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  作者: 外山
12/216

文化祭開始

「これより南涯高校文化祭を開始します!」


校内にも校外にも発せられるスピーカーから聞こえたこの言葉を合図に校門が開かれた

校門近くには全体の案内図が書いてある紙が張り出されていた


「お、なんだこれ メイド喫茶とかあるぜ」

「面白そうだな 朝飯食ってねえし、ちょっと見に行こうぜ」

案内図でメイド喫茶を見つけた一般客は試しに見にいく人が多かった




「ここかな、、、」

「だろうな もう【メイド喫茶】って書いてあるからな」

「、、、なぁ、写真あるけど、この子達がいんのかな」

「いや違うんじゃねえ?こんな可愛いのいないだろ」

「ちょっと覗いてみるか」

男達は教室の中を覗いた

すると、呼び込むために教室から出てきた徒仲と鉢合わせになった

「あっ、いらっしゃいませ!」

徒仲は笑顔で教室に招き入れた

「お、おい!ホントにいるじゃん!」

「入ろうぜ!」






その様子を野波佳は厨房から見ていた

「誠哉 最初の客、入ったぜ」

「、、、よし」

桐島は長椅子からゆっくりと立ち上がった





2時間後


「すいませーん、オムライス一つ」

「は、はい!かしこまりました」

「忙しいところ悪いね こっちはサンドイッチを一つたのむよ」

「はい 少々お待ちください!」

開場してから2時間、メイド喫茶はかなりの人気でだんだん客が埋まってきていた

だが料理担当が桐島、浜、美嚢しかおらず、浜は午後から参加のため今は2人

2人ではなかなか注文が追いつかず少しずつ遅れてきていた




「、、、ふぅ」

桐島は汗をタオルで拭う

かなり疲れているのが見て取れた

メインで作っているのは桐島なので、美嚢より疲れるのが早かった

「大丈夫?桐島君」

「はい、、、とりあえずこれ、お願いします」桐島は美嚢に作業を渡し、次の作業へと向かう




「うわ~、おいおい見てみろよ野波佳 客いっぱいだぜ」

外山は厨房から外を覗く

「てめーも皿洗えや」






更に2時間後



昼の1時、客の数はピークをむかえていた


「おーい、こっちまだか?」

「遅えなぁ、ったく」

たまってしまっている注文をなかなか処理出来ず、だんだん客は苛立ってきていた「申し訳ありません!少々お待ちください!」





「はぁはぁ、、、」

桐島は料理の熱気とかなりの労働量で意識が朦朧としてきた

「桐島君大丈夫!?」

美嚢は自分に手一杯ながらも桐島を気遣う

桐島は思わず膝に手をついた

「はぁはぁ、、、あっちぃ」

桐島は首にかけているタオルで出来るだけ汗を拭った





「ちっ、おい、もう出ようぜ」

男の1人が席を立った

「いくらなんでも遅すぎだろ もう30分は待ってるんだぞ」

男は連れに言いながら荷物を持つ

「ま、待ってください!」

引き止めたのは北脇だった

「、、、あのさぁ、メイドの子達が可愛いのは分かるんだけど時間かかりすぎ 何人で料理してんのか知らないけど、、、」

「間もなくお待ちいたしますので、、、もう少しだけ待ってください ご主人様!」

北脇は小首を傾げ、精一杯かわいく言ってみせた

「、、、お~!なんか可愛い~!」

「慣れてない感じがいいよな!」

「お~いかわいいぞ~!」

客達は北脇を持ち上げるように騒ぎ出した

だが騒げば騒ぐほど北脇は恥ずかしかった

「はは、、、」

北脇は顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうにうつむく

「、、、分かったよ もうちょい待つよ」

男は北脇の熱意に負けたのか、また席に戻ってくれた

「よ~し決めた!俺はどんだけ待たされてもこの店で飯を食うぞ!」

「俺も俺も!」

1人の客がそう言い出すと周りの客達も便乗しだした




(へっ、、、紗菜、、、あいつ、一番嫌がってたくせに、、、)

桐島はまた汗を拭き、ビシッと立ち上がった

「もう大丈夫です それよりこの盛り付けお願いします」

桐島は美嚢に皿を渡した

すると厨房に誰かが入ってきた

「うむ 順調そうだな」

浜は三角巾とエプロンをつけ、スタンバイしていた

「エプロンも似合いますね!浜さん!」

外山はじろじろと浜を見る

「気持ちが悪い 寄るな」

浜は外山を一蹴し、厨房につく

「よろしくお願いします浜さん」

「うむ」

桐島と浜は作業内容を確認しあった







更に1時間


客の数は少し減ったが、それを差し引いても先ほどより回転効率がよかった

浜はかなり手際が良く、桐島は全パターンの工程をこなすのに慣れ、良い流れだった


「桐島君 浜さん 休憩終わったわ」

美嚢はまた厨房に入った

「うむ では桐島 少し休め」

浜は手を休めず指示する

「はい 俺が休憩から戻ったら先生はレジにまわってください メイド組が回してレジをしてますが大変そうなんで」

「うん、分かったわ」

「おい外山か焦栄 1時間経ったら起こしてくれよ。。。。。。。」

桐島は言い終わると同時に長椅子で眠りについた

「寝んの早すぎだろ!」

「それだけ疲れてんだよ」

外山と野波佳は皿洗いをしながら桐島の指示を受けた






「あゆみん このテーブル空いたから次のお客さん呼んできて」

安川は皿を持ち、テーブルを拭き終え、渡部に言った

「はい!」

(あゆみんって、、、まあいっか)

渡部は何かひっかかりながらも安川の指示通りに動いた


「お待たせしました!次のお客様どうぞ!」

渡部は教室のドアを開け、前にいる客に言った

「、、、歩?」

「え?」

渡部は顔を上げた

「やっぱり歩だよな!俺だよ俺!西野だよ!」

「あ、、、か、和也先輩、、、?」


西野和也は、中学時代の渡部の先輩だった






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