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  作者: 外山
14/216

遭遇

夕方5時頃


バシャバシャ


渡部はトイレの洗面所で手を洗っていた

「、、、ふぅ」

渡部は気持ちを落ち着けるように息をつき、今日の昼間の事を思い出していた









「和也先輩、、、お、お久しぶりです!」

渡部は慌てて頭を下げた

「おう、久しぶりだな!ホントはもっと早く会いたかったんだけど、お前携帯持ってねえからさ!連絡のしようがなかったんだよな」

西野は久しぶりに渡部に会えて嬉しそうだった

「もっと早く、、、ですか、、、?」

渡部はカァーッと顔を赤らめた

「ああ、そんで、歩がこの南涯高校に通ってるってのは知ってたからさ 会えねえかなぁって思って今日来たんだよ」

「え、、、わ、私の為に、、、?」

渡部の問いかけに西野は頷いた

「そしたらこんなカッコしてるし、、、お前なにしてんだよ!」

西野はメイド服を見て、笑いながら言った

「あ、、、うぅ、、、」

渡部は恥ずかしそうに手で全身を隠す

そこで西野は、後ろの客達が気になった

「そろそろ俺邪魔かな、、、、歩、ここ、何時に終わるんだ?」

「え~っと、、、6時の予定なんですけど、、、このペースだと3時半か4時頃には売り切れそうみたいな事を言っていました」

渡部は時計を見ながら桐島、浜、美嚢の会話を思い出していた

「そか、、、じゃあさ、5時ぐらいに、あの校門の近くのでかい木の前に来てくれないか?」

「え、、、?」

「話したいしさ、、、じゃあ頼むな!」

西野は渡部の返事は聞かず、どこかへ去ってしまった

「あ、和也せんぱ、、、」

渡部が名を呼ぼうとする頃には、西野は人ゴミに埋もれてしまっていた








そして現在


(和也先輩、もう待ってるのかな、、、)

渡部は鏡を見ながら少し緊張していた

(、、、行こう)

渡部はそう決心し、トイレを出た


すると少し離れた場所から叫ぶ声が聞こえる

「2万円~~!!!俺の2万円はどこだぁ~~!!」

桐島の声だった 桐島が高速で移動している事が声からわかった

「き、桐島君??」

渡部が昇降口を見た時にはもうすでに桐島の姿はなかった

「、、、なにしてるんだろ、、、あっ、ダメダメ!」

渡部は少し桐島に気をとられたがまた気を引き締め直した






西野は校門の前の木の下で渡部を待っていた

「まだ色々やってるな、、、」

西野は屋台やその周りの人だかりを見ながら呟いた

「歩遅いな、、、あ、よく考えりゃそりゃそうか、売り切れて終わりそうなのが4時ぐらいってだけで、実際は6時までやる予定なんだもんな、、、」

色々と考えていると西野の目の前に紙が降ってきた

「ん?なんだ?上から、、、」

西野は一度上を見たあと、落ちている紙を拾った

なんとその紙は1万円札だった

「俺の2万えぇ~~ん!!!!!」

すると桐島が西野に向かって猛ダッシュしてきた

「っっ!?」

「2万円!!!知りませんか!!?」

桐島は物凄い形相で西野に訊ねる

「え、、、こ、これの事か?」

西野は桐島の気迫に気圧され、今拾った1万円札を見せた

「あっ!!そ、それ、どっから降ってきたんですか!?」

桐島はもう自分で『降ってきた』と言ってしまっていた

「う、上からだけど、、、君のか?」

「は、はい!おそらく!」

桐島は西野から1万円札を受け取った

「ありがとうございます!あの、もう1枚知りませんか!?」

「いや、これしか知らないな 悪いね」

「、、、そうですか、、、ありがとうございます、、、」

桐島は急に元気がなくなり、小さく頭を下げた

すると誰かが小走りで走ってくる足音が聞こえた

「和也先輩!」

西野の名を呼んだのは渡部だった

「え?」

桐島は聞き覚えのある声に振り返る

「おう!歩!」

西野も渡部に手を振り、自分の居場所を示した

「すいません!ちょっと遅れま、、、え?桐島君?」

「渡部、、、?」

「、、、?」


3人はそれぞれ、呆然とした表情を浮かべていた

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