9.導体中の電子の動き
電子とは小さい存在である。
それは、皆様も知っていらっしゃるかと思います。
その大きさが小さいために、存在Xの影響を受けづらい物になります。
さて、魔法世界でも同じことが言えます。
魔法世界には魔素が存在します。魔素は魔導という分野にまで発展します。魔導は電気の導体という考え方と深く結び付いています。
魔石を動かすためにはどうするか? それは、魔導線を用いて魔導回路を作り、魔導具を動かすという考え方になるかと思います。
こういった基本的な魔導分野においては、科学の電気現象が極めて模倣的になりえます。
じゃあ実際に科学での電気現象はどうして流れるの? という質問が多くあるかと思います。
これは電気電子を大学で学べばいいと云われるでしょう。
作者もまた電気電子を学んできた経験があります。
その観点から簡単に申し上げますと、化学における電池や電気学における発電の流れによって生まれた電気の流れが原因だと解釈できるかと思います。
電気は流動性がある物です。流れやすい場所へ流れていくものです。つまり、アースと呼ばれるとても流れやすい場所に向けて落ちてくるという考え方で使われているエネルギーになります。
さて、この考え方は正しいでしょうか?
その答えはズバリ。正しいと思います。
しかし、何かが足りません。その何かとはなんでしょうか?
それは、電気が電気として成立する理屈の根源において、どうして電気が流れようとするのかな? という考え方でしょうか。
そももそ電気はあらゆる原子に存在しています。
石を石で強く叩けば音と電子が発生します。
太陽の熱と月の冷気によって物質が劣化していくのも、ある種の電気現象と言ってもいいでしょう。腐敗もそうです。極論から言えば、様々な生物が電気現象を起こし、生きていこうとする流れによってできた物になるのです。
詳しくは分かりませんが、リン酸がどうのこうので神経にエネルギーが流れるといった生態的理論もあるかと思います。しかし、それも何か違うように思えます。なんで電子だけそんなに流れているの? と思いませんでしょうか?
これも答えの一つがあるのです。それが、存在Xの流動性でしょうね。
存在Xの流動性はとても強力です。その強力な流動性に流されづらいはずの電子は、とても小さいものになるのです。
小さいからこそ世界に取り残されていくはずなのに、電子はあらゆる原子に付随するという特性があるため、空間に流される性質を持ちます。
つまり、電子はこの宇宙空間においてとても不安定になりやすい存在であり、常に励振しているものであるという解釈が成り立つと思います。
自由電子もそうですが、同位体などの物質の中に存在する固定された自由電子も同じで、常にある一定の励振運動。すなわち、微弱な揺れという運動を起こしていることになるのではないでしょうか。
さて、話は長くなりましたが、ここからが本題です。
電子は導体中でどのように流れるのでしょうか?
その答えは、電子電気分野と変わらないようで、ちょっと違う見解になるかと思います。
銅線に電流を流した場合は、銅線の表面から流れると云われています。
その理由は、銅線の表面に自由電子が多いという曖昧な解釈から成り立っています。
でも、作者の考えが付随されるとどうでしょうか?
自由電子が多いのではなく、表面にある銅金属は、中性子と陽子がむき出しになっているので、そのむき出しにより生まれた外殻の足りない電子の穴が多いからという解釈でもできるかと思います。
つまり、存在Xによって不安定になりやすい電子がいっぱい存在しているという解釈ができ、常に揺れているという状況になるかと思います。
そして、電子が流れる状況。つまり、電子の供給と電子の流動性を生み出すことで、電気が存在Xの力を使って静止しようとする現象と合わさり、流れを生むことになります。
さらに言うと、導体表面の電子はほとんど動くことがありません。
隣り合う原子の穴に移動するという短い距離の連鎖反応で流れていくものになるのです。
だからこそ、導体の表面だけが流れていくことが成立するのです。
さらに云うならば、流れが強くなると導体の中の固定された自由電子も表面に移動しようとする性質を持つようになります。その流動性が高まることで導体が熱を持ち、導体中心が溶けて電子の流動性を生むようになっていこうとするでしょう。
これが熱抵抗の仕組みになるのではないでしょうか?
導体が溶けようとする行為ではなく、熱によって表面の電子が少なくなることで、全ての流動性が乱れ、電気抵抗が高まるのではないでしょうか?
ああ、すっきりした。
これも積年の恨みがあるのです。
いつも言われているのです。
なんで冷えた方が効率がいいのですか? 熱がある方が電子が励振していいんじゃないですか? という疑問が生まれてくるのです。
でも、この解釈によって熱抵抗の仕組みが分かってきたので、自分なりの解釈に整理が付くことができるようになりました。
さて、何度目のさてになるか分かりませんが、魔素を用いた魔導についても同じことが言えます。
魔導とはとても小さい魔素を扱う行為です。魔素は空間に縛られない存在です。
魔素は電子のように原子に付随するという特性があるとするならば、魔素は電子として扱うことができるでしょう。
しかし、魔素が光の粒子のようにあらゆる場所に存在する物であるのならば、電子として用いることはできないでしょう。
そのため、魔鉄や魔鋼石といった物を使うか、あるいは魔素という存在に種類を設ける必要があるかと思います。
そういった点を留意して、作品を書かなければならないのかもしれませんね。
皆様も一度考えてみてはいかがでしょうか?