第四話 微笑みと信頼
ソファで仕事について聞いていると、ルルルルと電話が鳴った。
「ああ、ちょっと出てくる」
聖次はめんどくさそうにスマホを耳に当てた。
しばし黙り、話を聞いていた聖次の顔に動揺が走る。
「……ウソだろ?」
どうしたの、と聞きたい気持ちを押さえ、聖次をじっと見守った。
まったく、入学早々なんだってんだ。
入学してすぐ生徒会長になって、イケメン生徒会長と二人きりとか、ヤバい。
あのまま見つめられていたら、本当にヤバかった。
詳しくは、言わないでも、分かるよね。
心臓のバクバクがすごかったんだもの。
そんなことを考えていると、電話が終わったみたいだった。
聖次は私の座っているソファを一瞥し、近づいてくる。
「葉月美代」
「葉月でいーよ。めんどくさい」
「じゃあ、葉月」
自分で言っといて、少しドキリとしてしまう。
ねぇわかる!?
いくらえらそーな奴でも、イケメンに見つめられたらドキドキしちゃうんだってば!
「協力してくれないか」
聖次は神妙な面持ちで言った。
じっと見つめられ、身動きが取れない。
「……何を?」
「学校で、少し厄介なことが起きてな」
「私じゃ、頼りにならないと思うけど」
へーぼんな私のような女子に、んなことできるかい。
「そんなこと言うな」
聖次は私の目を見ると、口角をあげた。
「お前みたいなやつはなかなかいない。試験でも、トップの成績で入学したそうじゃないか」
「え!?」
トップ?私が!?
私は口をあんぐり開けて、驚いた。静とかじゃなくて!?
「もうちょっと、自分に自信もてよ。お前は多分、学校で二番目くらいに頭いいし、バスケ部だったから体力もある。そもそも、この学校に来ようと思った時点で、度胸がある。――だから、手伝え」
腰に手を当て、聖次は言う。
私は――こんなにまでも自分を信頼してくれる聖次に、驚きが隠せなかった。
それほど前に私の事を言ってくれる人は、初めてだ。
まだ初対面なのに――と、私は思った。
面接や、試験の時に、この人は生徒会長を捜していたのだろうか。
やれやれと、私はため息をついた。
仕方ない、やってみよう。
コイツが信用できるかどうかは、それからだ。
「しっかたないな~、やってあげるよ。聖次」
私がそういうと、聖次はニッと笑った。
ご覧くださりありがとうございます!
今回では、葉月と聖次が打ち解けていきました。
どんな問題があったのか、葉月はそれにどう対処するのか。
お楽しみに♪




