75話 娼館の回し者
モブは心の中でクリスさんに抗議します。
そして、心の中で抵抗をした自分を褒め称えます。
いよっ! モブの星。
食後に食器などの洗い物を済ませ、午後になりました。
まずは、ポーションを作ってしまいましょうかね。
クリスさんへ渡すエリクサーはやっぱり実力が増えてからにしましょう。
エリクサー、あって困るものでもないし、ルイスさんと被ったって気にしなければいいんです。
部屋に戻り特級ポーションを作りました。
そういえば、クリスさんに食事を作っていますが、魔物は狩っていないようですね。
レベルアップの音が聞こえません。
クリスさんは冒険者でないときは、一体なにをしている人なんでしょうか?
魔族だから、独自のネットワークもあって忙しいんですかね。
部屋を出て、二人に街中に行くことを告げて家から出ます。
目指すは佐藤君行きつけの店です。
市場のあの子たちが、結局なんだったのか、気になるんですよね。
着きました。
行列は少ないですね。
もう少しで終わります。
準備中の看板が下がりました。
いざ、突撃です。
「こんにちは」
奥からご主人が出てきました。
「昨日来たばかりじゃないか、ここに来ていていいのかい?」
「はい、市場の子どもたちのことも気になったので」
「昨日の今日だから、情報もなにもないんだが、わかったのは娼館が絡んでいるらしい」
「娼館?」
「ああ、あの子どもたちは兄妹で、妹の方に目をつけた金持ちがいるらしい」
許せませんな、Yesロリータ 、Noタッチは許せても、ペド野郎は許せません。
「まだ、どこの娼館かもわからないし、どうも忠告をしてくれたという女性も娼館の回し者らしい、金を払って市場の者が雇ってるのではなく、どうやら脅されてその子どもたちの屋台のそばの店が無理矢理置かされているらしい」
「ふぅん」
「娼館とごろつきはセットだ、用心棒がわりに雇い入れている。市場の連中も子どもたちのことには気を揉んでいるが、手は出しづらいようだ」
「なるほど」
「女性の方は見ていれば仕事はしていない、その屋台に来る連中を牽制しているだけだが、後ろに控えている連中は違う、荒事専門だ」
「ふー、子どもたちに直接お金を渡すとかは駄目なんですかね? それと、子どもたちはなぜそこまでして、お金を稼ごうとしているのですか?」
「確認がまだで、噂のレベルらしいがどうやら、病気の母親がいるらしい。元々その屋台も母親が女手ひとつでやっていたらしい。場所代はその場所を商業ギルドから借りている隣の店が昔その母親に世話になったとかで、その家族が屋台を出す分にはその店の間借りとして、商業ギルドを挟まず無料としているらしい。今までの情報も全てその屋台の隣の店だそうだ」
「うーん」
「隣の店も怖くて表立って対抗はできないそうだ」
「あー、ですよね」
面倒な話になってきましたね。
「これもまだ噂の段階なんだが、どうやら、悪い薬師も絡んでいるらしい、その病気の母親を治す為に子どもたちが、その薬師からポーションを買うそうだが、薬にもならないポーションを渡しているという話しも出た。なんでも金に汚いとかっていう噂もあるらしい」
金に汚い薬師ですか。
聞いたことがありますね。
いよいよキナ臭くなってきました。




