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第18話 まさおと贖罪の食材



「おおおぉぉおおぉおぉーーーーー!」

「オオオオォォオオ~~ッッッ」

『オオォォオオオォォオォーーーーッッ』

〔おおぉおぉぉぉおぉぉ~~~~っっっ!!〕

「オオオオオオオオォォォ~~!!!」

〔おおぉおおおぉおぉぉぉーーーーー〕

『おおぉおおぉおぉぉおぉぉぉっっ!』

〔オオオオオオォォオオォォ~~ッッッ〕

「オオオオォォーーーーーー」

「オオオオオオォォォォ~~~~!」

『おおぉおおおぉおぉぉぉぉぉぉ!!!』



 王都イシュダリアを絶望の恐怖へと落とし入れた伝説の生物、竜の襲来から悠久とも感じられた程のとても長くも短い時の中で、王直轄の眷属 五眷聖リムークとーーー


 たった一人の半ケツの少年の手によってその幕が下ろされる。



 その光景を目の当たりにした王都中の者達が己の命、家族、財産、王都を救われた事に歓喜し、誰もが空の彼方まで響かんばかりの大声を上げて叫び喜んだ。



 竜は完全に意識を無くし大空高くから そのまま闘技場の中央へと落ちて行き、同じくして気を失ったリムークも真っ逆さまに落下する所を俔聖シュナの乗るワイバーンに拾われ闘技場へ降下してゆく。


 そして竜の巨体がけたたましい音を立てて地上へと叩きつけられると、その上からシュナのワイバーンが静かに地に降り立った。


〔リムーク様ぁ流石です!!〕

〔シュナ様ぁぁ~~!〕

〔いやでもティクト様とガーナ様が居たから...〕

〔それを言うならゴラン様だって!!〕

〔イシュダリアの守護者っ五眷聖ありだぁ!!!〕


 地上では周囲の兵士達から英雄の凱旋とばかりにあちこちで五眷聖を讃える言葉が飛び交い、そんな身内同士の賑いに皆が高ぶり徐々に熱気が帯びてゆく中でーーー



 ひゅうぅぅぅ~~~~~~~ズドンッッッ!!!


 

 少し遅れて まさおも激しい轟音を立てながら地面へと着地した。すると途端にたった今まで盛り上がっていた騒ぎが嘘のように静まり返る...


 そして闘技場内にいる兵士達は、まさおとその仲間達へと静かに目をみやった。


 危機が去り少し落ち着いた頭で考えれば、まさお達は王族に仇なす反逆者であり王族のめいによる執行の対象者...だがそれと同時に竜から救われ、更にはその竜を打ちのめした強者でもある まさお達の処遇に、兵士らは互いに顔を見合わせ逡巡を示す。



