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先輩が絶対に勝てない試合(★1100)

カルラ「……」


不思議そうなイルナ。

無理に笑うわけでもなかった。

夕日が眩しい。


ただ少し走ってみたい、とその辺の空気を吸ったりしていた。

「夕日が眩しー」

「バカか」


「あはは…」

「クルクル」



今はただ、これでいいんだと。

これで。




エルウェンがいる。


「いけません騎士団長」

「ここは街中……剣を抜いてしまっては」


「な!」

「こいつ兄貴に向かって剣を抜くとはいい度胸だな」

「このイルナ様が黙っちゃいねーぜ」

「なんだこの子娘は」


「そうだったらはしたないことを失礼した」

「覚えておくぞイルナと」

「もう一人の冒険者よ」





ふと気が付くとおもむろに上着を脱ぎだした。

イルナ「な、こんなところで…//!」

エルウェン「隙あり!」



エルウェン「とにかく」


「私は騎士団長です」


「先輩の命、ここでもらい受けます」








「相変わらず先輩はブロンズナイフですか」


エル「頭の装備といいまるで所初心者の冒険者のよう」

カルラ「人は見た目だけで判断してはいけないとはこのことだ」


「ここは我々騎士団の本拠地」

「いいからどいてもらおうか」


「何かがナイフ一本で」


「小癪な」


「私の剣を」

「短剣で防いだというのか」


今まで聞いたことがない音が私の耳に届く。


「なっ!」

ふと見ると私のエクスカリバーにヒビが入っていた。



エクスカリバーを折るなどとありえない。

理解もできなかった。


「お前ケガしてるのか」

「そ、そんなことはないです」


エルウェンは隠れてはいた。

が、彼女の足に大きな傷があるのが見て取れた。

「それでも私は戦います」

「気遣いありがとうございます」




「私も負けるわけにはいかないんです カルラさん」

カシャ。


私はエクスカリバーを持ち直す。

彼は相変わらずブロンズナイフ。


相手の背後に素早く回り込み斬撃を繰り出す。

渾身の回転切り。

しかし、

シュタ。

「当たり前のように避けますね」


「あっ」

体勢を崩す。

「もう勝ち目はないです」

そう言われとっさに体をガードする。


「…………」

エクスカリバーの斬撃を防ぐ用の魔法を準備する。


やられると思った時。

「?」


ふと足元の地面が光り始めた。

そして上にかぶっていた砂埃がはっきりする。


「!」

巨大な魔法陣が現れた。

「私の勝ちです」

「卑怯だと思ってもらって構いません」



事前に準備されていた魔法陣。

「約束された勝利ということか」


「殲滅!」

大きな動向とともに魔法陣が発動する。

ドコオオオ。

辺りを砂煙につつまれる。



「!?」

間髪入れずにその砂煙の間。

エルウェンへめがけてブロンズナイフを突き出した。


「ぐはっ」

しかし、

先輩は剣を止めた。



エルウェンの喉元までブロンズナイフは届いていた。

「ク……」

私は手が出なかった。


カルラ「行くぞ」

イルナ「おお」

イルナ「あの魔方陣を避けるとはさすがだなあ」

カルラ「……」



エルウェン「何で……」

私はただ一人震えていた。

「あの魔法陣が効かないということはそれはもう」

「先輩は」

「この地上の人間ではない……?」

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