第2話 初めてのおつかい…ではなく、初めての魔法
要望や誤字脱字があれば気兼ねなく伝えてください
作戦決行時間は昼食を食べた後だ
この世界に来て半年になるが最近ようやく離乳食が食事に含まれ始めている
精神年齢が25才の俺からしてみれば毎日毎日同じ味のするミルクというのは何の罰ゲームなのかと叫びたくなる
また、この半年間で最大の成果は話すことが出来るようになったことだろう
最初の頃は全くといっていいほど話すことができなかったが暇さえあれば話す訓練をし続けた結果たった半年で話せるようになった
だからといってエリーやルーカス、またはメイドの前ではまだ話したことはないが…
そんなことは置いといて、後少しするとエリーが昼食を持ってくる
そしてそれを食べ終わるとお昼寝の時間だ
この半年間赤ん坊の睡魔を我慢する訓練をしてきたからある程度ならば、耐えることが出来るようになった
「オリヴァーご飯ですよー」
エリーが部屋の中に入ってきた
エリーは哺乳瓶しか持ってきていない
ということは今日の昼食には、離乳食は出ないということだ
またあの味かと思うと辟易する
とか思っていたらエリーがシャツをまくり始めた
通りで哺乳瓶の中のミルクの量が少なかったわけだ
羨ましいだって?
そんなにいいものではないぞ…
エリーは、結構…いや、かなりの美人だ
そんな人がほぼ上半身裸になっているというのに俺の息子は、ピクリとも反応しない
この気持ちが分かるか?男としてのプライドがズタボロになるぞ?
今となってはもうなれたが…
そもそも馴れてしまっていいのだろうか?まさかこのまま…
よし、考えるのはよそう
そんなこんなでお腹がいっぱいになると睡魔が襲ってくる
そんな俺の様子に気付いたエリーは、抱きかかえていた俺を再び寝かせる
「うふふ。おやすみオリヴァー」
エリーは、俺にキスをすると部屋を出ていった
それから数分睡魔と戦いエリーが部屋に戻ってこないのを確認すると起き上がる
「さて、やるか」
先ずはベッドから降り扉の前にたつ
この家は幸運なことに扉にドアノブは付いておらず、扉を押すだけで簡単に開くようになっている
これがもしドアノブが付いていたら、この計画を実行するのにもう少し時間がかかっていただろう
俺は先ず扉を少しだけ開け周囲をうかがう
この時間、メイドはエリーの食事の手伝い、またはそれぞれが昼食をとっているはずだが念には念を入れる
「よし、誰もいないな」
俺は部屋から出て階段を目指す
俺の部屋は、1階にあるが父親の部屋は2階にあるから階段を上らなければならない
俺は元の体ならなら3分もかからない道のりを10分もかけて歩いた
ほんの少し歩いただけなのにもう疲れてきた
しかもこの体で見る階段はとてつもなく1段1段が大きく、さらに最上段までが遠くに感じる
もう少し体が成長してからにするか?と思ったが好奇心を抑えられず結局上ることにした
この体で階段を上るには体全体を使わなければならず上りきったときにはへとへとになっていた
「暁…いや、オリヴァーここは踏ん張り時だ」
自分で自分を鼓舞しながら父親の部屋に向けてまた歩きだす
今度はそんなに歩かずに着いた
さすがアシュリー家の当主の部屋といった感じで扉からして他の部屋とは存在感が違う
俺は自分の部屋の扉に比べて明らかに重たい扉開き中に入る
中に入ると先ず目に入るのは黒い光沢が光る大理石で出来ているであろう巨大な机だ
それから部屋の中全体を見回してみても素人でもそれなりに高価な物だと分かるようなものが多く存在していたが目当ての本棚が無かった
「あの扉の中か?」
この部屋には隅の方に1つ扉が存在していた
「頼むからあってくれよ」
俺は祈りながら扉を開けた
開けてまず感じたのはあの独特な本のにおい
そして部屋自体は小さいがその部屋いっぱいの本棚。所々空いている場所もあるがほぼすべての本棚が本で埋まっていた
「まだ、まだ喜ぶには早いぞオリヴァー」
最大の懸念事項だった文字はやはりというべきか日本語だったので一安心だ
俺は順番に本棚を探していく
しかし8割方探し終わったが目当ての本はまったく見つからない
もしかして無いのかもしれないと思いながらも残りの本棚を探した
そして最後の本棚にそれはあった
『はじめての魔法』
異世界転生ときたらやはり魔法だ!
この世界のことが書いてある本なんて後回しだ!!
この部屋は本を読むには暗いのでその本をもって部屋からでた
◇ ◇
本が大量にあった部屋から出た俺は、日光が窓から入り込み明るくなっている所の近くに座り込み本を開いた
この本によると魔法を使うには魔力が必要となり、その魔力は多かれ少なかれ人には必ず備わっているそうだ
また、マジックアイテムと呼ばれるものも存在していて、いわゆるマジックアイテムが機械で、魔力が電池のようなものと考えれば分かりやすいだろう
肝心な魔法の使い方についてだが、魔法を使うにはまず詠唱が必要となり、上位の魔法の詠唱となると数時間単位の時間を詠唱に使うこともあるのだそうだ
そして魔法の威力は魔力の量とイメージ力で差が出る
また、魔力制御の技術を高めれば魔法の細かい操作が可能になる
この本に書いてあることを要約するとこんな感じだ
「ほう、これはおもしろい」
この本の最後にこの本は一種のマジックアイテムになっていてキーワードを唱えると起動するようになっていると書かれていた
それを早速やってみるため俺はキーワードを唱えた
『我が名において汝の存在を現さん!』
そう唱えると本が淡く光だし体から何かが流れ出すような感覚がした
この流れていくものが魔力なのだろう
俺はこの感覚を覚えるために集中した
本が光始めてからだいたい10秒位で本は光が消え、それに伴い魔力が流れ出す感覚もなくなった
「さっきまで魔力とか全く分からなかったのに今は自分の体の中の魔力をはっきりと感じる…」
それは不思議な感覚だった
体に違和感があるのにその状態が妙にしっくりきている、そんな感覚
「魔力の把握は難なくクリアしたから次はやっぱりあれでしょう!」
そう!無詠唱だ!
「異世界にきて、しかも魔法を使うには詠唱が必要だと言われたらやるっきゃないっしょ!」
てなわけで目をつぶって集中する
先ずは魔力を手のひらに集める
そしてそれを火…は、屋内だから止めとくとして水に変えるようにイメージする
目を開けると手のひらの上に目薬の水滴位の大きさの水球が浮かんでいた
「しょっぼ!まぁ無詠唱で魔法を使うことが出来ると証明出来たから良しとするか」
前世では近接戦闘はお手のものだったが遠距離からの攻撃に対する対抗手段が無かったから殺されてしまったと考えると魔法は何がなんでも習得したい
という訳でこれからしばらくは先ず魔力制御の上達に、よくアニメである体に魔力を纏ったりして身体能力を上げたりといった、魔力の魔法以外の使い道の模索に、もう少し体が成長したら前世でせっかく極めた合気道の修練をしたりやることが山積みである
「うし!流石にそろそろ睡魔に耐えられなくなってかたから部屋に戻って思う存分寝よう」
俺は本を元の場所に戻し、エリーが俺の夕食を持ってくるまでぐっすりと部屋で眠った
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