 だがそんな静寂を一掃するするように、アッケラカンとまさおは口を開く。


わりぃネルコさん、竜に思くそ拳骨した時せっかく縫って貰ったズボンのケツん所がまた破けちまった。」


「あ、あ~~大丈夫サネ.....また...縫って上げるサブフゥッッッ!!!」


 まさおが己の生ケツをさすっていた所をネルコが肩をプルプル振るわせ喋っていたが、今の現状に似つかわしくもない まさおのそのアホな姿に思わず吹き出すーーーすると、


『ギャ~~~ハハハ~~おいっまさお流石に今のお前はバカ過ぎるゼェェェ~~杏子に聞いた通りの大バカだ~~~WWW』


『ギャヒヒヒヒ~~半ケツ丸出し男が伝説の竜を倒したなんて誰も信じないカイこの吟遊詩人殺しぃぃヒヒヒィィ~~W』


『こらゴフゥッッ止めナいかっグフッまさお殿はブフゥ~~~!』


「アハハハハやっぱりアンタの方がバカよ~~何ソレェ~~ア~ハハハ~~~あ~お腹痛いっお腹痛~~いぃWW」


「ワハハやはりまさお殿はただ者ではないと思っていましたカナ~~~WWW」


 コークとレイビィが腹を抱えて転げ回ると、ガイハは組んだ自分の腕に血が出るほど爪を食い込ませ必死に笑いをこらえ、そしてクラリとトルネも腹を抱えて突っ伏した。


 するとーーーーー、


〔フッ〕

〔クフッ〕

〔おい眷聖様方の前だぞっこらえバフッ〕

〔グッッくそっっw〕

〔~~~ッッッwww〕


 危険が去り、緊張の糸が切れたのか周囲の兵士からもクスクスと笑いが溢れる。



「だからいつもあれほどヒーロースーツを着なさいと言っているのに...まぁまさお君に限った事じゃないが。」


「日本の恥ッスよ恥、元の世界に戻る時が来ても置いて行きゃいいんじゃないスか?」


 博士と杏子は深い溜め息をついていた。



 そこへその間抜けな空気を払拭するかのようにコホンと喉を鳴らした堅聖ゴランが、大声で俔聖シュナへと問いを発した。


「おいシュナ、この中で竜の知識が一番あるのはワイバーンライダーを率いてるお前だろう。この竜を見てどう思うか?」


 すると先程からチョロチョロと竜を観察していたシュナが「う~ん」と唸りつつ己の見解を話し始める。


「確かに俔聖兵団は斥候用に蝙蝠翼頭竜や地竜とか【亜竜】と呼ばれる子達をお世話してるけどね。ただそれが【真竜】のこの子と同じかは分からないし初めての事だから絶対とは言えないけど、同じ竜種として見れば多分この竜は幼竜だと思うヨ? 伝記では、


【生まれてから百年位が幼竜】

【百から五百年位が若竜】

【五百から千年迄が成竜】

【千年以上が古竜】


 って呼ぶらしいけど、亜竜の平均寿命を竜の千年と仮定して照らし合わせたら、この子の牙の生え変わりやうろこの層や厚さを見る限りホントに多分だけど幼竜じゃないのかな~?」


 シュナの言葉にゴランはそのまま言葉を紡ぐ。


「そうか。なら三百年前に第三位国を滅ぼした黒龍や共にいた竜ならば少なくとも今は若竜以上に成長している...つまりは幼竜であるこの竜はそれとは違うか。」


 するとガーナは、


「いやそうとも限らん。確かに別の可能性もあるが、三位国を滅ぼした竜の末裔の可能性もある。何より幼竜ならば親が近くに居るかも知れんぞ?」


 そのガーナの言葉に少し和んだ周囲の兵士達の空気がまた瞬時にピリつくと、ゴランは少し考え込んだ後まさお達を見据えーーー


「えぇい貴様らは邪魔だ!今すぐ失せんか!!」



「『「「『ーーーーッッッ!!?!』」』」」

 


 そのゴランが言い放った言葉に、敵味方問わず周囲の者達からどよめきが起きる。しかしすぐにゴランの部下である堅聖兵団・副団長の男が異議を申し立てた。


「ゴッゴラン様っ宜しいのですか!? 第四位国の宰相様の御申し付けですぞ! もし反逆者共を逃したことが知れればーーーー」


「バカモンッッ王のお命と賊と今はどちらが大事か! 更なる竜の襲来が予想される今、大型魔物襲来に備え迎撃守備体勢・ならびに民への避難誘導と然るべき対応をせねばならん!!最優先は王と王妃、王都、そして民であるっっ逆賊の下らん命など今は捨て置け!!!」


「たっ確かに!失礼致しました!!」


 ゴランの一喝で堅聖副団長がかしずくと、場内にいた兵士達の目付きも変わる。


 そしてみなまで言われるまでもなく、日頃の訓練と同様に各兵隊長は各自 隊を率いて己の職務・持ち場へと慌ただしく動き始めた。


 

 ーーーが、


「なにぃ?下らねぇだと?」


 まさおが怒った。



「いやっっまさお殿ぉ~今はそこに引っ掛かるトコじゃないですカナ~~~!?!」


『そっそうだゼ!有り難く逃げるトコだゼ?!?』


「むしろ堅聖様には恩赦の感謝サネ!!」


「アンタ空気を読みなさいよコノ大バカ!どう考えても逃がしてくれるって事でしょ!?」


 堅聖に突っ掛かってゆこうとする まさおを皆で強引に引き止めるーーーーそこへ賢聖ガーナがまさおをビシッと指差して割って入る。


「竜を倒したからといって調子に乗るなよ小僧、ゴランが初撃で放ったのが鉄棍棒メイスでなく戦斧せんぷであれば貴様は死んでいたのだぞ!そしてリムークの初撃でもお前の頭を落とす事も出来たのだっコチラが本気ならお前なぞとっくに死んでいたのだ!!」


