決着!!・・・救出??・・・傲慢さに激怒!?
どうも・・・如月 悠です。半魚人?フグみたいな魚?に教えられて人が住んでいるという集落を目指して洞窟に入っています。最初はダンジョン?ゲームみたいで楽しそうだなってテンション高く進んでいましたがゴブリンとか家の周囲と出てくる魔物が変わらず一本道でつまらなくなってきていたのですが、まさかの広い部屋に出たら大蛇と白蛇に出くわしての戦闘になるとか完全に予想外でしたよ。まぁ、まだ白蛇とは戦ってませんが・・・
あの魚・・・最初魔物の村とか案内したりこんな凶悪な魔物の住処?に誘導したりやっぱり俺を殺す気だったとしか思えないんだよね。今度会う時があったら唐揚げだよね・・・。はぃ?唐揚げパーティー?そうそう鳥肉も豚肉もカラッとあがると美味しいもんね!って違うから!!魚の唐揚げだから・・・あれ?魚だと・・・フライ?フライなのか?白身魚のフライとかいうし?エビもエビフライ・・・だね・・・・・・うん。なんかどうでもいいことを考えてたらちょっと落ち着いたよ。
やっと大蛇も追い詰めてお次は白蛇・・・俺・・・勝てるかなぁ~・・・
なんかさ・・・美味しいもの食べて、人との交流をしたいなぁ~って思う今日この頃でした。
・・・・・・今日この頃って使うとお前歳いくつだ?って本気で聞かれたんだけど・・・最近の若い子やある程度の年齢が上の人でもわからない人っているんだよね・・・未だに黄土色と群青色って色は無いって言いきっていた友人が懐かしいなぁ~・・・あいつ同い年だったんだけどなぁ~・・・
人恋しくなって段々と思い出にすがるようになってきた悠だった・・・・・・。
大蛇の体内で爆発が起こり体が一瞬膨れ上がり固まってしまった・・・そのあとにいきなり体を大きく揺らし体をジタバタとしている大蛇が
ーーーーーーー シャ~~~~ --------
一際大きく声をあげて開いた口からは白い煙が上に向かって昇り消えていくとゆくっりと大蛇の体が傾き、重さに耐えられなくなった巨体がドカンという音と共に大蛇は倒れて動かなくなった。近くにいた大蛇の子供は爆発に巻き込まれて頭や体がバラバラになっていたので親子で死んだことは分かるがまだ白蛇がいるので警戒は解けない、白蛇の方向を窺うと薄い光の膜で覆われていてこちらを見て頭を下げた。
『有り難う御座いました』
突然頭に響いた声に驚いていると白蛇の体が光だし大きかった体が縮むと人の形になっていた。そしてこちらにゆっくりと歩いてくる。
「助けていただき有り難う御座いました」
頭を下げながら悠にお礼を言い笑顔で話しかけて来た。
「ポイズーンキングスネークが現れた時にはどうしようかと思いましたが貴方が退治してくれて助かりました。あのままでは私も子供達も食べられてしまうところでした」
「あの・・・失礼ですが・・・仲間ではなかったのですか?」
「仲間?とんでもない!?私はあいつに殺されるところだったんですよ・・・卵を守りながらでは戦う事も出来ずに殺されると諦めていたのです」
なんと白蛇は大蛇・・・改めポイズーンキングスネークに襲われていたところだったらしい。しかも子供というか卵があるので戦えず死ぬ覚悟だったらしい・・・仲間じゃなくて本当に良かった。
「お礼をしたいのですがまだまだ未熟な私では満足なお礼もできないのが心苦しいのですがせめてもののお礼にこちらをお受け取り下さい」
そう言って差し出されたのは白く綺麗な大きな鱗が数枚と綺麗な水晶が1個とゴロフボール位の大きさの真珠のような真っ白で綺麗な石だった。その石は光の加減で七色に輝きとても綺麗な石だったが持った瞬間まるで重さがないように軽くて驚いた。
「その石を神殿に捧げればあなたの強さの源になりましょう」
「神殿?強さの源?それはいったいどういう事ですか?」
「今は分からなくてもいずれ分かりますよ。それとこの鱗は私の鱗の一部ですが粉にして防具や武器を造る際に混ぜると効力が発揮されますので是非活用してください。あとこの水晶は持っているだけで不思議なことが起こると言われていますので肌身離さず持ち歩いてみてください」
「そんな貴重なものを頂いてもいいのですか??俺はたまたま居合わせただけですし自分を守るために戦っただけですよ?それに実を言うと貴方とも戦うつもりでしたし」
