表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/23

第七 『男のロマンは届かぬところに』

プール回だぁ!

女子に転生したなら、溺れなきゃ、損だな!(にっこり)


「ぷはぁ!」

「つめったーい!」

「ちょっと、水かけないでよー!」

「ふふふー、私には勝てな、もごごっ!?」

目の前でキャキャウフフがある。

だけれど、触れない。

俺が、もしギャルゲーのハーレム系主人公だったら…。

この手は…!この虚しく空を切るこの手は…届いたかもしれないのに…!

「シリアスみたいにしてるところ、悪いけど、ただのプールだよ?」

「どうしたの?自由時間だから、遊ぼうよ!」

ああ、天使がいる…。そんな澄んだ目で俺を見ないで、罪悪感やばいから。

「そうだね!うんっと遊ぼっか!」

俺は出来るだけの笑顔で、水を高菜ちゃんにかけた。

「ひゃっ!やったなー!えい!」

「私もやっちゃおう!えーい!!」

高菜ちゃんは小さな手で掬い上げた水を俺にかける。

それに反して、勢いよく俺に水をかける明日。

反射力の悪い俺は、大きな波に飲まれる。

「きゃあ!!ブググ!」

「た、大変だよ…!もう明日ちゃん!」

「え、えへへ。ごめんち…」

高菜ちゃんの声が聞こえる。

明日は、申し訳なさそうに謝る。

息がどんどん薄れてきてる気がする。

「って!け、んん。七音はカナヅチじゃん!!?」

「えええっ!?ど、どうしよう!上野さん…!!!」


俺の目の前で、健ちゃんが溺れる。

その光景に動けずにいる俺の頭には、走馬灯のようなものが流れた。

小学三年生くらいだろうか、健ちゃんと俺が川に遊びに行った時だ。

雨が降った後だったからか、川の水は増していた。

運悪く、足を取られた健ちゃんだけが川に溺れた。

大人が周りにいない、息ができない。

どうすればいいのか、その時の俺にわかるはずはなくて。

健ちゃんの手をずっと引っ張っていた。

やっと引き上げた頃には、健ちゃんは泳ぐことに対して恐怖症を持つようになった。

最初は水が怖かったらしい。

だが、だんだん馬鹿らしくなってきたようで、怖がりながらも水に触れるようにはなっていた。

さすがだなと思っていたが、水を触れる時の震えようは、とても馬鹿らしくなったと思うようなものじゃなかった。

「健ちゃん、無理しなくていいんだよ?」

「大丈夫、大丈夫だぞ」

自分に言い聞かせるように言うその言葉を俺に向けた。

慌てている俺を安心させるために。笑顔で。

あの時、俺は何をすればよかったのだろうか。

何をすれば、こんなことにならなかったのだろうか。

目の前の健ちゃんを…救わなきゃいけない。

なのに、足が動かない。

そんな、なんで。

今、目の前で起こっている状況は自分が作り出したもの。

どうすればいい?

そんな自分の問いかけに、自分は答えることができない。

隣にいた高菜ちゃんが、俺を一瞬心配そうに見つめた後、ざぶんとプールに入った。

「なんで…」

ぽそっと呟く。

困惑、混乱、錯乱、そんな言葉が頭に浮かぶ。

決心した目が見えた。俺にはない、気持ち。

彼女は立派だ。俺よりも。

勇気があって、おどおどしてても可愛らしい。

「俺は…?」

意気地なし、弱虫、泣き虫、のろま、うざくて、バカで…。

嗚呼、俺って思ったより、クズだったんだ。

友達を放っておくようなバカだったんだ。

「あ、明日ちゃん…?」

「あれ、なん、で、あれ?」

近くにいる女子が俺を見る。

それは尊敬の目でも、軽蔑の目でもない。

混乱の目だった。

俺の…いや、明日の目から涙がボロボロと出る。

拭っても止まらない。

「あ、明日ちゃん!お願い!人工呼吸して…!」

目の前に高菜ちゃんが不安そうに泣く。

どうすればいい?

目の前に目を閉じている七音がいる。

起きない。

呼吸がない。

あんなに楽しそうに笑ってたのに?

ああ、どうしよう。どうしよう。

涙で前が見えない。

歪む、歪む、景色が歪んでいく。

「ケ…ンちゃ…」

手を伸ばす、そこには俺の呼んだ名前の人物ではなく、七音だけが倒れている。

(どうすればよかったのかな?)

俺は意識を手放した。





プールはいいぞい。

そういえば、高校ってプールあったけか…?

この学校はあることにしとこう!(開き直る)

そして、謎の壮大描写だから深いことにしておこう(遠い目)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