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LIGHTNING EDGE-神々に挑む剣 -  作者: 金属パーツ
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4話シーン16「家族、一致団結」

「あなた!」

「メティー、アンドリューとターシャは!?」

「先ほど、ジャンドゥに託して森の中へ逃がしました!

どうにか逃げ延びてくれれば良いのですが‥」

私達の胸に拭いきれないほどの不安がつのる。

窓の外からは我が貴重な領地であるオルヴェ村に火の手が上がり、

赤々と燃えているのが見えた。

屋敷には既に多数の侵入者が入り込んでいると見え、

屋敷のあちこちから悲鳴が止まない。

一体、何が起こっているのか。

最も信じられない事であるのだが、窓からはこの屋敷を包囲している

兵士達が見えた。

彼らの手には旗が掲げられている。

口から火を吐く赤竜と剣が重なって描かれた紋章が飾られている。

あれは、この国を支配するサラマンドル王家の紋章である。


「キャッ」

私とパトリックは侵入してきた兵士達によって捕らえられ、

屋敷の庭の芝生の上で押さえつけられる。

屋敷の周辺は地獄絵図のようだった。

屋敷の窓からは幾つもの火の燃え上がるのが見え、家財や切り捨てられた使用人達が焼かれていくのが見える。

生きて捕縛された使用人達は縄で捕縛され、屋敷の中から連れ出されてくる。

彼らは庭の一角で設けられた処刑場所で涙を流して絶叫し抵抗するが、

鍛えられた兵士達に抗うことができずに淡々と首をはねられている。

メイド達の何人かは下卑た表情でニヤつく兵士数名に林の中に連れていかれるのが見えた。

連れていかれる際、メイドとメティーの視線が合う。

その目は必死にこちらに助けを求めていた。

だがメティーではどうすることもできず、メイドが木陰に消える直前、

「ごめんなさい」と口を動かすことしかできなかった。

「殿下!」

メティーとパトリックを見張る兵士の一人が背筋を正して敬礼する。

良く鍛えられた肉体、それに釣り合う程の絢爛な鎧を纏った男性が近づいてくる。

抑えつけられた二人の前に歩み寄ったその男はメティーとパトリックを見下ろす。

「エリック王子殿下!何ゆえ、このようなことをなさる!

これは如何様な我らへの仕打ちなのですか!?」

「黙れ!パトリック・オルヴェラート伯!

貴様こそが我が獅子身中の虫であったこと、

この俺が気づかぬと思ったか!?」

エリックは憎々し気に、大変な憎悪を込めて弟パトリックを睨みつけていた。

「身中の虫・・・ですと?」

「しらを切るつもりか!

貴様が俺と同じく先王の血筋であることを利用してこの俺を失脚させ、

影で派閥を作って己を次期国王へ推挙しようという魂胆は明々白々である!」

「そんな!?」

メティー達にすれば言いがかりも良い所だった。

彼らはただ何時だって国に、国王に、兄に対して配慮をしてきたつもりだ。

伯爵家でありながら多くの領地を望まず、野心も抱かず、辺境伯でも無いながら

王都から遠ざかった。今では派閥を作れるほどの人脈さえないのだ。

そんな自分達がそのような野心なぞ持つはずがない。

「それは何かの誤解です!」

「黙れ逆賊どもめ!!」

「兄上!」

「そのような呼び方をするな!!」

気が高ぶってのこととはいえ、『兄』の呼び方に周囲がざわついた。

バキッ

エリックの拳がパトリックを頬を殴った。

それを見て何も言えず、メティーは押し黙ってしまう。

エリックの目は正常とは思えなかった。

狂気を宿し、錯乱しているかのように見えた。

とても自然にそうなったとは思えない。催眠?洗脳?

誰かの陰謀だろうか?

