洞窟は危険が・・・いっぱい・・・?
昨日、この世界の住人と言っていいのか分かりませんが一応住人(?)との初めての交流をやっと出来た如月 悠です。
魚との会話でしたが、とりあえず村?集落?なんというか、まぁ人が住む場所がやっと分かりました。ただ危うくゴブリンの村に案内されていたので本当に危なかったですが・・・あれ?ゴブリンじゃなくてオークだったかな?うん、まぁ・・・どっちでも魔物の村には変わらないですが。
やっと分かった村には直ぐにでも行きたいが何があるか分からないし準備は大事だと思うんだよね。だからまずはしっかりと用意しようと家でじっくりと厳選しながら装備や道具などをバックに詰めていく。売り物になりそうな物も詰め込んで準備万端で遠足気分・・・ピクニック気分の方が近いかな?そんな気持ちでやって来ました!
まさに洞窟!!ゲームとかにありそうな完璧な見た目!!トンネルとかではないちゃんとした洞窟!!(他の人が聞いたらちゃんとした洞窟とかの概念って何やねんって言いたいだろう)
えっ?朱華と芽愛はお留守です。何があるか分からないから食料とかを置いてお留守をしてもらってます。なのでお1人様ですが・・・何か?・・・ちょっとブルーになったじゃんっ!!
「・・・意気揚々ときたのに・・・意気消沈・・・儚い心の時間だったなぁ・・・」
テンションが上がっていたのにズンズンと洞窟を進むとテンションはドンドン下がっていく。ジェットコースターの最高地からの急落下くらいには落ちてるね・・・勝手に期待してイメージが違う、裏切り行為だ!詐欺だ!と落ち込みと理不尽な怒りを沸々と巻き起こしているという自分勝手な行為の悠が八つ当たりで魔物や魔獣を攻撃しながら進む。八つ当たりされる魔物や魔獣はいくら有害であっても対象が八つ当たりだと可哀想に思えてくるから不思議だ。
「出てくるのがゴブリンやコボルトばっかで厭きてきた」
八つ当たりでやりたい放題でやってのこのセリフは子供の様であるが出てくる魔物は同じものばかりで代わり映えしないので変化がないので飽きてきても仕方ないのだが・・・厭きてきたというのが、悠にとってつまらなくて仕方ないという表れかもしれない・・・補足ではあるが悠が言っているコボルトは前に調べたらドイツ語と英語の読みの違いとか書いてあったけどここでは読み方の違いとかではなくゲームなどで登場する小柄で犬のような体毛で覆われている人形の二足歩行の生物である。
「・・・宝箱どこにも無い・・・」
そう悠がテンションが下がりマイナスに向かっているのはどこにも宝箱がなく出てくる魔物は2種類のみで変化がなくて飽きるし洞窟もなんかトンネルでよくね?ってくらいに数回階段を下りてから魔物が何匹か出てきて倒すと階段出現を繰り返して今は上り始めているので折り返している・・・と思いたいが・・・飽きてきたので早く外に出たい。見た目が完璧な洞窟だっただけに期待が大きかったのがほぼ一本道の洞窟風トンネルだったのだ。
「・・・嘘だろ?」
悠の目の前には大きな部屋のど真ん中にドンと鎮座するモンスターがいた・・・さっきまでの魔物とは比べ物にならないくらいの化け物・・・まさにモンスターがいたのだ・・・このモンスターは塒を巻くコブラのような頭の蛇と、その後ろに真っ白な蛇が同じように塒を巻いているがその中心にはバスケットボール位の大きさ丸い物が見えるので卵を守っているようだ。
「蛇・・・でかいな・・・これって・・・大蛇?」
そう大きさは大蛇という名に相応しい大きさ。体長約10メートル目測なので正確ではないが・・・大蛇という名には相応しい風貌だが納得は出来ても理解がは出来ない。言葉がおかしくても今の俺の現状を示している。
塒を巻くコブラの方がじっと観察をすると巻いてる体が何層にもなってるわ、太いっわ、シューシューいって舌を出し入れしてるわ、完全に目はこっちを見てるんだけど・・・これって回れ後ろもしくは右向け右またはこのままバックオーライをしたら見逃してくれるかな?
