へ向け、あまり見せたくない表情を隠した。
「この老いぼれめ……」彼女の口の端がひくりと動いた。
「静かにせよ。大人はずいぶん持ち直されたようじゃ。」安子が口を挟んだ。
彼は床の傍らに腰を下ろし、手を伸ばして仲源の額に置き、熱を診た。
すべては我らが予測した通りであった。
「彼らはもはや太医院を信ずることができなくなっておる。」安子は静かに言った。
「当然のことよ。虎骨の一件の後、あれこれ言われるのも無理はない。」楊太医が答えた。
孔雀は手を上げて空咳をした。
彼女は意図的に話を逸らそうと口を開いた。
「仲公子は……まだ……」
しかしそこで、何を続けて問えばよいのかわからなくなった。
「お嬢様は今日、随分と気にかけておられるのですね。」高旭がからかった。
孔雀はぎくりとして、すぐさま言い返した。
「小女め……!」
言葉がまだ終わらぬうちに。
楊太医はすでに口の端を持ち上げ、ゆったりと床の傍へと歩み寄り、嘲るように言った。
「まこと、蛭が鶴の足に縋り、雲が龍の首にまといつくようなものよ。」
孔雀はそれを聞いて歯を食いしばり、顔を暗く曇らせた。
「待っておれ……もし拠り所があったなら……」
その思いがまだ形になり切らぬうちに。
後ろから一つの手が伸びてきて、横から彼女の口を塞いだ。
高旭が背後に立ち、素早く動いていた。
孔雀は眉をひそめ、彼の手を引き下ろした。
「小女は……何もするつもりはございませんでした。」
高旭は眉を上げた。
「ならば、それがしが先に用心しておく必要があるというものよ。」




