鏖
突然言いがかりをつけられた桐島だったがその場は北脇によってなんとか収まった
昼休み
桐島は昼食を取っていた
渡部達はその横でクイズをしていた
「じゃあ次の問題は私が出すね~!」
徒仲はそう言いながら紙に字を書く
「ホントたまんねえよ、なんだったんだあのバカはよ」
桐島はパンとコーヒー牛乳を食べながら愚痴るように言った
「隣のクラスの、、、確か、九頭 寿だっけ?」
名前を調べた北脇は桐島に教える
「まあどうでもいいけどな」
「はい!これはなんと読むでしょう!?」
徒仲は紙に【鏖】と書いた
「ん~?しか、、がね?分かんねえなぁ」
野波佳は首を傾げた
「はいっ!」
「はい歩ちゃん!」
渡部はビシッと挙手し、徒仲はすぐに指す
「トナカイ!鹿よりお金持ちそうだから!」
「はい天然~!間違いー!」
徒仲は小馬鹿にしながら言った
「はいっ!はいっ!」
九頭は何度も手を挙げる
「はい君!」
「バカ!!バカって読むんだろそれ!」
「はいバカはお前~!間違いー!」
徒仲は先ほどと同じ口調で言った
「誰がバカだてめー!」
バキッ!!
九頭は近くの机を思い切り叩く
「、、、ってなんでお前がいるんだよ!?」
「なんであんたがいんのよ!?」
桐島と北脇は同時に九頭にツッコむ
「え?なになに?」
「なになにじゃないわよ!あんた違うクラスでしょ!?いつの間に侵入してたのよ!」北脇はやっきになって怒鳴った
「ん~まあ別にいいじゃん それより答え教えろよ」
九頭は北脇の話を流し、徒仲に言った
「なっ、、、せ、誠哉!いいのコイツ!?ケンカしてたんじゃないの!?」
「ん?まあ俺に危害加えないならもうどうでもいいよ」
桐島は一歩引いた場所から皆の様子を見ていた
「じゃあ答えを発表します!」
徒仲は答えが書いてある紙をビシッと皆に見せる
「答えは【みなごろし】ですっ!」
「、、、、、」
徒仲の解答に皆は静まり返った
「、、、ホ、ホントか?なぁお前 そのパソコンで調べてくれよ」
九頭は近くにいた外山に言った
「うるせー!お前がさっき机のつもりでパソコンを叩き潰したからそれどころじゃねえんだよ!!データ復旧させねえと、、、!」
外山は予備のパソコンと携帯を使い、九頭に壊されたパソコンに手を加えている
「なんだよ、機嫌悪ぃなぁ、、、」
「ホントだって ホラホラ」
徒仲は携帯のページを見せる 鏖と書いてある
「確かねぇ、この字の組み合わせには色んな説があるらしいんだけど、一番有力なのは、昔は鹿を仕留めて生計立ててる人がよくいたんだって 鹿は角も皮も内臓も残らず売れて要らない部分がないから処分する手間もないし、良いお金になったらしいよ♪」
徒仲は人差し指を頬に立て、笑顔で説明した
「そんな可愛いく言われてもね、、、」
渡部は表情をひきつらせながら言った
「、、、てゆうか、人が飯食ってんのに隣でエグい話してんじゃねえよ、、、」
桐島は意外と繊細な人間なため、こんな話を聞いた後は食が進まなかった