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クリムゾンホワイト  作者: minazuki
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第4話 旅立ち

ブックマーク登録ありがとうございます

むちゃくちゃ嬉しいです

 今俺の頭にはでかすぎるたんこぶが1つできている

 あの細腕にどうすればあれほどの力をだすことができるのか不思議でならない

 そして今は俺とルーカス、エリーと女とで向かい合って座っている


「ったく、やっと落ち着いて話ができる」


 ルーカスやれやれといったかんじでつぶやく


「オリヴァー、こちらが明日からお前を鍛えてくださるソフィアさんだ」


 ソフィアが握手をするために腕を少し動かしただけで俺の体はビクッと反応する

 それでも恐る恐るとだが手を握り返す


「よろしく、オリヴァー」


「よ、よろしくお願いいたします」


 そんな2人を見たエリーがニコニコしながら口を開く


「ソフィアさんったらすっかりオリヴァーに怖がられちゃってるわね」


「私にそんなつもりは無かったのだがな…」


 困ったように頬をかく


「まぁそこは時間が解決するだろ」


「そうねぇ、ソフィアさんって以外と可愛いところあるしね」


 ルーカスとエリーがそんなことをいう


「おい!エリー」


 そんなソフィアの声にまた俺は盛大に反応してしまう


「あらあら、ソフィアさんまたオリヴァーが怖がってますよ」


 そんな俺の様子を見てソフィアはうらめしそうにエリーを睨む

 エリーは、そんなソフィアの視線はどこ吹く風で気にしない


「エリーもソフィアさんもその辺に。そろそろ依頼の内容を話しますよ」


「その前にちょっといいか?」


 ルーカスが話しをする前にソフィアが口を挟む


「なんですか?」


「オリヴァーは、本当に武術を誰かに教わったりしてはないんだな?」


「えぇ、そうですよ…ただ昼間とかに1人で色々してたみたいですが」


 それを聞いたソフィアは、何かを考え始めた

 そして暫くたつと考えが纏まったのか口を開く


「ルーカス、これは提案なのだがオリヴァーを私に預けてはもらえないだろうか?」


「オリヴァーを…ですか。理由を聞いても?」


「オリヴァーの戦闘センスというのは卓越したものがある。また、オリヴァーは魔法も使えるはずだ。そうだな、オリヴァー」


「え、あ、はい」


 ソフィアに話しかけられたがさっきよりは反応しなかった

 地味な成長に喜ぶ俺


 そんな俺のことは気にもとめず話は続く


「オリヴァーが魔法を…」


「そうだ。そして先程の手合わせでオリヴァーがどう化けるのか間近で見てみたくなった」


 そこで一旦言葉をくぎり出されているお茶を口に含みまた話し出す


「また、預けてくれるというのなら先ずは私の活動拠点であるフィレンに連れていきそこでパーティーメンバーに合わせそいつらにもオリヴァーの育成に力を貸してもらうようにする。それにもちろん金はいらん…どうだ?」


 すると今度はルーカスが黙りこくる

 それにより沈黙がこの部屋を支配する


 そしてどの位たったのか詳しい時間は分からないがルーカスが口を開く


「オリヴァー、お前はどうしたい?」


「…強くなれるのなら行きたい」


 その言葉はすっと口からでた


「そうか、ソフィアさんオリヴァーをあなたに預ければオリヴァーは、強くなれますか?」


「ああ、間違いなく」


「エリーはどうだ?」


「問題ないわ」


「なら、その話しの通りにお願いします」


 そして話がまとまるとエリーが口を開く


「そうと決まれば2人に言うことがあるわ」


 エリーはそう言うと席を立ち俺の目の前に来ると目線を合わせるために膝をつき両手を俺の頬に添えて言う


「オリヴァー、折角連れていってもらうのならてっぺんを目指しなさい。そして、何があっても諦めないこと。お母さんは戦いのことは良く分からないけど、ソフィアさんの強さだけは良く知ってるわ。だからソフィアさんとソフィアさんのパーティーメンバーの言うことを良く聞きなさい。そして良く考えること。いい?」