「・・・・・・ふふ。正直な方ですね。あの状況では仕方なかったと思いますよ?ですが貴方があいつを倒してくれて私が助かったのは事実ですのでお礼は受け取ってください」
そう言ってとても美しくそして優しそうに微笑み悠にそっと渡してくれた。悠は白蛇の笑顔に見とれて金縛りの様に動けなくなっていた。よく見ると白蛇の人の姿はとても美しかったのだ。真っ白な透き通る肌に綺麗に輝く銀髪の長い髪にうっすらと色づくふっくらとした唇に大きく綺麗な金色の瞳。そして曲線を描く女性らしい丸みのある華奢な肩とふっくらとした胸と引き締まったお尻にキュッと絞ったようなくびれた腰。連れて歩けばみんなが振り返りそうなほどの美貌だった。
悠は白蛇が人になった現象で動揺していたので白蛇の容姿までは気に留めていられなかったが会話をするうちに落ち着き改めて見た姿に見とれてしまっていた。白蛇はお礼が済むと満足そうに微笑んで卵の傍に戻っていく。その姿を見ているときポイズーンキングスネークを見て我に返り慌てて白蛇に話しかけた。
「貴重な物を有り難う御座いました。それでお聞きしたいことがあるのですが・・・」
「はい、私に分かる事なら答えましょう」
「有り難うございます。私はこの先に集落があると聞いて向かっている最中なのですがこの洞窟を抜けたら直ぐ近くにあるのでしょうか?」
「ふむ、確かにこの洞窟を抜けた先に小さな集落があったはずですが・・・」
そう言って白蛇は考え込み悩みだして悠を見ながら言いにくそうに口を開いた。
「先程のポイズーンキングスネークがその方向から来たのでもしかしたら襲われている可能性もあります。そうなると壊滅してる可能性と食べられている可能性があります」
「・・・そんな・・・」
そして悠は食べれている可能性にポイズーンキングスネークを見てどうせ解体しなければならないからと直ぐに解体の作業に入り体内を調べて見ることにした。
と言ってもバックにしまえば良いだけだからとっても簡単!生き物は入らないから・・・・・・丸のみで生きていればポイズーンキングスネークの収納が終われば自然と残る事になるはずだと思って行動にした。
「・・・ヴヴヴ」
結果は読み道理に幾つかの人影が姿を現したが場所とタイミングが悪かった人もいて高い場所でポイズーンキングスネークの体が無くなった事で体を地面に打ち付けてしまった人や悠の攻撃の爆撃の被害者もいた。体を丸め蹲っている姿を確認してから急いで駆け寄り、治療をするために人数や状態を確認すると全部で20人が飲み込まれていたらしく、重症者が6人、軽症者が9人で他の5人はほぼ無傷だった。
「やはり集落を襲っていましたか」
白蛇は辛く悲しそうに顔を歪ませていた。そして直ぐに頭を下げ悠に向かって治療をして欲しいと願いでた。
「何故貴方が頭を下げてまで頼むのですか?」
手遅れになる前に水で傷口を洗いポーションを重症者に掛けながら軽症者には貼るポーションを使いゆっくりと傷を塞いでいき無傷の人などの為に飲み物を用意しながら白蛇と話をしていた。
「私は昔ここら一帯の守護をしていた事があったのです」
「守護ですか?」
「そうです。と言ってももう数十年も前の話になりますが・・・」
「数十年前の話ですか?では今は違うという事ですか?」
「・・・はい。昔ある村で祭りが行なわれその祭りで伝統の習わしがありました」
「伝統の習わしですか?・・・それはいったいどのようなものだったですか?」
「成人の儀です」
「成人の儀・・・その習わしがあるのは分かりましたがそれが何か関わっているのですか?」
「・・・はい。その習わしの為に私は年に1回村に行き祝福を行っていました」
「祝福?それは一体どの様な効果があるのですか?」
「人により効力は違いますのでこうなるという決まった効果が得られるわけではないのです」
「成程。ではなぜ今は守護をしていないのですか?」
「その祭りの時その村の村長がとあるパーティーの冒険者たちに唆され私を討伐し私を素材として売ろうと計画してその分け前を貰うという約束を村長は冒険者たちと交わしていたのです」
「・・・ひどい話だな。それで守護をしていたという過去形の話だったのか・・・でもなら何故助けて欲しいと願うんだ?貴方にとっては助ける義理がないだろう?寧ろ恨んでも良いくらいだと思うのだが・・・」
「そうですね・・・何故でしょうか?ただの私の自己満足かエゴなのかもしれませんね」
