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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
2章

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第79話 チョウカン(2)


 ≪天パ男:チョウカンSIDE≫


「ふざけんなよ、クソッ!!」


 オレはあまりにも怒りが我慢できず、思わずソファーを蹴っていた。


「あんな目にあわせやがって。絶対許さねえ! あの企画を成功させて、ダンジョンマスターの顔を歪ませてやる!」


 全身鎧着てて顔なんて見えねえが関係ねえ。人類の味方だとかのたまうお前を困らせてやる!


 オレはパソコンを立ち上げ、すぐさまいくつかのスレを開設した。

 この内のどれかが当たって、オレの思った通りの行動をしてくれるバカが現れてくれることを期待する。


 人目につくよう複数のIDを使い分けて書き込んでいく。

 最初の内は懐疑的な意見が多く出てくるが、こいつらを誘導するのはいつものことだから慣れている。


 ある程度流れを作れれば後は勝手に話題を続けてくれるだろう。


「……よし。ここまでやれば、後は熱が冷めないよう、ちょいちょい書き込んでおけばいいな」


 今やっている事は確実性のある行動じゃない。

 だがあのダンジョンマスター相手に突撃したところでどうにもならないので仕方ない。


 とりあえずオレはより信憑性が増すよう、今度はいくつかのSNSの方でも同じことをした後、ナオト(仮)のダンジョン近くの病院を回ることにした。


 ◆


 ≪ナオト(仮)SIDE≫


 3階層で何人もの配信者達と共に宣伝を行った結果、そこに人が大勢押し寄せることになった。

 もちろん2階層も好評だが、そこは訓練というよりアスレチック感覚で来る奴の方が多かった。


 2階層は他のダンジョンでも潜れるようにするためなのだが、まだ安全を認められているダンジョンが少ないせいで、訓練してもそれを発揮する場がほとんどないのだから仕方がない。


 訓練所となる2階層は石造りの部屋や通路に対し、3階層が〝草原〟フィールドなのだから訓練の成果を発揮しづらいもんな。


 とはいえ、カグラのとこには自衛隊ではなく一般人が来るようになったと言っていたし、他にもスライムしかいないダンジョンとかも安全が認められ、一般人がそこで魔石を得ていると、国の人間が言っていた。


 ……スライムしかいないとは中々尖ったダンジョンだな。

 1階層だけならともかく、どこの階層へと行ってもスライムしか現れないらしいから、人を呼び込むために危険度が低いスライムを中心にダンジョンの低階層を構築しているのかもしれない。

 ……まさか全階層スライムで埋めてたりしないよな?


 スライムの中には危険なものもいるため決して弱いわけではないが、あくまで出来る事はスライムの域を越えないはずなので、他の種族も混ぜないとダンジョンバトルで不利になると思うんだが……。


 そう考えると、やはりそんなダンジョンを創っている奴なんているはずないか。


 そんな事よりも今後のことだな。


「次はどうするかな~」

「どうしたんですか?」


 マルティアが俺の呟きに反応し、首を傾げて尋ねてきた。


「いや、3階層をリニューアルして、それのお披露目も完了した今、特段やることが思いつかなくてな……」


 3階層のお陰で人が大勢来るようになったので、一人一人は微々たるものでも少なからず負の感情を抱えているため、ポイントは順調に稼げている。

 特段問題らしい問題もなく、そのせいで逆にやらなければいけない事が思いつかなかった。


「別に無理して何かする必要はないんじゃないですか? あなたの場合[ガチャ]頼りなんですから、ポイントがある程度貯まるまではのんびりしてたらいいと思いますよ」

「出来る限り貯めて、一気に使う方が〈浪費こそ甘美なる幸福〉の[称号]効果で幸運値が上がるからな。

 それが分かってるから今は何もできなくて暇なんだろうが」


 暇すぎてやる事を探していると言える。


「そんなに暇なら、また人間と戯れていればいいんじゃないですか?

 そのお陰でこんなに人が入って来てくれてるわけですし」

「あれはあくまで3階層の宣伝であって、戯れていたわけじゃないぞ?」


 まるで遊んでいたみたいに言われるのは心外だな。

 あれは戯れていたんじゃなくて、配信者に協力してもらって3階層の紹介をしていたんだし。


 ……そういえば配信者という単語でふと思ったが、よくよく考えたら配信者や動画投稿者達がどんな風にこのダンジョンを撮ったりしてるのか見た事なかったな。


 試しに見てみるか。

 もしかしたらそれがダンジョンを創る上で参考になるかもしれないし。


「えっと、俺が知ってる配信者だと、ダツサラとしのぽんとかだったな」

「何してるんですか?」

「今から動画見るんだよ」

「まるで休日の過ごし方を忘れたサラリーマンが、ダラダラと動画を見て1日を潰すような行動をし始めましたね」

「暇つぶしではあるが実益を兼ねてるからな?」


 サラッと失礼なことを言ってくるマルティアを横目に、俺は動画を検索していく。

 1階層で戯れているようなのは参考にならないだろうから、やっぱり魔物と戦ったりしてそうな動画でも見るか。


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