「上等だコラァッッ、だったらウチの颶さんだって初めにお前らの体をボロ雑巾の様に捻って血の一滴も出ねぇくらいに絞り尽くす事だってアイダダダッッッ!?!」


「まさお?私を何だと思ってるの?」


 まさおとガーナの言い合いに、颶が念動力ちからを使って まさおの体をチョココロネみたいにしながらツッコむ。


〔どうなってんだアレ?〕

〔まるで操り人形のように...〕

〔そういえば空も飛んでたぞ??〕

〔ま、まさか魔女か?〕


 周囲の兵士達から怖れの目を向けられる颶をよそ目に、俔聖シュナもまさおを諌めるように話し掛けて来た。


「まぁまぁ落ち着きなヨ 少年。別に身内の肩を持つ訳じゃないけど、今日の催しに五眷聖の招集はかかってなかったから眷聖兵団の数も一割以下で精鋭も揃ってないし、装備だってゴラりんと重装兵団意外はみんな軽装だしね?それにガーナちんだって初めは味方に被害が出ないよう魔力を抑えてたし、これが十つ国 上位国の王族騎士や王族魔導師連中ともなれば民や一般兵を巻き込もうが初めの段階の最大火力で君達は仲間が来る前にやられてたヨ?君達は運良く助かっただけで決して君達の方が強い訳じゃない...そこを勘違いせずにここは引いて欲しいな?」


「ヌニィ!?試してみるかコラ?上等だ、その安い挑発に乗ってやるカカッテコイヤッッ!」


 まさお側の皆がまさおの体に抱きついて引きずり去ろうとするが、顔中に血管を浮かべ指を鳴らすまさおは逆に皆を引きずり返してシュナとガーナに食って掛かろうとするーーー


 するとシュナとガーナの顔が一気に蒼白となり口をパクつかせた。


「けっ今さらビビっても許してやんねーーーー」




     〈 グルルゥ... 〉




  ーーーーーーっっッッっッッッ!!?!?!




 だがシュナとガーナの視線の先にいたのは激おこまさお丸ではなく、倒された筈の竜が目覚め体を起こして鋭い目つきで見下ろしていた。


 その光景を目にした周囲の者達は先程の慌ただしい動きとは打って変わり、少しでも動こうものなら次の瞬間 竜に食い殺されんとばかりに顔から冷や汗を噴き出しつつ微動だにせず固まる。



 するとーーー


「くっ構えよティクト ガーナ シュナァ!!!」


「アワッアワワワワ?!」


「グゥッ」


「ン~~~無理じゃない?」


 咄嗟にゴランは竜に対し臨戦体勢を取ると共に眷聖らに指示を飛ばすが、シュナとガーナは体が強張り身動き出来ず、ティクトは笑って諦めた。



 しかしそんな竜の見据える視線はゴラン達ではなく、ジッとまさおを睨み付けていたーーーーー


 そして、




      〈 許サナイ... 〉




『「「『「喋ったッッっ!?!!!??」』』」』




 竜の突然の呟きにその場にいた全員が驚いた声を上げる...するとトルネが何かを思い出したように口を開いた。


「そ、そういえば大昔に...それこそ竜がまだこの大陸にいた頃、竜を神として信奉する者達が居り、竜と会話し共存関係にもあったとか。勿論、昔に私が旅してる時にどこぞの村で聞いた御伽噺おとぎばなし類いのものと思っておりましたが.....」


 そこへシュナが捕捉をするように話を繋げる。


「そ、それは本当だヨ。あまり詳しくは話せないけど...でも伝記ではそれは古代語だったハズ、なんで共通語シディミアごなの?」



 そんなシュナの疑問など意に介さずに、竜は尚も恨みをぶつける様にまさおへ言葉をぶつける。



  〈 許サナイ イキナリ殴ル 悪イヤツ 〉



 その言葉に まさおが青ざめた。


 そして、


「.....まさお君。」

「まさお?」

「あ~~まさお。」

「まさおッス。」

「あはは~まさおく~ん。」


 博士颶電子杏子寧々が肩を脱力させてまさおに視線を送る中、



「竜はまだ完全には回復しておらんっっ皆の者 好機を逃すな!!」


 依然として竜に対し臨戦体勢を解かないゴランは、持っていた鉄棍棒メイスと戦斧を両手に今まさに竜へ飛び掛かろうとしていた所をーーー



「待てオッサンッッッ!!!」



 まさおはそれを制止して、ゆっくりと前へ進み竜と対峙する。


決着ケリは俺がつける、誰も手を出すな。」


「何を言っておるか小僧!ここは皆で力を合わせるべきぞっっ!?」


 しかしまさおはゴランの言葉に耳を貸すこともなく、暫しの間まさおは竜と睨み合いを続け、周囲の者達もその緊迫した空気に思わず息を呑む...