・・・回れ右じゃね?ってツッコミ今はいらないからっ!
・・・右向け右は真横だから逃げれないって?知ってるよ!!
あと無理じゃね?って声も聞こえてるよっ!
分かってるけど現場にいる俺の判断は、これ死亡フラッグが元気よく上昇中で風を受けてバタバタ音をたてて立っているって事だけがハッキリと分かってるよっ!そう!お髭のキャラクターがゴールしそうな勢いで!しかももしそれがゴルフのグリーンならそのフラッグめがけてフルスイングで打たれたボールがホールインワンってくらいにドンピシャなのがすっごく怖いんだけどっ!?言ってる事が意味不明で分からないって?安心しろ俺にも分かっていないからっ!
「この状況って戦わないって選択肢はないんだろうけど、話し合いって方法ってないだよね?」
異世界って事は実は蛇も喋れますとかあったらこの問題も解決しないかな??でもさっきからすっげ~気になってるのはこっちを見ている蛇が舌を出し入れしつつ顔をめっちゃ舐めてるんだよね・・・まるで御馳走を前にした動物のように・・・えっ?アウト?アウトなの!?嘘でしょっ!?嘘って言って!!
ーーー シャ~~ ーーー
待ちきれなくなった大蛇はこちらに向かって大きな口を開けて威嚇してきた。食べる気満々、殺る気も満々、準備も万端の3拍子揃ってしまいました・・・俺としては見逃して欲しかった。
「気合いを入れないと負けるな。遠距離の魔法って何かあるか?というか弱点ってあるのか??蛇・・・蛇・・・蛇といえば・・・冬眠??寒さに弱かったりして?」
思い浮かんだのが冬眠というキーワードだけなのはなんとも情けないがそれしか思い付かないなら何とかするしかない。
ここでお披露目されるのが開発した新しい武器。男のロマンというか憧れ?拳銃。えっ?憧れるよね??
だけどここまできてただの拳銃じゃ・・・芸がない。ここで俺は力の限り、全てを注ぎ、注ぎ込み過ぎな程に頑張った作ったのはアニメやゲームなどの影響を受けまくったものだった。そこで活躍したのは【便利箱】なのだがこれが結構難航はした。材料はあったけど製作に上手くいかなくて何度も失敗しやっと完成したのだ。
全体の大きさは20cm位でシリンダーがある。ここまでは普通だけど拳銃の弾に自分で魔法の効果が入れられる。握って魔法を込めるとか、魔方陣に置いて一気に込めるとか・・・うん、ここまでどっかで見たとか聞いたとか言われるよね・・・でもこれだけじゃない!
弾以外にも面白さが欲しくてやったんだけど丸いコインの型の魔法や補助効果のコインを入れる場所にSDカード型の魔法や補助魔法などを入れると効果が2倍3倍に・・・え?その効果要らなくね?っていやいや同じものじゃなくてもいいし、弾に魔法入れてる余裕がない時には便利だし?へ?だったらどっちかで良かった?・・・そうだけどそうじゃないんだよっ!ここはこだわりを出さないといけないところだったんだ!