「エゴね・・・俺にはエゴというよりは献身的な自己犠牲のように感じるんだけどな・・・まぁ本人が良いなら俺に言う権利はないんだけどね」
そんな会話をしている時に何人かが意識を取り戻し体を起こして周囲を見ていた。意識が戻り知らない場所にいるので少し混乱しているようだ。悠に1番近い場所で座り込んでいた女性に向かって話かけた。
「気が付いたか?状況が分からないようだがもう少し待ってくれ。この人の治療が終われば軽く食事でもしながら説明をするから」
「治療?」
そんな話をしながら声をかけて来た悠に視線を向けて近くに倒れている人影に気が付き驚きながらもその姿を見て慌てて駆け寄って来た。
「あなた!!」
「!!旦那さんだったのか・・・今すぐに治すから待ってくれ」
そう言って水を掛けた時に男性は傷口にかかった水で感じた痛みや染みた感覚にうめき声をあげた瞬間悠はいきなり女性に体を強く押され突き飛ばされた。治療をするために男性に集中していたので女性の方を気にしていなかった為に無防備になっていた為に思いっきり横に飛ばされ地面に体を叩きつけられてしまった。
「っ痛。なにすんだっ!!」
「そっちこそ主人に何をするのっ!!」
「治療してるって言ってるだろっ!!・・・はぁ~もういい・・・俺は別にその人が助からなくっても関係ないからな・・・あんたの治療もしたんだが・・・しない方が良かったみたいだな」
イラッとした感情をぶつける様に悪し様に睨みながら言うとその場から離れ自分の治療は後回しにして最後の一人の重症者の治療を始めた。同じように水をかけ汚れなどを落とし綺麗な布で優しく拭き取りその後にゆっくりとポーションを掛けていき傷を塞いだのを見て先程悠を突き飛ばした女性は驚きに目を見開き悠をじっと見ていた。
「ううぅ~」
治療を終わると同時に気が付き悠を見上げてキョトンとした顔をして頭を傾げていた。気が付いたのは8歳くらいの体格の子供だったのだがまだ幼い感じがするので年齢ははっきりとは分からない。
「痛いところはないか?もしくは違和感がある場所とかはないか?」
ゆっくりと起き上がり体を左右に捻ったりピョンピョンとジャンプしたり屈伸したりと様々な動作をしてから悠をじっと見つめて小さな声で
「・・・ないです」
と顔を左右に振りながら答えた。思いっきり顔を振った時に頭にピョコッと何かが生えて悠が驚き目がそれに釘付けになると悠の様子が変わったことに気が付き頭を傾げた。
「その耳・・・」
「ピニャ!!」
と悠がやっと起動して指さすとその子は驚き奇声をあげながら頭に手を乗せて耳を隠して後ろに飛び恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていたがかなり動揺していたようで
「・・・しっぽ?」
ふさふさの触り心地の良さそうな狐のようなしっぽで根元が太く先端に向けて細くなっている。先端のしっぽの先っぽは地面スレスレで悠に指摘されてビクッと体を揺らし強張らせてから慌ててしっぽを自分で抱きかかえていた。しっぽは警戒からか毛が逆立っていたが、逆立ったしっぽを抱きかかえて上目で見られるとこちらから謝りたくなっても仕方ないと思う。
「・・・あ~~・・・驚かせてごめんな?別に危害などは加えないからそんなに怖がらなくって大丈夫だぞ?まぁいきなりそんな事を言われても信用できないかもしれないけどな」
悠はそう言って苦笑いを浮かべながら謝罪をし頭を下げると驚き慌てて
「だ・・・大丈夫ですから・・・頭を上げてください」
と悠の謝罪にワタワタとしながら悠に近づき必死に訴えてきたので悠は頭を上げると嬉しそうに笑って子供を見つめていた。
「有り難うな!」
ーーーーーーーーーーー ググゥ -----------
小さなお腹からとても元気な音が聞えて来た。だが本人はとても恥ずかしそうに体を捩って悠から数歩離れていく。
「あ~~そういえば・・・まだ飯食ってないな。昼飯でも食うか」
そして自己完結した悠はせっせとバックから様々なものを出して料理をしていくと美味しそうな匂いを周囲に充満させていくと意識がなかった人たちもゆっくりと目を覚ましていった。
「美味しそうな匂いですね」
「・・・食べるか?別に何人前も食べるんじゃないなら分けられるけど?」
「良いのですか?是非お願いします!!」