「…うん」


 俺は素直にうなずく


「…そして最後に」


 エリーは、俺の返事を聞くと抱き締める


「…お母さんやお父さんより先に死んだらダメよ?これだけは、絶対に守りなさい」


「…分かった」


「そう、それなら良いわ」


 そして満足すると最後に頭を一撫でし今度はソフィアの前に立つ


「ソフィアさん。私では貴女に力では勝てません。でももしオリヴァーが死んでしまったら私は必ず貴女の息の根を止めます。その覚悟で居てください。オリヴァーをよろしくお願いします」


「ソフィアさん私からもよろしくお願いします」


「…分かった。私のこの命に変えてもオリヴァーは守ってみせる」


 俺はそのやり取りをただ見ているだけしかできなかった

 エリーのいう通りに俺の両親ではソフィアに勝てることは無いだろう

 だが何故かそれがあり得ることに思えてならないのだ


 これが子を守る親の力なのだろう


「そこまであのソフィアさんが言ってくれるのならこちらとして安心できます。なら、出発はいつにしますか?」


「私はいつでもいい。もともとここに泊まらせてもらう予定だったからいつでも出れるぞ」


 ルーカスの問にソフィアが答える


「では明日かあさっ「今すぐよ!」」


 ルーカスの言葉をエリーが遮る


「折角決意を決めたのだからぐだぐだしてたらダメよ。決意が鈍るわ」


 その言葉は自分自身に向けられた言葉でもあることを夫であるルーカスだけが気づいた


「そうですね。ではオリヴァーは、部屋に行き準備を済ませなさい。その時に持っていくのは下着の類だけで、今までオリヴァーが着ていた類いの服は持って行かないように。使う機会なんて有りませんから。それと、直ぐメイドにオリヴァー専用の戦闘服を持ってこさせますからそれで出発しなさい。その戦闘服は私とお母さんからの餞別です。準備が終われば玄関の方に来なさい。では、お父さん達は、先に行っているので後で来なさい」