そんなこだわり満載の傑作の武器で挑むこの戦いはかなりのハードだった。まず近づけないのに相手は広範囲に攻撃が可能だしどうやってるんだか攻撃魔法の効果が発揮された弾には当たらない。物理的な普通の弾は5発打って1発当たれば良い方でしかもダメージはほぼないとはこれが世に言う打つ手なしって感じかなとか考えられる自分は余裕だと思っていた。
ナイフを投げてもカキンッと高い音を出して弾かれるので全然当たってもダメージは与えられず寧ろ怒りのメーターを上げるだけで全然効果はない。接近された時に剣で切りつけたら剣がかけて刃こぼれが出来るくらいには硬かったが刃こぼれが出来てもナイフよりは攻撃力があったので打撃のような衝撃があったのか一瞬だけ体が震えすぐに傍から離れたがダメージとしては全く効果はなかったようだ。
ーーー ブン ズドン ーーー
尻尾を振り回し放たれた振動と共に来る衝撃波。思いっきり真正面から受け吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。
「がはっ・・・うっ」
叩きつけられて一気に空気を吐き出し同時に痛みが襲い次の瞬間に気持ち悪さが襲う。胃の中の物が押し上がってくる感覚と格闘している間に大蛇は追加攻撃を繰り出してくる。大きな口を開けて粘着質な液体を悠目掛けて吐き出してくる悠は痛みを堪えながら体を傾けて転がりながら液体を避けていくと悠がいた場所からジュウ、ジュウと何かが焼ける音と共に焦げ臭い白い煙が上がっていた。
「酸かよ!胃酸で溶かす気満々かよ!食べられるより先に溶かされたくはないな」
痛みが治まらないから口の中に飴玉を放り込むとそれをガリガリと咬み砕くと一気に痛みが引くのが分かる。異世界からの持ち込みはこの世界基準で高品質で違法な効力を発揮することが分かる。この飴玉は日本ではどこのスーパーでも置いてあるような普通の飴だがここでは異世界仕様になって効果が可笑しなことになった。食べるだけでポーションなどの効果があるので舐めていればゆっくりと回復するが咬み砕くとポーションを飲んだのと同じ効果になるので急いでいる時はもの凄く助かる。強靭な歯が必要になるが・・・異世界生活で上がったステータスは顎さえも強靭になれる・・・今なら革でも咬み切れ・・・ないかな?(どっちやねん!)
痛みが無くなっても状況が変わるわけではない。どうやってこの状況から抜け出せばいいのか考えるがどうにも考えがまとまらない。相手は今はまだ大蛇だけだが後ろにいる白蛇がいつ参戦してくるか分からない。大蛇も先程の攻撃で動けないと思っていた悠が動き回る姿を見て警戒を強めて攻撃を止めている。白蛇って日本では金運とか神の使いとか良いイメージしかないんだけど・・・卵を守ってるっぽいしいつ攻撃されても可笑しくはないんだよなぁ。
銃を構えて魔法弾をセットしSDカードをセットして大蛇を観察して隙を窺うがこちらを気にしつつ後ろの白蛇も気にしている様な素振りを見せる。白蛇の心配をしているのか?だがそんな事を思っている間に急に大蛇が体を捻らせ悠を目掛けて突進してきた。あまりのスピードに反応が遅くなり足を大蛇の牙が掠め、一瞬で体が重くなった。
「毒?まさか麻痺毒か?・・・くっそ」
一瞬で接近され牙が掠っただけで身動きが出来なくなる。蛇は瞬発力が凄いなんて聞いた事があるが瞬発力なんてものじゃない、一瞬で目の間に居たのがまるで瞬間移動のようだった。今の状態だと次の攻撃を躱す事は難しい、となると大蛇が次の攻撃をしてる時に仕留めるしか方法はない。思いついてる攻撃があるが成功率はかなり低い。だが成功率が低くてもやらなければ死ぬしかない、バックからいくつか物を出し直ぐに装着して魔法弾を直接大蛇に向かって投げつけて大蛇の様子を窺う。
大蛇は投げられた物を認識すると攻撃が直撃するの避けるために悠が投げた物に胃酸を吐き出し破壊を試み、そして成功した瞬間爆発と共に煙と粉が舞い上がる。煙には虫よけの匂いがし粉には胡椒の香りがした。これが思いっきり大蛇の顔に掛かったので大蛇がもがき苦しみ暴れ出した。その隙にバックから取り出した物で回復体力と状態異常を回復させ、直ぐに次の行動に移る。魔法弾を更に追加で補充して攻撃の準備が整う頃には煙と胡椒は無くなっていたが悠にとってこの時間が稼げたことが運命を決めた瞬間だった。