だが今の只人となったメティーにはそれを解く手段がない。

彼女はただ、使用人のジャンドゥに預けた子供達が無事に逃げおおせることを願う他なかった。

「殿下、残りの二人も見つかったそうです」

〈ふたり!?〉

それを聞いたメティーの心に不安が広がる。

「ほんと~か~?」

狂気に染まっているエリックがねっとりと疑り深く兵士に尋ねる。

「ハッ、間違いないかと。屋敷の使用人だった男が登降し持ってきました」

兵士は少し離れた位置から近づいてくる男を指さす。

その男は手にした袋を手にして、ペコペコと頭を下げながら近づいてくる。

「へっ、へへ・・エリック様・・えと、ご、ごきげんうるわしゅう?ございます」

〈ジャンドゥ!?〉

その男とは子供達を任せて逃がした筈の使用人のジャンドゥだった。

ジャンドゥはその袋を中身ごと兵士に差し出すと、エリックはそれを

奪い取るように袋を横から取り上げ、中身を改め始める。

「・・・ウム、間違いなさそうだな」

その袋の中には、二つのボールが入っていた。

真っ白くて柔らかそうで、金色の糸が全体の半分近くびっしりと縫い付けられた

ボールだ。

ところどころ赤い何かで汚れている。

「あ・・・あ・・ああ・・そんな・・」

いや違う、あれはボールなんかじゃない。

もっと貴重で大切な。この場に在ってほしくない、

できれば夢であってほしいとさえ思った。

メティーとパトリックにとっては大切な愛しいモノ。

それを捧げたジャンドゥは、代わりに金貨がたっぷりと詰まった袋を受け取った。

「・・・・ジャンドゥ・・・子供たちを、売ったのですか?」

やっとの思いで口からそれが漏れた時、やっとジャンドゥはメティー達の存在に

気付いたかのようにそちらを見た。そして申し訳なさそうに頭を下げる。

「すいませんね・・・奥様。お、おれだって・・・苦しかったんですよ?

他にどうしようもなかったんです・・・・へへ」

いや、彼に良心の呵責があったのか疑わしい。

すまなかったと詫びながらも、彼の口元は笑みを浮かべていたのだ。

まるでメティー達を劣る者と、自分を優位にたった者と見るような

そんな汚らしい笑みを浮かべて、ジャンドゥは足早にその場を去ろうとした。

「待ちなさい!ジャンドゥ!

子供達を殺しておいて、私達の命がけの願いを踏みにじっておいて!

裏切り者!その汚らしいお金で飲むお酒が美味しいと思いますか!?

そのお金で得た女を抱くのは幸せというのですか!?

答えなさいジャンドゥ!逃げるなー!!」

メティーは兵士に抑えられているにも関わらず身を揺らして、

走り去るジャンドゥに叫び続けた。だが彼はそんな言葉が耳に入らないのか、

悪人にとって耳心地のよい負け犬の遠吠えに聞こえるようなのか、

ジャンドゥは足を弾ませて軽やかに走り去っていくのをメティーは見送る。

「エリック様、どうかその子らをお返しください!」

メティーはエリックに牙をむいて睨みつける。

その形相が獣じみて悍ましさすら漂わせていたのか、慌てて近くの兵士が

三人がかりでメティーを更に強く抑えつける。

「離しなさい!返せ!アンドリューを!ターシャを返せ!返せ!」

地に顔を押し付けられ、その身には重い鎧をきた大の男が三人がかり、

何百キロにもなろうかという重さでもってメティーは抑えつけられた。

「やめろ!妻から手を放してくれ!そのままでは妻がつぶれてしまう!」

パトリックは必死で兵士達に呼び掛ける。

「頼む兄上!王太子殿下!私ごときがアナタの地位を奪うことなぞ断じて企むはずがありません!

