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 さて、とんでもない誤解をされた所だが…

 およそ30秒にわたる説明により、無事に向こうも理解してくれたようだ。

 コレ、アカシ、チョウチョウ、アエル。

 まぁ、説明したのはこれだけなのだが…

 と言うか30秒って全然長くないな。

 リコリスに野菜を見せた時は10分くらい掛かってたし…



「全く…何をするのかと思ったぞ」


「それはこっちのセリフだ」


「はぁ…」



 なんで気疲れし始めてるんだ?

 面倒なのはこれからなはずなのにな。

 さてはあれか?ツッコミ待ちか?



「まだ疲れるには早いぞ?」


「いきなりこんな対応を強いられれば誰でも疲れるぞ!?」


「最近の若者は体力が無いのう…」


「余がおかしい流れなのか!?これは!?」



 なんだか数分前までは面倒な奴くらいに思っていたが…

 こう、いい反応を返してくれる奴だよな。

 なんと言うか弄りがい…もといポテンシャルがある。

 別のベクトルのリコリスと組ませるのは面白いかもしれない。

 今も、余はおかしくないはずだ…とかブツブツ呟いてるし。



「あ…」


「どうした?」



 そういえばリコリスで思い出した。

 まだ今日はチーユ草の取引してないな。

 と言うかリコリス、まだ来てなかったし。

 帰ったら家の前に佇んでるだろうか?



「…いや、何でもない」


「何か止事無き事情ではあるまいな?」


「…どうせこの後もついてくるんだろ?」


「あぁ、そうだが?」


「なら分かるさ、きっとな」


「お、おう…」



 な~んて、適当に濁しつつ誤魔化しておく。

 まぁ…何かがある事だけは、伝えておかなきゃな。

 続きは自分の目で確かめてくれ!ってな!



「お、あそこか…?」


「あぁ、そうだ」



 なんて雑談をしながら歩いていたら、そろそろ目的地だ。

 それっぽい建物と塀と門が見えてきて、見張りとしてそれっぽい立ち振る舞いで、それっぽい装備の人が二人も立っている。



「あ、待てファルマ」


「ん?何だ?」


「先に、パーティーをだな…」



(プレイヤー:ゴルドフからパーティー勧誘を受けました。

 リーダーはプレイヤー:ゴルドフです。

 パーティーに加入しますか?)


 ゴルドフがそういうと、パーティー勧誘とYESとNOの選択が出てきた。

 …なんで今、パーティーを?

 特に意味の無さそうな気がする。

 と言うかこの場合は先にフレンド登録からとかじゃないのか?



「あぁ、分かった」



 ここでNOを選択したら面白そうな気がする。

 断られたついでに『ノオォォォ!』とか言ってくれそうな…?



(プレイヤー:ゴルドフからのパーティー勧誘を断りました。

 同プレイヤーのパーティー参加を受ける場合は暫く間を空けるか、パーティー加入申請を行ってください。)



 あ、やべ…

 そんな事を考えたのが、不味かったのだろうか…

 どういうロジックなのかは分からないが、NOが選択されてやんの…



「おい!何故断った!」


「受けるつもりだったが、断った時の事を考えてただけだ!」


「ならば先にYESで良いだろう!?」


「知らん!勝手に選択されるバグだ!」


「そんなバグがあるかぁ!」



 何だか、噴火した様な怒声を上げて切れてるけど…これが事実だ。

 関係無い事を考えてたら勝手に選ばれるバグ的な?

 とにかく俺に切れられても困る。



「と言うかなんで今さらパーティーなんて組むんだ?」


「それは、はぁ…」



 そもそも先に理由も説明せずに納得するとでも思っているのか?

 こちとら初心者だぞ!分かる訳無いだろ!

 …レベルは高いけどな!

 とにかく、それを聞くと何を思ったのか少し冷静になった様子でゴルドフが答える。



「立ち入りに条件があるクエストは、パーティーメンバーなら条件を満たしていなくても入れるのだ」


「へぇ…」


「だから余がパーティーの勧誘をしたのだがな…」


「断ったら待ち時間があるって出てたな」


「そっちがパーティー加入申請を送ってくれればすぐだぞ」


「へぇ~…」


「…」


「…分かったよ、送ればいいんだろ」



 無言の圧力と言うものに、今回は折れてやる事にしよう。

 言わせんなよ、分かってるだろ?という視線での抗議を送る位なら言って欲しいのだが…


 まぁ、そんな訳で、メニューをポチポチ~っと操作する。

 意識で操作出来るからそういうメカメカした表現っていうのは変な感じだが…

 で、パーティーの加入申請…だっけ?

 さらっとメニューを操作していたら、それっぽい項目があるな…

 だけど、ちょっと気になる。


『パーティーメンバーなら条件を満たしていなくても入れるのだ』


 さっきの言葉の意味って、パーティーの誰が条件を満たしていなきゃいけないかまでは話してない…よな?

 もし本当にパーティーの誰かが条件を満たしていて、それで他のパーティーメンバーは条件の達成が必要ないなら…?

 それだと『パーティーメンバーなら』じゃなくて、『他のパーティーメンバーも』じゃないのか?

 加えて、わざわざ『パーティーメンバーなら』と言っていると言う事は、条件を満たす必要があるのはパーティーメンバーとは別の扱いをされる事のある何かではないかという訳で…

 それは、リーダーしかないんじゃないだろうか?

 とか何とか、ひねくれた理由をこじつけてみる。



「よし送ったぞ~」


「うむ、承諾するぞ!」



 結局うだうだと考えてしまったが、パーティー申請を送ることにした。

 だって、その方がどうであれやりやすいしな。

 他に他意は無い。

 無いったら無いのだ。


(プレイヤー:ゴルドフの承諾により、パーティーが結成されました。

 リーダーは現在、プレイヤー:ファルマです。

 パーティーに関する設定はメニューから確認、変更を行う事が出来ます。)


 成る程、承諾や断った場合はこうして分かるわけか。



「よし、じゃあ行くぞ~」


「あれ…?余がメンバー…?」



 鳩が三点バーストで豆鉄砲を喰らった様な顔をしてるが、気にしない。

 とにかく、これで俺が入れるならゴルドフも入れるはずだしな。

 さっさと先に急ぐとしよう。



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