91話 ドラゴンカレー
家に帰って来ると、クリスさんと、ルイスさんがいた。
聞けばたくさんドラゴンを狩ってきたそうで、私にも解体した肉を尋常でないくらいに大量に渡してきた。
ドラゴンのお肉、一応、一度食べてみようかな。
台所に行って、塩、胡椒でフライパンで焼いてみる。
うーん、肉汁がどっかんと出てきて、今まで食べてきた牛肉ともちょっと違う、豚肉じゃない、鶏肉でもないなと悩むところ。
旨味がすごくておいしいのだけれど、今まで食べてきたどの肉とも違う。
強いて言えば、牛肉が近いのかな? 味と旨味の観点からすると。
料理するとなると、シンプルなほうがいいのだろうけど、ステーキは昨日食べたし、これだけのおいしい肉だとなにがいいだろう。
クリスさんもルイスさんも頑張ってくれたんだよね。
なにか、おいしいものを作らなくては……。
困ったときの、カレー頼み。
カレーにしよう。
今日はちょっとお高いルーにしよう、固形のルーだけじゃない、ブイヨン付きのやつ。
小さめの箱に入っている、カレーのルーを購入する。
まずは、ご飯を炊いて。
今回は、野菜は少し大きめに切って、肉もしっかり炒めよう、本格派を目指して作ってみる。
ローリエを入れ、水を入れる。
箱の裏面に書いてあるように作って、じっくりコトコト煮込んだら、出来上がりだ。
少し味見をしてみる。
うーん、肉が蕩ける。
よく煮込んだ牛スジのようにトロトロ。
それに、カレーのルーに肉汁が溶けて旨味がすごい。
カレーの匂いにつられたのか、クリスさんと、ルイスさんが来た。
「ユキ、大好き」
発言はおかしいが、クリスさんが嬉しそうだ。
今日はたっぷり作ってあるから、明日の朝もカレーが食べられる。うまくすれば、二、三日は楽しめるぐらい作ってみた。
今日のカレーはおいしいから副菜はいらないかな。
シンプルに福神漬けだけにしよう、スーパーで福神漬けを購入する。
ご飯をよそい、カレーをかけて福神漬けを添える。
水とスプーンを用意して、はい、召し上がれ。
「「「いただきます」」」
クリスさんが、神妙にカレーを食べ始める。
ルイスさんが、初めてのカレーを食べ動きが止まります。
「由紀、これは好きだ!」
ルイスさんもはまったようですね。
カレーはおいしいんですよ、私も食べ始めます。
うーん、大きめの野菜がおいしいですね、肉も柔らかくて、舌で潰すことが出来るほどです。カレー自体も肉の旨味でうまさ倍増、ここにご飯の甘みが加わるから正直たまらないですよ。
──おいしすぎる、ヤバい。
二日目のカレー、明日の朝が楽しみです。
そういえば、朝に女神様から暇になったら呼んでねって言われていたんだった。
カレーを食べたら呼ぼうかな。