わたくし達は無実です!ですからどうか、どうかお慈悲を!」

パトリックは自ら地面に頭を擦りつけるほどにこい願った。

だが狂気じみだ目線で正気を保っているように見えないエリックには届くことはなかった。

「おい、これをその辺に捨ててこい」

静かにはっきりとエリックは近くの兵士に命じて、子供達の頭を預けた。

「まちなさい!!」

その時である。一層大きな叫び声をあげたメティーがそれを制止させる。

そのあまりに大きく禍々しく凶悪な母の声に、周囲の兵士達一同の動きが

止まるほどであった。

ずり ずりり

「あっ・・くそっ、動くな、止まれというに!」

ずりり ずり り

メティーはその怒りと憎しみに身を焦がし、全身全霊の力を込めて兵士達に

抗った。

自分の体重の何倍もの圧を受け、骨が軋む痛みを耐え、少しずつ、

メティーの体は兵士達を引きずって前に進み始める。

「ご、ごどもだぢ・・・を・・・返ぜ!」

その様子をエリックは無言で見下ろす。

ずり ずり ずず り

「ごど・・も・・・だぢ!・・・ごど・・・がえ゛ぜぇ!!」

「ひっ!」

子供達の頭を受け取ろうとした兵士が思わず声を漏らす。

歯を噛み閉めすぎて奥歯が砕け、重圧に耐えてアバラが砕け、膝や腕が擦りむいて血を流している。

それでも尚、子供達を取り戻そうとメティーは抗っていた。

〈アンドリュー、怖かったでしょう、辛かったでしょう、痛かったでしょう。

ターシャ、寒くはないですか?お腹は空いてませんか?

母はここです。あなた達のすぐ近くに居ます。

今すぐ、今すぐ抱きしめてあげますからね。

母がお前達を守りますから!〉

「隊長殿!この女、凄い力です・・」

「ほんとに、人間・・・です、か・・・」

三人の兵士の力が及ばず、徐々に振りほどかれそうになる。

神の力なんて捨てて、ただの人となった筈の女が何故これほどの力を

引き出すのか、誰にも分からない。

「ええい鬱陶しい!おい小隊長!早々にその女の首をはねてしまえ!」

エリックは離れて見ていた兵士の一人を指さす。

「はい!」

小隊長は腰に下げた剣を抜き去り、メティーの横に立って剣を振り上げる。

「あんどり゛ゅうを゛、だーじゃ、を゛!がえ゛・・・・!!」

一瞬。小隊長の剣が振り下ろされた。

メティーの首は切り落とされた瞬間に大きく跳ねて飛んでいく。

〈あ・・・〉

その瞬間、メティーの頭部は一瞬だけアンドリューの頭部の近くを掠める。

だが一瞬の触れ合いも叶うことはなく、メティーの頭部はコロコロと転がって、

子供達との距離が胴体よりも更に離れた地点に着地した。

「メティー!あああああ!!メティー!あああああああああああああ!!」

言葉もなくただパトリックはメティーの胴体を見つめて慌てふためく。

〈アナタ・・・私はここですよ?私は・・・〉

声も出せず、動くことも叶わなくなったメティーはただ、パトリックやエリック、

兵士達を瞳に映していた。

兵士たちはメティーに続いてただ粛々とパトリックの首を切り落とし、

アンドリューの頭部とターシャの頭部をメティーの胴体とパトリックの胴体の

近くに投げ捨てていく。

そこへ一人の兵士が気をきかせたつもりか、パトリックの頭をその近くへと運んでいた。

〈あらやだ・・・これでは私だけ一人ぼっちですか?

私もあの子達の傍へ行ってあげたかった・・・のに・・・・〉

残念な想いを胸に、徐々にメティーの意識は遠ざかり、

メティーは独りっきりでゆっくりと閉じて行った。


歴史は勝者によって作られるものである。


今回のオルヴぇラード家の事件はその後、王家に連なる者同士の継承戦争だったと脚色され、無関係だった遠縁の親族たちも巻き込んで全て粛清された。

オルヴェラートの家名は長きに渡って封印され、

この件の真相を知る者は居なくなった。


そうしてメティーはメティースへと戻された。


それから何百年経過しただろうか。

天界へと戻されたメティースは女神に戻ったのであるが、未だ告げる女神としての務めに戻ってはいなかった。

ヨシヨシ ヨシヨシ

どうも、メティー改めメティースです。あれ?どっちが私の本当の名前でしたっけ?