白蛇が何故か匂いに釣られて食いついてきた・・・この世界には食いしん坊しかいないのではないだろうか?と本気で疑問に思うのだが・・・ここで判断していいのか、もう少し他の人と交流をもってから判断した方が良いのかは本当に悩むところではあるんだがここにいる全員が料理に釘付けで子供や男は涎が出ているのを見ると俺の見解は間違っていないと思うんだよね・・・・・・まぁ、食いしん坊でも俺に関わる事でなければ気にしなくても良いのかな?これ以上食いしん坊キャラはいらないよね。
「あの助けて頂いたみたいで有り難う御座います」
「いえいえ。どういたしまして・・・ほいっ!料理完成!!」
まだ完全に治していない夫婦以外が揃って頭を下げてお礼を言う姿を嬉しそうに見ながら簡易テーブルやイスを出して白蛇を座らせてから重症の旦那を抱きしめてこちらを見ている夫婦以外に声をかけて食事を提供する話をするとみんな怪我人夫婦を気にしながらも匂いテロに負けて席についていく。そして口々にお礼や手伝いの申し出をしてくれた。手伝いは断り席についてもらったが
「ねぇ!主人を治して!!」
先程悠を突き飛ばした女性が悠に向かって大声で命令し恰もそれが当然でやるのが当たり前のように言ってきたのだ。
「何故俺が?拒否したのは貴方だ。しかも突き飛ばされてこちらは怪我までさせられている。なのに何故治さなければならないんだ?しかも命令される謂れも義理も義務もない」
冷たく突き放し顔を背けいない者として扱う事にした悠は他の人たちに食事と飲み物を配り自分も席に着くと手を合わせて心の中で『いただきます』と唱えて真っ先に毒味も兼ねて食事に口を付けた。他の人たちは見た事も無い料理に戸惑いが隠せなかった。
「ちょ、ちょっと!何で無視してるのよ!私の為に働きなさい!!聞いてるの!!私の願いが聞けるのだから光栄に思い従いなさい!!美しい私の願いが聞けないの!!」
キャンキャンと金切り声で叫ばれ嫌気が差した差した悠は女性に向かって呪文を唱えた
「サイレント」
あまりにも煩いのと迷惑な自己中な発言に腹が立つと同時に他の人が眉を顰め始める人や先程治療した子供が怯え始めたから声を遮ったのだ。
「確かに見た目にも重症だが骨が折れてる事と大きな傷が背中にあるだけだし、その傷だって塞がり血だって出ていないのだから安静にして滋養のある物を食べれば半月ほどで良くなるだろうね。今直ぐ死ぬわけではないし上から目線で頼むくせに人を突き飛ばして怪我をさせておいて私の為に働けとかありえないだろ、まずは謝罪だろ・・・普通。それでなくても自分は治療してもらってるのにお礼も言わないし・・・本当にありえないだろ」
そんな悠の話を聞き数名は信じられないという表情で夫婦に視線を向けた。そんな雰囲気の中で空気を変える一言が響き渡った。
「・・・美味いっ!!何ですか?これは・・・」
「おっ!嬉しいなぁ~そう言ってもらえると作った甲斐があるね」
「このタレが良いのでしょうか?」
「そうそう!このタレが決め手なんだよね!!」
「凄く美味しいです!!こんな美味しいもの今まで食べたことがないです!!」
「大げさだけど喜んでもらえて良かったよ」
悠の料理を大絶賛するのは白蛇で本当に美味しそうに頬張って食べていた。悠との会話を聞き我慢できなくなった同席者たちは見た事は無いのに匂いが食欲を誘い大絶賛をして次々に食べていく美人な女性の勢いに負けて恐る恐る用意されていたフォークで刺した料理を口に入れて衝撃で固まった。
「・・・美味い」
とても小さく囁く声だったが周りにいる人には良く聞こえたひと言だった。それからは体力を取り戻すかのように全員が無言で夢中になって食べ進めていた。
「ふぅ。お腹いっぱいです」
白蛇は満足そうにお腹を摩り嬉しそうに微笑んでいた。他の人も満足そうに笑顔を浮かべていたのでその様子を悠は嬉しそうに見つめながら片付けをしていく。他の女性陣が自分たちも手伝うと言ってくれたがバックにしまうだけなので大丈夫だと断り鍋や皿などを片付けてから食後の飲み物を出して話し合いを始めた。
「まずは先程も言ったが助けて頂き有り難う御座いました」
「気にしないでください・・・そもそもこんなこと言ってしまうと怒られるかもしれませんが助けられたのは偶然で助けようとして助けたわけではないんです」
