67話 子どもたち
クリスさんが片付けをやるというところを強引に私が片付けをします、と言って仕事を奪います。
イケメンのクリスさんが、手荒れになったら大変。
周りのバッシングが恐いです。
クリスさんはもっと自分を大切にすることを学んで欲しいです。
クリスさんが、仕事に行くと言います。
私も薬師ギルドに用事があるので、一緒に出ます。
クリスさんから、合鍵をもらって、いざ、薬師ギルドへ、と思ったら抱きしめられ、薬師ギルドまで、転移魔法で送ってもらいました。
クリスさんにお礼を言ってから薬師ギルドに入ります。
買い取りカウンターに特級ポーションを提出し、金銭を受けとったあと食堂の調理場に行き、ヨーグルトを納入して、サキさんと軽い世間話をします。
その後に、ついでに商業ギルドに顔を出してから、必要だと言われたものをどんどん卸してゆきます。
鍛冶屋や魔道具屋での屋台制作はどうなっているのでしょうか。
見てきましょう。
「お世話になってます。頼んでおいた屋台なのですが」
「んー、もうちょっとかかるかな」
「はい、わかりました」
「じゃあ、また今度」
屋台はまだまだですね。
じゃあ、今日は、屋台に使う食器類を買ったり、市場に行って食材を見たり、スープの試食リサーチでもしますか。
雑貨屋さんです。
店員に聞きながらサクサクと食器類を買います。
木のスープボウルにスプーン、30個? 50個? いいでしょう、数は十分あったほうがいいです、50個買いましょう。
市場に来ました。
活気がありますね、さて、野菜系を中心に見ておきましょう。
じゃがいもが安いですね、トマトもおいしそうです。
気になったものは片っ端から買ってしまいましょう。
どうせアイテムボックスに入れておけば時間も容量も関係ないですからね。
人参? いいですね。
キャベツ? いいですね。
買い物自体が楽しいですね。
ワクワクします。
さて、めぼしいものも買いましたし。
屋台のスープリサーチをしますか。
おや? 市場の外れに子どもが店番の屋台がありますね。
なんでしょうか、行ってみましょう。
お客さんがいませんね。
スープ一杯銅貨3枚。
味は、うーん、薬師ギルドのスープと同じですね、具材もくず野菜ですし。
これで、銅貨3枚は高いですね。
子どもたちがすがるような瞳で私を見てきます。
うーん、これはどうしたことか。
「ちょいと、あんた! こっちきな!」
なんでしょう、呼ばれていますね。
「なにか?」
私を呼んでいたおばさんの元に行きます。
「悪いことは言わないよ。あの兄弟に同情するんじゃないよ、あの兄弟の親たちが、ああやって子どもたちを餌に誰かが引っ掛かるのを待っているのさ、あの子たちはみすぼらしい格好をしているけど、わざとさ! わざわざあの子たちの親がそうさせているのさ。私たちも始めは引っ掛かったものさ、ある時誰かが、かわいそうだってんで、家においしいものを持って行こうとしたのさ。そしたら、家ではきらびやかな服を着て、大きな家に住んでいるし、裏切られたんだよ、私たちは、だから、あんたにも忠告してるのさ。バレたと知っても市場に来る客はいるからね、今もああして他人をだましているのさ。あんた、気をつけな、騙されそうな顔をしているよ。じゃあね、話はそれだけさ」
「ご忠告、ありがとうございます」
ふー、恐ろしいなぁ、日本では聞いたことのないやり方だ。
海外ではあるかもしれないけど。
なんだか、リサーチをする気分になれないなぁ。
そういえば、佐藤君行きつけの店はどうなったかな、行ってみよう。




