90話 奧さん
倉庫でめいっぱい生理用品や醤油や砂糖などの商品を出し終わると、ギルド長からいい笑顔で感謝され、その場をあとにすることになった。
うーん、これからどうしよう。
佐藤君行きつけの店に行こうかな。
ミートソースに関する商品も卸さないといけないし、ご主人がいなければ、子どもたちも助けられなかったからね、お礼もしないと。
店に着きました。
準備中の看板が提がっていますね。
入りますか。
「すみません」
「あら? お店は休みですよ?」
「ああ、商品の納入です。ご主人は?」
女性が目を輝かせる。
「あなた~、お客様よ~♪」
なんだか、嬉しそうですね。
「すみません、お待たせしまして」
奥からこられたご主人から、申し訳なさそうに謝られます。
「いえいえ、待ってなどいませんよ、ちょうど今来たところです」
私は自分の胸の前で、イエイエと手を横に振ります。その様子を見ている女性が、なにか言いたそうにしています。この女性は、奧さんかな? なんとなく、ソワソワしていますね。
なんでしょうか?
「あの、前にお菓子をいただいた方ですよね?」
ああ、あの時ケーキをご主人から渡されたんですね。
「はい、そうですが?」
「あの、黄色い細いぐるぐるしたケーキが食べたいのですが、お願いできますか? お金は支払いますので」
「いいですよ」
デパートでモンブランを二つ購入する。
ケーキを入れた白い箱が現れる。
「キャー♪」
奧さんが喜んでいます。
ケーキを奧さんに渡すと、ケーキを持って奧さんがはしゃぎました。
ご主人が苦笑していますね。
「どうもすみません、あれからずっと食べたがっていたんですよ」
「そうですか、今日お会いして、渡すことが出来たので良かったです」
私は、先日お世話になったおかげで、子どもたちも母親も無事であることを伝え、あらためて、感謝をした。ケーキも感謝の気持ちであり、代金を支払おうとするご主人を制して、ミートソースやパスタなどの取り引きをした。
今回は、金貨30枚、順調にお客さんが入ってくるそうで、たまに、持ち帰りを希望する人もでてきたそうだ。
もちろん、食中毒を起こさないように早めに食べてもらうようにしているとのことで、心配は必要なさそうだった。
ご主人が支払ったと思われるロイズさんへのお金は、多分私が支払うと言っても受け取ることはないだろうと、ご主人の好意に甘えることにした。
奧さんは忙しくなったご主人を手伝いに来ているとのことだった。
それから私たちは雑談をし、二人と充分に話して、私は店を出た。




