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ミリアの孤児院奮闘記(仮)  作者: 三女和歌
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5歳の狩り解禁

食堂に向かう廊下には非常に良い匂いが充満していた。



めちゃめちゃ良い匂いがしている。ミリアは思わず顔がニヤける。これから、ウサギ肉とキジ肉のスープを食べられるんだ〜。とウキウキしながら食堂に向かう。



他の子供達もいつもよりも食欲がそそる匂いにつられてどんどん食堂に集まって来ていた。



みんなが着席すると、

「は〜い。皆さん、すでにこの匂いでお気づきの方もいるかもしれませんが、今日の夕食には何とウサギとキジのお肉が入っています!」サルー院長先生が笑顔で発表すると、



わーっ!!と拍手がわきあがり、子供全員がとても喜んでいた。



「これは、なんとミリアさんが買ってきたお肉です。皆んなで食べるようにと持ってきてくれました。みなさん、あとでミリアさんにお礼を言ってくださいね!」



サルー院長の話を聞いて小さい子達はミリアに「ありがとー!」と素直にお礼を言い、年長の子たちは驚きながらも「すごいな!ありがとな!」と褒めてくれてミリアはもっと頑張ろうと思った。



「またミリアさんはまだ5歳ですが、狩りで獲物を取ってきました。これまで6歳から全員で講習を受け、合格者が森に入ることを許可していましたが、これを機に希望者は5歳であっても講習で合格すれば森に入れることとします。4歳以下はまだ安全面に不安が残るためこれまで通り森へ入ることは禁止です。5歳の子達で森に入りたい子は私に伝えてくださいね。年長者に講習をお願いします。さあ、話が長くなってしまいましたね。今日の夕食を食べましょう!!

それでは、みなさんお手を合わせて『いただきます!』」



今日の夕食での会話は、先程サルー院長が言っていた5歳から森へ入れるようになったこと、5歳のミリアが狩りに成功したことで持ちきりだった。



いつもと変わらずスープと硬い黒パンであったが、お肉の入ったスープはいつも以上に満足感を与えて全員を幸せな気分にしてくれた。




ウサギとキジ肉入りのスープに黒パンを浸しながらミリアは、もっと食事を充実させることは出来ないか考えていた。



先程キジの骨を取っておいてもらうように伝えたが、ミリアはコンソメや鶏がらスープの素を作ることが出来ないか考えていた。

いつも非常に薄い塩味のスープなのだ。これは正直言って美味しくない。今日はなくからダシが出ているからかいつもよりは味が付いているが、普段はとっても薄いのだ。


孤児院のみんなはこのスープしか飲んだことがないため、スープといえばこういうものだと思っており不満の声は上がらない。しかしながら、ミリアには産まれてから食べたことはないのに、さらに美味しいスープの味だけは知ってしまっているのだ。



コンソメスープや鶏ガラスープを思い出したミリアは今のスープの味では我慢できないのであった。



よし!明日は罠の確認の後はスープの素を作ってみよう!



もしかしたら料理を作っている間に他のことを思い出すかもしれないしね。

ミリアはワクワクしながら明日に思いを馳せるのであった。

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