「・・・正直な方ですね。ですが我々が助かったのは偶然にしろたまたまにしろ貴方が助けてくれた事には変わりありませんよ」
「・・・はぁ。そうですか・・・ではそういうことにしておきます。自己紹介が遅くなりましたが私は悠と申します。宜しくお願いします」
「ご丁寧な挨拶有り難う御座います。私は集落の長のバンネスと申します。以後お見知りおきを」
悠に頭を下げ、バンネスは隣の女性に視線を向けると女性はゆっくりと頷き悠に向かって頭を下げた。
「助けて頂き有り難う御座いました。私はバンネスの妻のサリアと申します。宜しくお願い致します。そして隣にいるのは息子のバンサと娘のサリーネです」
「バンサです、よろしくおねがいしまちゅ」
「シャリーネでち」
幼子だからか咬んだりうまく発音できないのが微笑ましくて可愛らしい。思わず笑顔になるそんな光景だったが母親は少し慌てていた。多分先程の冷たい印象が残っているからだろう。あの状況を見れば仕方ないだろう。
「自己紹介してくれて有り難う。ちゃんと言えて偉いね」
そう言って微笑むと子供が嬉しそうに笑顔を返してくれる。母親もほっとしたようだった。そんな様子を見ていた他の人たちも次々に自己紹介をしてくれた。
「俺は剣士のロンだ。助けてもらい感謝している。隣にいるのは娘のロナでその隣が息子のシャロだ」
「ロンの娘のロナです。弓士をしています。助けて頂き有り難う御座いました」
「シャロです。ありがとうございました」
「ロンと同じく剣士のケーンモ。まだ独り身だ。助かったありがとな」
「私も2人と同じく剣士のタンドです。この度は助けて頂き有り難うございました」
「わしはナッドン。剣士のタンドの父親です。助けて頂き誠に有り難う御座いました」
「わしはハンスと申します。こちらは孫のマリックです。孫共々助けて頂き有り難う御座いました。本来なら孫からもお礼を申し上げたいところですが病気の影響で声が出せなくなっておりましてお許しください」
そういうと孫と一緒に頭を下げた。まだ5歳くらいの子供が声が出ないというのはとても悲しくなる話だった。
「気にしないでください。そういう事情では仕方ありません。ご丁寧に有り難う御座いました」
「私はモリーと言います。隣にいるのは娘のモナです。助けて頂き有り難う御座いました」
「モナです。ありがとうございました」
「私はネネ。助けて貰った事は感謝してるけど私、他人は信用してないから」
きつく睨みながらお礼を言われて思わず苦笑いになってしまった悠の傍に先程の狐の尻尾の子がビクビクとしながら近づいてくるが左右に小さな子供を連れてきているが目つきが悲しげな子と顔が前髪で隠れて全く見えない子と一緒だった。その子たちが近づくと先程までいた人が少し距離を離しながら下がっていく。
「私は・・・グズ。さっきはすみませんでした・・・助けて頂き有り難う御座いました」
「・・・?」
名前に間があったのが気になるが名前も凄く気になった・・・グズ?悪口ではないのか?そんな事を考えていると顔が見えなかった子が小さな声で話しかけて来た。
「・・・ノロマ。ありがとうございました」
・・・ノロマとグズ。・・・完全に悪口だろ!!絶対に愚図と鈍間だろ?誰がこんな名前を付けたんだ?
「・・・名前は無いです。助けてくれてありがとうございまっ」
緊張で声が震え最後に言えなくなって詰まってしまい発音でなかった事で顔が青ざめていく3人。しかも最後の子は名前は無い。しかも言えなかった事で顔を真っ青にして震えている。俺はゆっくりと近づき3人の前で膝を着いて3人の目線になると笑って明るく声をかけた。
「挨拶をしてくれて有り難う。宜しくね?」
笑いかけ囁くように優しく言うと3人は目に涙を貯めて声を出さずに泣き出してしまった。そんな3人がとても切なくて可哀そうで痛々しくてでも可愛くて咄嗟に抱きしめてしまっていた。最初抱きしめた時は体をビクッと強張らせて涙も止まった様だったが次第に体を預ける様に擦り寄ってきて声を出して泣き出してしまっていた。
「・・・泣き疲れちゃったかな?」
3人は目元を真っ赤にして悠にしがみついたまま眠ってしまっていた。悠の傍で安心して眠る姿はとても可愛くて悠は思わず笑みを浮かべバックから毛布と敷物を出すとそっと3人を寝かせようと降ろすが名無しの子だけは手を離せず仕方なくずっと抱いている事になってしまった悠だった・・・・・・




