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第三 『笑いの貧乏神降臨』

「キリスト教を開いた人物の名前は覚えとるよな?」

「はいはいはいはい!イエス・キリスト!」

「うるさい!お前はいちいち大きな声出さなしゃべれんのか!?」

「はーい!ムハンマド!」

「ちょw、悠人超うるさーいw」「あと、それまだなんだけどー?」

「すびばべーん、ぶえっくしゅ!」

授業がゆっくりと進んで、止まっての繰り返しだ

理由は分かってのとおり、生徒の口出しだ

俺はというと…ノートに落書きしてる

楽しい、すっごい楽しい

このスリル感がたまらない

でも、もうじき皆にばれるのはわかってる未来だよな

だって…

「おい、七音。お前授業中に落書きしやな、生きれんのか?」

目の前に先生がいるからな!

顔がまるで般若だ

あ、男だけどさ。なら鬼だよな

そうかそうか、シマントゴジラは怒ったら、シマント鬼になるのか…退化してるな!

「ブフゥ!」

突然明日が吹いた

おわ、汚ねぇ…って俺のせいか。俺のせいだな。

確信してしまったのだから仕方ない、慌てた様子で駆け寄り、心配した

「わっ、明日ちゃん大丈夫!?」

「ちょ、待って、最低w」

笑いを堪えるのに必死なようだ

おいおい、これで笑ってちゃ後が辛いぞ

あっ、シマントが保健室の先生呼びに行った。

「お前、まだやる気かよw」

その一言で一部の男女が騒ぐ

「まさか…!」「お前ら!?」「嘘でしょ…!?」

何、怖い怖い!何があったの、絶対誤解だよね?何かは知らないけどさ

「恋人だったのか?!」

「なんでだよ!?」

思わずツッコむ、え、なんなの

なんかの公式あるの?

「何やってんの、キモいんだけど」

とある場所から、声が響いた

皆がそちらに目を向ける

パッツンのおさげがこちらを蔑むような目で見ている

「女同士とか超キモい、何言ってんだか…」

肘をついて、はぁとため息をつく様子に、俺は見てるしかなかった

すると突然、恋人なのか?!と叫んだ男子生徒が論破した

「なんだとぉ!?お前は俺らを敵に回した!」

何人かが便乗してきている

「女の子同士の純粋な恋愛!」

胸の前で手を組む女子

「まさに聖なる恋!」

腕を広げ、俺の胸に来い状態の男子

「まさにジャスティス!」

その男子の胸元に飛び込む男子

「俺らは君たちを応援するよ!」

おい親指立てて、こっち見んなよ

だから、違うって

つか、俺に二股疑惑でるじゃんかよ

女と男選べって言われたら、女だよそりゃ

でも、こいつ穂波だし

かと言って、コウちゃん…男だし

俺の場合、体は女・中身は男…

なんだよ、どこの探偵なんだ

いや、子供じゃないけどさ

…七音の為だ、仕方ない

「私、コウちゃんが好きだし…」

すると、先ほど気持ち悪がっていた少女は顔を歪めた。

少女は立って、こちらに歩んできた

「うるさいわよ!霜井戸がなんだって言うのよ!あんなの!ただのバカじゃない!クズよ、アホだわ、能無しよ!」

私の襟を掴んで、叫んできた

(こいつ…ツンデレ担当の…園なんじゃ?)

そんなことを思いながら、俺は呆然とその子を見るしかなかった

だが、掴まれた襟が首を絞めていて、今にも吐きそうだ

「やめて、けほっ、息ができないよ」

わざとらしく咳をすると、少女は少し戸惑い

俺の襟を離し、席に戻った

「席もどれー…何しとんねんお前ら」

先生から見れば、やはりこの光景は滑稽だろう(多少のダジャレスキルってな)

俺と穂波が男女混合生徒に囲まれ、崇められているような感じ

周りの女子生徒はそれに引いているようだが、少なからず俺らを心配しているようではあった

全員が席に着き、先生が教卓の椅子に座った

すると先生はゆっくり焦らすように話し始めた

「あー、突然ですが、今日は早急に帰宅をすることとなりました。理由は、」

先生が理由を言う前に皆が騒ぎ始めた

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!俺の愛しの家ホーリープレースに帰るぞぉぉぉぉ!」

「やった!ライブ行ける」

「ねぇねぇ、ドーナッツ食べいこー」

「いいよー、何食べるのー?」

「誰だ!今自分の家を聖地って言ったの、行かせろ!」

「いいぜ!」

各々が話し始めたので、教室がざわざわと騒がしい

「あああああああ!コホン」

先生がああああと叫び始めると皆が先生の方向に向き、呆然とした

(さすが…ゴジラ!)

