89話 高価なリュックサック
二人と別れて、商業ギルドにやって来ました。
商業ギルドに入ると、スススッとギルド長が、寄ってきました。
なんだか、わからないけど、一緒に来て欲しいと言われ、応接室に行きます。
紅茶とクッキーが出されます。
なんでしょうかね、なにかあったのでしょうか。
「昨日、高梨様が市場の外れで屋台をやっているとらしいとの噂を聞き職員を派遣してみたのですが、どうやら一足遅く食べることは出来なかったそうですが、その際に、子どもたちが珍しいバックをもらっていたとの報告を受けまして、なんでも、小さな子どもが背負える可愛らしいものだとか、他にも、大人に近い少年には、黒い立派なものを渡したとか、ぜひ拝見したいと思いまして、こうしてお呼びとめしたのですが、どうか、それを見せてはいただけないでしょうか」
うん、子ども用のリュックサックか、デパートで物々交換をして出す。出した途端にギルド長が興奮しだした。
「これが! 可愛らしい、しかもしっかりとした作りだ、これは売れる!」
ジッパーを触って、開けたり閉めたりしてますね。
目が輝いてます。
「これは女の子用なので男の子用もありますよ」
私が言う。
「見たいです」
ギルド長がはっきりと断言する。
男の子用のリュックサックを購入します。
「ほぅ、これも素晴らしい……大人に近い少年に渡されたものも見たいですな」
期待に満ちた目をして、ギルド長が、私を見ます。
「いいですよ」
エリク君に買ったリュックサックを購入します。
「──!!」
ふふん、驚いているな、エリク君に買ったのは大人になっても使えるように、15000円ぐらいするものを奮発したんだ、安物じゃあないんですよ。
「これは、ぜひ欲しいですな、これは貴族にも売れますよ」
うーん、貴族かぁ、だったらもうちょっといいのがあるなぁと、違うリュックサックを購入する。
「こんなのはどうでしょう」
購入したばかりのリュックサックを渡す。
「え?」
戸惑ったようにギルド長が受け取る。
「いいものだと思うのですが」
ブランド品の黒い皮の高価なリュックサックを勧める。
「……っ!」
ギルド長が固まっていますね。
「言い値で買います。高梨様どうか、これをください!」
リュックサックを持つ手が震えてますね。
ふんふん、モブ的に気持ちはわかりますよ。
この高そうなリュックサックは、モブも元の世界では触ったことのないものですから。
リュックサックはそれぞれ10個ずつ売りました。
ぼったくりの転売ヤーは活動しているのかって?
このリュックサックでは活動しませんでした。少し迷ったけど、1割増しで売ることにしました。だって本当に欲しい人がお金の問題で手に入らなかったらかわいそうですからね。そのかわり、商業ギルドにもそれほど高くは売らないように話してあります。
ああ、ぼったくりの転売ヤーは廃業したのかって? すぐに倉庫で砂糖を金貨1枚で売ることになりますよ、廃業してません。
リュックサックを買い取り、ご機嫌なギルド長に倉庫に案内されます。




