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 時々、自分でも思うんだが…

 ちゃんと一度冷静になって、確認はするべきだと思う。



「痛ってぇ…」



 もう慣れてきている(フォレストワスプ)相手。

 たったの4匹と少ない数ではあったが、HPは驚きの半減だ。

 勿論、俺のな?



「はぁ…アースヒール…」



 モノは試しと意気込んでいたが、まずは襲い来る魔物の数を減らした。

 そこから殴りかかったまでは良かったんだ。

 いつもの様にコマンド枠を出して試しにと、構える、溜める、殴る…

 これで発動するコマンドが発動して、力突きだっけかな?

 やや安直な名前だが、そんな名前が付けられる程に威力は凄まじいの一言だった。

 フォレストワスプの刺々しい殻を砕き、そのまま絶命させる程度の火力。

 ナックルダスター無し…つまり素手で、かつ体術Lv1でこれだ。

 極めていけば、必殺技としての可能性を感じるレベルだ。



 しかし…きちんと柔らかい所を殴るべきだった!

 殴った成果を確認中に拳には激痛が走り、そのままフォレストワスプが消えると同時に地面を転げまわる始末。

 みれば殴った手は血まみれで傷だらけ、おまけに指の形も歪に成る程だった。

 利き手で無かったのがせめてもの救いか?

 …いや、最後の一匹で試したのもだな。


 更に出血と骨折の状態異常も発生し、HPに至っては30%近いダメージを負っている。

 おそらく、この体術系のコマンド全般…ステータスの他に装備や体術自体のレベルによってコマンドの追加効果が大きく左右されるみたいだ。

 例えばきちんとレベルを上げてかつ拳を守る物を装備しているなら、針達磨を直接殴ってもダメージは無い…と思う。

 逆に今みたいにレベル無視かつ素手でトゲ目掛けて拳を振るえばこうなる訳だ。



「全く、とんでもないな…!」



 スキルの威力然り、体術の仕様然り…

 そして俺、叱り…

 自分で自分に言うのも妙な感じだが…

 今回に関してはきちんと自分を戒めなきゃいけないと思ったからな!


 で、他にも体術が他と異なる点があったりする。

 それは基本・共通コマンドを混ぜてのコマンドの成功率上昇に期待が出来ないって点だ。

 まぁ厳密にはコマンドを一個追加するだけで、違うコマンドになるからだが…


 例えば殴るのコマンド一つではパンチだが、構えると正拳突きになり、更に溜めると力突きって訳。

 とりあえず試した感じでだが、共通・基本コマンドが異なる組み合わせで同じコマンド名になることはなかった。

 もっと複雑なコマンドだったらあるんだろうか?

 まぁそれは追々確認って事で。



「さてと、帰るか」



 まぁ元々帰るつもりだったんだけどさ。

 丁度いい所で魔物が出てきたのだからしょうがない。

 とったスキルも試し終えたしな。

 傷もある程度癒えた事だし、本当にこれ以上ここに一人で長居するつもりは無い。

 もう…かれこれ何時間狩ってるんだか…







 と言う訳でささっと何事もなく帰ってきた。

 帰り道で特筆すべきことは何も無かった。

 草原に出た所でもう魔物と出くわす事も無かったし、人とも出会わなかった。

 一応現実では昼だが、ゲーム内ではもう夜だしな。

 精々町の入口付近でしか戦わないだろう。

 いや、もしくはダンジョンか?

 あそこも薄暗いが、明かりはしっかりとあるからな。



 まぁそれはいいや。

 取り敢えず倉庫の方に行って、インベントリに溜まっているドロップアイテム達を大量に放出する。

 大量の蜂の針やら甲殻を始め、強敵だった爪熊の爪に棘毛皮、熊手なんかが少し。

 それから特に印象に残らなかった雑魚達のドロップが僅かに、だ。

 一応迷彩柄の兎とか小汚い猿とか、細いトレントとか居たんだけどな…

 エルフ達の援護も有ってか、適当に撫で斬って終わりだったりとかそもそも殆ど接敵する前に終わったりだったし…

 何だかこの二匹しか居ないんじゃない?ってくらいに蜂は数、熊は強さが圧倒していたのもあるか。

 まぁ、インベントリに入れていていざって時に収納に困ってもあれだから、忘れない内に入れとこうって訳だ。



 で、取り敢えずやる事やったしログアウトだ!ログアウト!

 随分と長いことログインしっぱだし、あんな死線を潜るとも思ってなかったし。

 ちょっと昼でも取りながら休憩しようか。



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