まあどうでも良いですよもう。

あれから何百年経ちましたっけ?もう三百年ぐらいでしたか?

なんかエリック王のやらかしが原因で革命が起きてサラマンドル潰れちゃったそうですね、ザマァ!

それで次のワイバーン王家が治めてるとか、まあ私にはどうでも良いですけどね。

あれ以来、私全然働く気がなくなりました。

やっぱり駄目ですね、子供達のいない世界なんて味気ないです。

孫とかひ孫の顔も見たかったでけど無理ですね、はい。

今は数万年ぶりに天界の自宅へ帰ってきて、時の神メダこと、

お母さまに甘えさせてもらってます。

ああ、お母さまの頭なで懐かしいナリー。


お母さまは神の中でも特に原初から居る古参の女神なんです。

そのお仕事はなんとびっくり「時の管理」

どう管理するかは私にもよく分かりませんけど、

このお母さまの存在は主神様だって無碍にはできません。

偉いんです〈非力な私と違って・・・〉


そのお体は不定形でふわふわしてて、そのお顔は時計に似てます。

時計『に』似てるというか、時計『が』お母さまに似せて作られたらしいんです。

そのお顔は秒針の様な右眉毛に分針の様な左眉毛、時針のような太い

お鼻をしてらっしゃいます。

その瞳は常に閉じているように見えて、開いたのを誰も

見たことがないらしいです。

そんなお母さまにナデナデされながら私、ずーっと寝てます。

お母さまに運んできて頂いたご飯を寝ながら食べて、デザートも毎食頂いてます。

トイレはどうしてるか?

〈神はトイレになんか行きません!食べたものは全て無駄なく吸収されるんです!!〉

ある時、ふと時折意識を取り戻した私は周囲を見渡すんですけど、

偶然に部屋の中で大きな姿見が目に入ります。

そこには顔以外が不定形なお母さまにでっこされながらナデナデされる

私が映っています。

それを見ていると、ふとまた子供達のこと思い出しちゃいました。

寒かったでしょう、痛かったでしょう、心細かったでしょう。

それなのに私はあの子たちの最後に何もしてあげられませんでした。

今、私がお母さまにして頂いてることって、私があの子達にしてあげたかったことなんでよね。

ああ!なんでですか!どうせ今頃は来世に入って新しい生をエンジョイしてますよ。

私のことなんてどうでもよくなってますって!!

それなのに、たかが数年程度一緒にいただけの人間に、我が子とはいえ、

こんな何百年も忘れることができずに苦しむなんて!本当に想定外です!

なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!

なんで!私はあの子達と同じところへ行けなかったんですか!!

「う・・・ぅぅぅぅうぅ・・・」

溢れる涙が止めることはできず、私はまた何回だって泣いちゃいます。

わたし、こんなに弱い女神でしたっけ?そんなに重い女神でしたっけ?

それでも悲しいんです。

「助けてくださいませ・・・・母様、兄さま、姉さま・・・」


悲しむ母女神メダは、どうすることもできないのか、ただ娘を抱きしめて、

頭を撫でていた。



そしてそれから数年後。

神の一年=数百年とかそういうんじゃないですよ?

