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  作者: 外山
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訪問


キキーッ!



渡部と野波佳が乗る原付が止まった

「ふぅ、やっと着いたか」

野波佳は足場を確認し、原付を止め、渡部をおろした

「はぁはぁ、はぁはぁ、、、」

渡部はほぼ放心状態だった

「大丈夫か?」

野波佳は渡部の表情をうかがう

「、、、う、うん、、、まあ」

渡部は野波佳に返事をしながら周りを見た

「、、、桐島君の家って、、、どれ?」

見たところ周りは住宅街のようだ 年季の入った家が多い

「ああ、誠哉の家、、、つかアパートは、この細い路地を抜けたところだ」

野波佳は路地裏を指差した

「原付は押していった方がいいだろ」

「そっか、、、じゃあ行こ!」

渡部は路地に向かって歩き出した

「その前にヘルメット返せよ」

「あ、、、」





「、、、、、」

渡部は原付を押している野波佳の姿を見て、ある事を思った

「、、、ん?なんだよ?」

「、、、なんか普通のバイクだなぁと思って」

渡部はじろじろ原付を見ながら難しそうな表情をしている

「普通?まあそうだけど、、、」

「なんとなくイメージなんだけど、野波佳君のバイクだから、、、こう、なんていうか、、、」

渡部は原付の荷台に手をあてがう

「荷台が高くなってたり!」

次に渡部はマフラーの辺りに手を向ける

「このエンジンみたいなのが大変な事になってたり!」

最後にハンドル辺りに注目した

「ハンドルがバーッと上に伸びてぐにゃーって手前に曲がってたり!」

渡部は最初歩いていた位置関係に戻った

「そんな事になってるのかなって思ってたから」

「ははっ!原付でンナ事してたら逆にダセえよ」

「? そうなの?」

原付、と言われてもバイクは皆同じだと思っていた渡部にはしっくりこなかった

「50CCだし、2人乗りも出来ねえのにそんな感じじゃおかしいだろ つうか俺も誠哉もあんまバイクとか車とか詳しくねえしな」

「ふ~ん、、、って、えぇ!?」

渡部は野波佳の言葉の一部が引っかかった

「ん?」

「2人乗り出来ないの!?」

「え?ああ、原付じゃ2人乗りしちゃいけねえな」

「さっきしてたよね!?」

「ああ だからホントはダメなんだよ 知らなかったのか?」

「知らないよ!!軽くススメてくるから別にいいのかと思ってた!」

「そか じゃあまあこれからは気をつけろよ」

「なっ、、、~~っ!」

渡部はモヤモヤしながらも、野波佳のあまりにもあっけらかんとした態度に言い返せなかった





渡部と野波佳は路地を抜けた


「おっ、ここからだと見えるぜ?」

野波佳は顔を上げながら言った

「え?」

「誠哉のアパートだよ ほら、正面の」

「、、、、、」

野波佳が指したアパートを渡部は眺めた


周りの住宅と同じく、少々年季の入ったアパートで、

一階に6部屋の2階建てだった


「んで、一階の左端が誠哉んちな」

野波佳は駐輪場らしき場所に原付を停めた

渡部は桐島の部屋を眺める

「、、、、、」

(ここが、、、桐島君の、、、)

そこに桐島がいる、と改めて思うと渡部は少し緊張してきた


「、、、渡部も知ってっと思うけどよ」

野波佳は原付のカギを抜いた

「あいつ、、、親いねえからさ 中学の時から一人暮らしなんだよ」

「、、、、、うん」

渡部は孤児院の中庭で聞いた桐島の事情を思い出していた

「、、、ま、分かってんならいいんだよ じゃあ、行くか?」

「、、、、、」

渡部は黙ってコクっと頷き、両手に持つ紙袋をギュッと握った






ピンポーン



桐島の部屋のインターホンをならした

「まああいつ、いっつも鍵なんかしてねえし勝手に入るん、、、あれ?」

野波佳はガチャガチャとドアノブを回す

「あいつ今日は鍵してんのかな、、、」

野波佳は不思議そうに首を傾げた

「まあそれが普通なんだろうけどね」

渡部は冷静にこたえた

「はーい!今出ますよー!」

すると桐島の部屋の中から声が聞こえた


しかも、女の声だった

「え?」

「、、、へ、部屋間違えたんじゃない!?」

渡部は慌てて野波佳の肩を揺らす

「いや、、、今の声、、、確か、、、」

野波佳は記憶と声を合わせようと頭を回していた


ガチャ


桐島の部屋のドアが開いた

「はい、、、って、え!?」

中から出てきた女は驚いた表情を見せる

「やっぱりお前、、、鈴科!」

「愛ちゃん!」

「焦栄君に歩さん!」

3人は互いに名を呼び合った 桐島の部屋にいたのは鈴科愛だった

「、、、え?」

3人は声を合わせ、互いに顔を見合わせた

「焦栄君と歩さんは知り合いなんですか?」

「鈴科と渡部こそ、、、なんで知り合いなんだよ?」

「野波佳君と愛ちゃんは知り合いなの?」



どうやら、互いに確認し合わなければならないようだ

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