プロローグ
今でも、叫びながら目を覚ます夜がある。
あの頃とは違う種類の恐怖だ。かつて僕は、死ぬのが怖くて叫んでいた。背中を鞭で切り裂かれ、掌に焼き印を押し当てられ、将軍の声が死の鐘のように頭の中で響き渡るのが怖くて叫んでいた。
今の僕が叫ぶのは、自分が何者になってしまったのか、その正体が怖いからだ。
僕の血管には炎が流れている。すべてが静まり返った夜、それを感じる。かつては檻に囚われた獣のように皮膚の下を這い回っていた炎は、やがて成長した。炎は僕に語りかけ方を覚え、甘い言葉を囁いた。約束をした。……あるいは、僕を騙したのかもしれない。どちらでもいい。
かつて焼き印で焼かれた僕の手には、今、自分で刻んだ無数の傷跡がある。どの跡にも物語がある。どの物語も、あいつらの顔を思い出させる。スティン、ジェイル、メイリ、ルナイ、テラエダ。
僕の目は、もう以前のように世界を見ていない。色が変わり、影には重みがある。時折、誰かを長く見つめすぎると、彼らは理由も分からずに身震いをするようになった。
テラエダは僕に言った。
「もう少しだけ、生きて」
その時、彼女にはもう足がなかった。両目は包帯で覆われていた。それでも彼女は微笑んでいた。どうしてあんな状態で笑っていられたのか、僕には今でも理解できない。
僕は生きた。
あいつらも、生きた。
けれど、もう何もかもが変わってしまった。あの木小屋は遠い。あの番号たちも遠い。ウェイン将軍は遠くにいる――だが、まだ足りない。どんなに遠くても、決して十分ではない。
もしあの頃に戻れるなら……あの馬車から、あの小屋から、あの草を刈り続ける地獄から救い出すために誰かが手を差し伸べてくれたら。僕は、同じ選択をするだろうか。
いや、きっとそうするはずだ。
あれは、死ぬか生きるかの選択だったから。
守りたい顔が、戦う理由になっていたから。
炎は僕を焼き尽くさなかった。
僕に、共に燃える方法を教えてくれたんだ。
これが、僕の物語だ。
初めまして、作者の星です。この物語を見つけてくださり、心から感謝しています。頭の中にずっとあった大切な世界を、こうして一つの物語として形にすることができました。不慣れな点もあるかと思いますが、主人公のジェイリルたちが歩む道を最後まで見守っていただけたら嬉しいです。これから、どうぞよろしくお願いいたします。