 そして次の瞬間まさおが先に動いたーーー



「俺が悪かったーーーーっっっ!!!」



「『『「「 .........は?!??!??』」」』」



 まさおの急な土下座に、事の成りゆきを見守っていた周囲の眷聖に兵士らやトルネ ナタリカ ガイハ達は考えが追いつかず素っ頓狂な声を上げた。

 

「許してくれい!あの時は色々あってーーーいやっそれは言い訳だがついあの時はっっ勘弁してくれい!!勿論タダとは言わねぇ俺を殴れいっっ2発、いや4発殴れいっ倍返ししてくれい!!」


 それでも まさおは、周りの目など一切 気にせず、若干 半泣きになりながらもひたすら頭を下げ続け、なんか竜自信もチョット困惑していた。



 そこへヤレヤレと言わんばかりに、まさおの後ろへ日本ヒーローらが一列に整列し始める。


 次の瞬間、周囲の者達は更に目を疑った。



「誠に申し訳ありませんでした。」

「ゴメンっス。」

「蜘蛛をぶつけたのは私です、スイマセン。」

「ホントに悪かったねぇ。」

「[ぎゅるるるる~~]ご免なさい。」



 博士 寧々 杏子 颶、そして電子が腹を鳴らしながら竜に向って頭を下げて謝罪したのだ。


「ちょっ博士殿達ナニしてるサネ!!?」

巨大悪鬼トロルの時もだが魔物相手に通じるかだゼ!』

「あっ危ないヨッッ離れて!?!」

「ばっ馬鹿じゃないのアンタ達?!!」



 周囲の者達はそもそも何故 竜に頭を下げるのかその理由は不明であるが、この異世界の者らにとって竜とは圧倒的な力と国を滅ぼした大量虐殺者でもある畏怖の象徴であり、魔物と分類カテゴライズされていても別段 不思議はない。


 それこそ人が森で小鬼ゴブリンなどの魔物に遭遇した時に祈りや命乞いなどは何の意味もなく、迫られる選択肢は戦うか逃げるか自決するかである。


 むしろゴブリンなどの人形ひとがたの魔物ならば【男の場合】瞬時に殺されるだけで済むが、これが獣類いの魔物ならば生きたまま食われ、蟲類の魔物ならば生きたまま体の中に卵を産み付けられたりと生き地獄を味わいかねない...


 つまりは力の無い者であれば逃げることすらままならず、かといって誰かが助けてくれると僅かな希望と引き換えに生き地獄を味わうぐらいなら自ら死した方が賢く楽である...それがこの異世界の者達の常識であり、そんな魔物相手に頭を下げ謝罪するなど前代未聞どころかイカれた者ですらあり得ない【未曾有のバカ共】と思われても何の不思議もない。


 周りの兵士達も博士達の言動に絶句し口が塞がらない者達がほぼほぼの中、博士はさらに歩みより竜へ話し掛けるーーー


「竜殿、私がこの子の保護責任者であり責任の一旦は私にあります。ですからどうか私に償いをさせて貰えないだろうか? 私達は今特殊な状況下にありスグにとはいかないが、この埋め合わせは必ずするのでどうか...」


 

〈........グルルゥゥ。〉



 博士が竜へ詫びの言葉を続けていると、まさおを睨み付けていた竜は少し間を置いた後、ゆっくり博士の方に顔を近づけその大きな口を開いた。

 

「「ヒィーーーッッ博士殿が食べられるサネカナ!?我々の商人としての未来がぁぁぁ!!?」」


「ヌッ博士殿ぉぉぉっっ今助太刀を!!」


 トルネとネルコは互いに金づるの身を案じて叫び、ブランカが震える足を必死に前へ出す、



 だが次の瞬間 竜は口からーーー




〈 スシ テンプラ ウナギ...喰ワセロ。〉




『「『〔「〔 .........はぁ?!?!?〕』」』〕




 竜の口から出た言葉に皆の頭から?マークが飛び出た。



[ぎゅるるるるぅ~~~~]



 すると再び電子が腹を鳴らす...それを見た颶は、何かを察した様に溜め息と共に額に手をついた。


「あ~~すいません博士...実は私達の意思疎通と誠意がより伝わるように私の精神感応テレパスで皆とかれとの思考を繋いでいたんですが...そしたら電子の思考がかれにだだ漏れたかと。」


[ぐごぎゆるるるぅぅ~~~]


