表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

悪魔的回想


悪魔は呪いから生まれると、母は言っていた。


当時の幼かった私には、その言葉の意味が分からなくて。

よく母に尋ねたものだ。


「いい? 私達はヒトではない存在。相入れることはないし、分かり合う必要も無い」

「でもね、咲。ヒトが憎いといっても、悪魔自身が呪いを生み出す必要はないの。だって私達みたいな哀しい存在が増えるなんて、それはとっても悲しいことだと思わない?」


「ママのお話、むずかしくてよく分かんない。それに、私人間のこと嫌いじゃないよ?」


「咲……あなたはいい子ね。あなたのような悪魔が増えれば、この世界も少しはマシになるかもしれないわ」


母にワシャワシャと頭をなでられ、くすぐったいながらも、幸福を感じられる。


「好きな子はいるの? ママに教えて」


「えっとね、お友達の綾ちゃん」


「あらあら、女の子じゃない。同じ"好き"だけど、それは違うのよ」


「よく分かんない……この前、綾ちゃんとチューしたよ」


「んん?? あなたたちの間で何があったの?」


「私がアクマだってこと綾ちゃんに話したの。そうしたら、男の人となんてダメだよって言われて……」


「ん〜。そっかぁ、綾ちゃんがねぇ……」


母は何かに納得したように相槌を打ち、私の頬に手を添えた。


「咲ももう立派な悪魔(サキュバス)ね。お友達を誘惑しちゃうなんて」


「ゆーわく?」


「今はまだ分からなくていいの。いつか、本当にあなたにとって大切な人が現れたら、誘惑の仕方を教えてあげる」


「大切な人なら、もういるよ」


ーーーーママでしょ。


ーーーーお姉ちゃんでしょ。


ーーーー綾ちゃんに……


ーーーールリちゃん。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