「はい!」


 そして俺は自分の部屋に行き準備を始める

 といっても下着だけしか持っていくものがないので直ぐに準備は終わった


 準備が終わりちょっとするとメイドがルーカスの言っていた戦闘服を持ってきた


 それは俗にいうレーザーアーマーで動きやすさを重視したものだった

 また脛の辺りまであるゴツイ黒のブーツに抜き手のグローブまでついていた


「よし!行くか!」


 そして部屋を出たところに戦闘服を持ってきてくれたメイドが立っていた


「行ってらっしゃいませ」


「行ってきます!」


 メイドはオリヴァーの姿が見えなくなるまで頭を下げ続けたのだった


     ◇              ◇


 玄関に着くと馬車が丁度着いたときだった


「うふふ。カッコいいわよオリヴァー」


「あぁ、以外とさまになってるぞ」


 エリーとルーカスが誉める


「2人とも、ありがとう!大事に使うよ」


 すると荷物を置くために馬車の中に入っていたソフィアが出てきた


「ほら、荷物を寄越せ。そしてお前は両親との別れを言ってこい」


 そういうとソフィアは馬車の中に戻っていった


 家族水入らずでということだろう


「?、どうしたんだオリヴァー。忘れ物か」


 最初に気づいたのはルーカスだった


「ううん。ソフィアが別れの挨拶をしてこいだって。そういえばお母さんは?」


「さっき、お前に渡すものがあるからって中に戻っていったぞ」


「へぇ、何だろ?そんなことよりやっぱお父さん普通に話した方が良くない?さっきの話し方気持ち悪いよ…」


 ルーカスは俺にそういわれると不機嫌そうに顔を歪めた


「うるせぇがきだな。貴族になると人様の前では礼儀正しくしないといけねぇんだよ」


「まぁ、せいぜい人様に猫被ってることを悟られないようにね」


「余計なお世話だよ!」


 ルーカスはそういうと俺の頭をワシャワシャと撫でる


 暫くそうやってルーカスとじゃれあってると不意にルーカスの顔が真剣なものになる


「なぁ、オリヴァー……さっき母さんが言ってたように絶対に死ぬんじゃねぇぞ」


「……うん」


 ルーカスはそんな湿っぽい空気を振り払うようにわざとらしく話を変える


「それよりもエリーの奴遅いな」


「そうだねー。そろそろ来てもいいと思うんだけど……あ、来た!」


 エリーは走ってこちらにやって来る

 その手に何か握っているようだがそれを取りに行っていたのだろう


「はぁ、はぁ、ふぅ。久しぶりに走ったけどものすごく疲れるわね」


 エリーは呼吸を整えるために2,3回深呼吸をすると俺に向き直る


「はいこれ。本当は7才の専属メイドが付く時に渡そうと思ってたんだけど、今度いつ会えるか分からないから今渡しとくね」


 それは翡翠色に輝く細長い石をネックレスにしたものだった


「これはねお母さんが小さいときに宝物にしてた物なの。貴方達3人にはそれぞれ7才になったときにお母さんが宝物にしてた物を渡すようにしてるんだけどオリヴァーは、このネックレスにしたのよ」


「うわぁこれ綺麗だ…ありがと、お母さん」


「どういたしまして。ほらお母さんがつけてあげるから後ろを向いて」


 俺はエリーにネックレスを付けてもらう


「…よし!ばっちし!」


 エリーは俺に向かってグーサインを向ける

 俺もエリーに向けてグーサインを出す


「じゃあ、元気でいるのよ?お母さん達は、ずっとこの家にいるんだから近くに来たときとかは顔出しなさいね」


 そして1度俺を抱き締め、離れ際にデコにキスをする


「うん…わかった」


 そして一緒に馬車の元へと向かう

 すると気配を察してかソフィアが馬車の中から出てくる


「では、改めてソフィアさんオリヴァーをよろしくお願いします」


「了解した」


 その言葉はを聞いたエリーは満足そうに頷き俺をみる


「よし!行ってこい!」


 最後にエリーは俺の背中をたを叩いて送り出す


「2人とも今までありがとう!じゃあ行ってきます!」


 そして俺とソフィアは、馬車に乗り込む


「主発してくれ!」


「あいよ!」


 ソフィアが御者に向けて声をかけると直ぐに返事が帰ってきた

 それから直ぐに馬車が動き出す


 すると瞼に涙が溜まってきた


 俺は少し上を向く

 大人の男が泣くのはカッコ悪い


 するとエリーの涙混じりの叫び声が聞こえてくる


「オリヴァー!…風邪には気をつけなさいよ!ソフィアさんの言うことを……ウッ…ちゃんと聞きなさいよ!……グスッ……そして……そして、絶対生きて、また帰って来なさいよー!」


 そこまでいうとエリーが、あぁぁぁぁ、と崩れ落ちるのが見えた


 こんなこと聞かされたら、ただでさえ泣きたくなってたのに我慢できるわけがない


「ぐぅ、ひっく、うぅぅ…」


 エリーに何か答えてやりたいけど嗚咽しか出てこない

 なので俺は馬車の後ろについてる取っ手をつかみ立ち上がり握り拳をを掲げた

 するとルーカスがそれに気付きエリーに何か言うとエリーも涙で濡れた顔を上げ無理矢理笑顔をつくりルーカスと一緒に握り拳をを掲げる


 それをみると本格的に涙を我慢できなくなり精神年齢が30をすぎた俺は子どもみたいに声をあげてみっともなく泣き叫んだ


 そんな俺たちを乗せた馬車は少しだけゆっくりとしたスピードで約6年間過ごした第2の故郷と呼べる場所から遠ざかっていった


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