 すると腹を鳴らし続ける電子に向かって杏子がジト目で、


「電子っち...みんなが本気で竜さんに謝ってた時に、一人ひとりだけ食いモンのこと考えて頭下げてたんスか?」



「ぐっっ、うっさいわボケーーーこっち来てからほぼナンも喰ってないんじゃーーーーッ!!アンタから千円で買ったカップ麺は村の皆に食われるし、虫は食えないし腹減っとんのじゃーーーーー!!!」



 突如 涙目で電子がキレだし、それを聞いて電子のカップ麺をむさぼったコークとレイビィは申し訳なさそうに耳をペタンと下げた。


 更にはそれを聞いたまさお、颶、博士は冷めた目で杏子を見る。


「千円って...おい杏子テメェ.....」

「ちょっと杏子?」

「...杏子君?」


「うぐっっいやチゲェんス!冗談ス冗談だったんスけど~~やだな電子っち勿論あとで返すつもりだったスよ~~~あはは!」


 渇いた笑いをしながら杏子が必死に弁明するなか、この異世界に来て空腹と慣れない環境とに多大なストレスを抱えていた電子は、心のダムが決壊したかのように発狂し叫び続けた。


「もう嫌だウチ帰りたーーーいぃっっゴハン オフロ ベッドが欲しいーーーーーっっ!!」


〈 ガルルァァ スシ テンプーラ ウナーギィィ!!!〉


 すると電子の地団駄に合わせて竜もシンクロしたかの様に足と翼をバタつかせて叫び、それを見た兵士らはまた竜が暴れだしたと戦々恐々と怯え腰を抜かし始めた。



 するとまさおが、そんな電子と竜の声を上回る大声で叫ぶ


「よーーーし分かったーーーーー!竜さんよ今スグとはいかねぇが俺が必ずメッチャ美味いモン食わせてやるっ約束だ!!俺の考えが分かるんだろっ?スキヤーキ ヤキニーク ヤキトーリィィィ!!!」


「ミニヨンズっスか...」


 杏子がシレッとツッコミつつ、そのまさおの放った言葉に竜は目を見開きヨダレを垂らしながら、


   ベシッ 〈ホ、ホントカ?〉


 尻尾でまさおの頭をはたいて返事する。


「あぁっホントだ!」


   ベシベシッッ 〈絶対カ?〉


「あぁっ絶対だ!!」


   ベシベシベシッッッ 〈約束カ?〉


「んぐっ..あぁ...約束だ。」



〈ホントニホントニホントニーーーー〉 ベシベシベシベシベシベシベシベシベシベシベベベベベーーーーー


「だぁーーーテメェはナニさっきから人の頭ど突いてんじゃコラァァァ!?」 ボボボボボボボーーーーー



 まさおの頭を何度も打つ竜の尻尾の連擊に、キレたまさおが百裂拳で応酬した。


「ちょっまさお殿ぉ!?また竜を怒らせでもしたら大変ですカナっっ」


『ヤッヤメロォォッッ?!杏子の言う通りホントに馬鹿だゼ コイツ!!』


「はぁやれやれ...まさお君には困ったもんだ。」


 竜と喧嘩を始めるまさおに再び悲鳴やら怒号に溜め息も入り交じるなか、それでも先程の命を賭けた緊張とは程遠いどこか和やかな空気が場に流れ、心なしか竜が少し笑っているようにも感じられる。


 周囲の兵士達は戸惑いを見せつつもその不思議な光景をただ茫然と眺めていた。



 幼き獣人の為に命を張り、眷聖と同じ強さを持ち、敵の命すら守り、敵を尊び、敵と仲良くもなれる...この大陸の絶対的強者である王族達が決して見せる事のない《初めてのもう一つの強者の姿》


 この大陸の民達が王族を恐怖で崇めるならば、救いを導く希望で崇めるは神。


 民が理想の神を描いた姿があるならば それはまさお達の姿と重なるのかも知れないが、今はまだ誰の目にも変な者達にしか映っていない...

 


 そしてそんなまさお達をイシュダリア五眷聖のゴラン、ガーナ、シュナは頭を抱えながら静かに見据えていた.....


 

 

大分遅くなりましてすいません。

超職人大家族とアップしましたので

楽しんでいただければ幸いです。


それと今更ながらツイッターを始めました。

「おざわむかい」で出てくると思います、


まだ何も呟いておりませんが何か面白い事が

浮かんだら しずおバリに 呟きたいです。


どうぞよろしくお願い致します。

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