大蛇が再び体くねらせてこちらに襲い掛かり悠に咬みつこうと大きく口を開けて接近してくるが先程の魔法弾の影響か速度が驚くほどに落ちていたので回復し動けるようになった悠にとって避けるのは容易かった。それに加えて悠は自分の能力も底上げしていたので大蛇にとっては避けられた事が予想外だったのだろう、動揺している間に悠は大蛇に目掛けて魔法弾を幾つも打ち込み始めた。そして噛み砕こうと顔を悠に近づけるとボウッと音共に煙が周囲を包み込んでいくと大蛇がもがき苦しみ嫌がる素振りを見せ後退した。煙が無くなると再び攻撃をしてくる口を大きく開けた瞬間に口の中に魔法弾を数発放り込むと大蛇の体内で大爆発が起こり大蛇の口から煙があがる。
大きな口を開けて何かを吐き出し悠の目の前に落として来た。何かの動物のようなものだったがさらに苦しそうにもう一度大きく口を開けて何かを吐き出すと小さな卵がボトボトと落ちてくる。その卵が落ちた拍子に割れると小さな蛇が次々に生まれていく。しかも姿はどう見ても大蛇の姿をそのままミニチュアにしたような姿に嫌でも大蛇の子供だと分かる・・・このままこいつを野放しには出来ないと判断して自分の身も危ないが賭けをしてみることにした。今大蛇は卵を産んだことで体力が落ちていて生まれた子供もまだ身動きが出来ない状況だ。先程のダメージをまだ回復していないうちにもう一度大きなダメージを与えたい。そうして先程煙を嫌がった事を利用して攻撃の要になるように持っている煙関連の物を次々に取り出し気づかれないようにそっとなるべく近くに配置していく。
卵から産まれた子供は親が吐き出した最初の餌に飛びついている。半壊というか半溶という半分が溶けている状態の物を我先にと群がって食べている。親の優しさなのか愛情なのかは知らないが見ているというか見させられてるというのか目の前の光景は気持ち悪いのひと言でしかない。
「準備は上々気分は下火っと・・・さてさて、細工は流々仕上げを御覧じろ・・・ってね」
準備を終えて全てを後は導火線になる弾に打ち込むだけっと白蛇の近くには設置が危険すぎて出来なかったからこの大蛇の大家族だけでも殲滅できれば儲けものなんだが・・・・・・神のみぞ知るってやつだね
ーーーーーーーーーー シャッ、シャ~~~ -----------
子供がある程度食べてお腹が一杯になると自分も食事だと言うように悠に向かって威嚇し口を大きく開け紫の霧のようなものまで吐き出してきた。
「おいおい・・・ガスまであんのってありかよ!!まぁ・・・マスクしてる関係ないけどね」
そう、子供たちがお食事中の時にバックから出した様々な道具の中に煙を出すものを優先的に出した結果自分もまき添えくらうのはごめんなのでガスマスクを便利箱で作っていたので装備していたのだが・・・他の人から見たら完全に不審者でここが日本なら確実に「お巡りさん!!あいつです!!」と通報されるくらいには怪しい人物であったがここでは結果的には良かったとしか言えないだろう。そしてガスを巻き散らし確実に死んだと思った大蛇は毒ガスが晴れるのを待っていた。
悠はガスはよく燃えるだろうとあるものを仕掛けて一目散に逃げて入り口まで向かって走り避難をした。
「ぜぇ、ぜぇ・・・これ呼吸困難で死ぬ!もうちょっと改良が必要だな」
入り口付近まで下がった悠は仕掛けた物の光が赤く点滅しその点滅が段々と早くなっていくのをじっくりと見ていたそして5秒間隔が3秒間隔になり1秒間隔になるのを確認し
「お前のガスでド派手に散りな!!」
そう大蛇に向かって言った瞬間に地面を揺さぶる程の大爆発が起きその爆発の火の粉がガスへと引火しさらなる爆発を起こしていった。真っ赤に染まった大蛇の周囲のは子供姿は無く大蛇も苦しそうに上を向いていたがまだ生きていた。悠が仕掛けた点滅す物体はあるゲームから参考にした置くタイプの爆弾。だがここで終わりではないさっきの爆発が悠が仕掛けた他の仕掛けの起爆剤として作動し周囲から煙やら粉やら香辛料やらがまき散らされる・・・その煙などでさらに苦しみ体をくねらせている内に小麦粉が入った袋の中にさっきの爆弾を入れて口の中に放り込んだ。
大蛇の体内で爆発が起こり体が一瞬膨れ上がり動きが止まり固まってしまった・・・