本当にアンドリューの一生分とかそのぐらいの短い時間が経っての頃です。

私は呼び出されました。

あの主神様にです。

私は母様の付き添いのもと、天界で最も荘厳で豪華絢爛な宮殿へと呼ばれ、

玉座に座す主神様へとお目通りが叶いました。

〈いったいなんで?〉

と思い当たることもないので不安だったんですけど。

その用事というのの第一、それは主神様から私への詫びでした。

「・・・・そうだったのですね」

主神様が言うには、例のエリックの暴走は主神様によるものだったそうです。

目的は私を天界へと呼び戻すため。

ただ、私を殺めて早々に帰還させるために人間の心を操った。

だが、あれほどの大惨事を起こすとは想定していなかった、

というのが主神様の説明でした。

「・・・・・そうですか」

聞き終えた私はそう呟くと、体からじわじわと怒りのエネルギーが湧きだすのを

感じていました。

チャキッ

それを感じ取った衛兵の武神が刃物を抜きかける。

それを見て付き添いの母様が私の肩に手を置いて私を諫めました。

「ご安心を、母様。大丈夫です・・・・」

それだけ言って、私は不相応にも顔を上げ、主神様を直視しました。

あまりにも無礼であると武神達は剣を抜いてしまいます。

知ったことか。私がどうなろうと、きっと今よりも

いくらか子供達の近い所へ行けるから。

そう覚悟して主神様を見上げた時です。

主神様の手のひらに、三つの輝きを放つ何かが見えました。

「それは!?」

青く大きい輝きの何かが一つ、小さく弱弱しく輝く青い光が一つ、

更に弱弱しく小さく輝く赤い光が一つ。

それらは人の魂でした。そして誰の魂かも、私ははっきりと分かりました。


主神様は言いました。自分の頼みを一つ聞いてくれれば、その三つの魂に

新しい肉体を与えて蘇生し、私と永久に暮らせる住まいを用意して下さると。

そのためなら、例え戦いに不慣れな女神であろうと、必ず達成させて見せます。

だから待っていてね、パトリック、アンドリュー、ターシャ。

母は、絶対に負けません!


主神様に命じられた指令はたった一つ。

『神々を楽しませながら、この勇者一行を倒すこと』

つまりは体のいい道化役と処刑人を同時に担えということですね。

いいでしょう。そのために私は全てを尽くします。

大神の中でも特に大きい母上の娘として生まれ、上位神を名乗らせて頂いた

私ですが、私だけでは勇者達を倒すことはできなかったかも知れません。

ですから私はお借りしたのです。

偉大なる母、時の女神メダに。

優しき姉、女神メニスに、頼もしき兄、邪神べーゴに、騒がしくも

思いやりのある次兄、邪神ブアルに、私は力を借りているのです。

全ては愛らしき孫のため、甥や姪のために快く受けてくれました。

姉メニスはその季節を運ぶ力を用いて、この屋敷の周囲に春の兆しをもたらし、

チンパンジーたちの成長を助けて使役する力をお借りし、

兄ベーゴにはその老いをもたらす力で私の攻撃に呪いの力を授けて下さり。

次兄のブアルは虫達を操ってこの屋敷に住む木人形を操り、

勇者達を襲わせました。

そして母、時の女神メダには、その時を操る力の片りんを

お貸しくださったのです。

これにより私は一度に最大で数秒程度、時間の停止と巻き戻したり、

高速化が可能に成りました。


今この地下神殿では徐々にカティル達は劣勢になりつつある。

戦いが続くにつれてメティースはその力を少しずつ開放し、

カティル達を苦しめる。

「危機キ!木木々!キキイ!」

メニスの春の祝福で活性化したチンパンジーの群れが姿を見せ、

カティル達を取り囲む。

ブアルの使役する昆虫軍団が操る木彫りのメイド人形たちが空を舞う。

メティースが操る木巨人のツルの先にはベーゴの老いの呪いが付与され、

食らえば体に呪いを受けてしまう。

カティル達は空腹と疲労の両方から力を奪われ、

足元もおぼつかなくなるほどだった。

〈さあ・・・勇者様?私の子供達のために、犠牲になってくださいな!!〉


「ど・・・どうするのよ、これ」

ビシュメルガの中継を受けて眺めていた魔王城のセシリアがポツリと漏らした。

その顔には焦りが見え、助けに行けないもどかしさに苦しんでいるようだった。


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