「ブフゥ!」

突然明日が吹いた

「フイィ!」

続けて、びっくりした男子生徒 山本が笑った

「アフゥ!」

山本の後ろの女子生徒 川端がびっくりして変な声を出した

「なんだよ、この連体感」

先生が思わず、笑いながら言った

「しら…ないぃぃ」

爆笑を堪えて言った明日は今にも死にそうだった

「合掌」

先生が手を合わせ合掌をする

まだだ!まだいけている!

「チーン」

クラス1声が高いという富士山ふじやまがチーンと言ったのが最後

「ブフゥ、アッッハハハ!待って!高いぃ!フッハハハハハハハハ!チーンって!チーンって!」

笑い続けている、肺が死んでも知らないぞ

(全部俺のせいだけどな!)

「あー」

先生は明日を無視して話そうとする。

「アハァーハハ!」

笑いは途絶えない

「理由はー」

無視

「ブフフフフフフ!」

次は吹き出した

「うっさいわ!明日!笑うなら廊下で笑え!」

とうとう痺れを切らした先生は怒鳴った

「ムリィ!」

腹を抱え、苦しそうに明日は言った

先生、それ社会的に死にます!あと、俺のところに目線向けないでください!

そんな平和な一場面の中、教室に響いた先生の声は平和を壊すことに

「火事だぁ!」

「!?」

「嘘やわ、笑うのやめたんならええわ」

「一瞬心臓止まった…!」

ならなかった

ビックリ損、本当にビックリ損。

ヤクザがいい加減にせぇよ!ワレェ!って言っても文句言えないレベル

俺のそんなどうでもいい事を遮るように先生もといシマントは言った

「理由は、突然台風10号がこちらに向いたので、今日様子見として帰らせると校長か、教頭が決めたっぽい」

なんか、…はっきりしないな、先生

「だるそうに伝えているシマントであった」

「山田は今日、居残りやな」

にっこり涼しげも何もない顔で先生は言った

なんでだよーと騒いでいる中、少し不安げな顔をしている高菜ちゃんが気になるんだが…

(そっか、今日は図書委員の仕事があったな…どうするか)

廊下には人がいっぱいだ

ざわざわと木の音も風の音もかき消すくらいの大行列、うわー、あの中に入って帰りたくねぇな…

「じゃあ、もう準備したら帰ってええぞー」

「シマントじゃあなー」

早いな、山本

俺はー…高菜ちゃんとこ行くか…

「えっと、前原さん。今日の図書委員活動どうしよっか」

少し怯えたようにビクッと体をはねさせ、じっと髪の中から俺を見た

「…先生に、聞いて、みるね」

途切れ途切れだが、聞こえてきた言葉は怯えを増しているようだった

うーん、ハムスターっぽいな臆病な感じの

パールホワイトらへんかな、もしくはなんだろうか…

まぁ、ハムスター話は置いといて、タタタッとシマントの元へと駆けていく

髪の毛がふわふわとなびいて、触り心地が良さそうだ

俺も行こうかな、と足を向かせた瞬間に明日が止めた

「後で、中庭に来てくれ」

穂波は何か話したいことがあるようだ

んー、ちょっとお花畑って言っといて、抜け出すかな?

「あの、あの!」

前にひょこひょこと茶髪のふわふわが浮いているのに気付いたのは、高菜ちゃんが声をかけてくれていることに気付いたからだ

(かわいい…)

「あ、ごめんね、どうだった?」

しどろもどろに答えると、本人は少し安心したようにホッとした

「えっとね、あるらしいんだけど、私だけで終わりそうな仕事なの、帰ってもらっても大丈夫だよ」

一息ついたら次の言葉を言う様子に大丈夫かなと思わせる仕草

なんとも言えない

思わず、高菜ちゃんの手を取って、俺はニコリと微笑んだ

「一人でやるより二人でやる方がいいよ!私も図書委員だし、やらなきゃ職務放棄だもん!一緒にがんばろ!」

高菜ちゃんは少し嬉しそうに頷いた

(穂波と話もあるし、早く終わりそうならそれでいいし、長くなりそうなら少し抜け出そうか)















_人人人人人人人_

 >明日笑いすぎ<

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

明けてからめっちゃ立ってる気がしますが、あけおめです。

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