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運で決まる。ガチャつく現代ダンジョン  作者: 甘井雨玉
2章

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第66話 近況報告


 ≪ナオト(仮)SIDE≫


 ダツサラとかいう配信者のお陰で、ちゃんと人類と意思疎通が取れていることが確認できた。


 たまたまだがサキュバスとエルフを呼んで共に話をした際に、不自然にダンジョンの話だけ伝わっていないのも確認できたが、俺から伝えた時は伝わったので、ヴェッセルナイトが人類との交渉に役立つことが証明されたわけだ。


「肝心の国との交渉はまだだがな」

「別に慌てることじゃないんですからいいんじゃないですか? それとも、急いで何か伝えなきゃいけないようなことってありましたっけ?」


 マルティアがそう尋ねてくるので一応考える。うん。


「ないな」

「ならいいんじゃないですか?」

「確かにそうなんだが、一々1階層に移動するのが面倒でな」

「ああ。魔物達なら周囲に人がいなければ直接その階層に移動させられますが、ヴェッセルナイトはダンジョンコアから移動しないといけませんからね」

「不便な仕様だ。そのせいで無駄に時間がかかる」


 人類と意思疎通を図るには相応の手間が必要ということなのか。

 本来ならダンジョンの仕様で制限されてできず、Wi-Fiがあってスマホがあっても通信できないのだから、できるだけマシとは言えるのだが。


 ――ピロンッ


 ダンジョンの仕様に若干ウンザリしている時だった。

 唐突にスマホから通知音が鳴った。

 誰から、なんて言わずとも分かる。俺とメッセージのやり取りをする相手なんてカグラぐらいしかいない。


 ダンジョンバトル以降、こうして連絡をやり取りするようになったのだが、おそらく今回の通知もカグラからだろう。

 そう思いながら確認したらやっぱりカグラだった。


 *****************


 今通話できる?


 *****************


 俺は問題なかったのですぐに通話をすることにした。


『もしもし?』

「もしもし、俺だ。ナオトだ」

『急に悪いわね。今大丈夫だったかしら?』

「問題ないぞ。あのダンジョンバトル以降イベントもないしな」

『そうよね。お陰でダンジョンの創造に力を入れられるわ』


 カグラもあのダンジョンバトル以来ポイントを上手く配分して、ダンジョンを広くしたり、魔物、罠の配置をきちんと考えてるからな。


 月に一度、ダンジョンランキングが更新されるが、カグラはその中でも4300位ほどの順位にいる。

 以前9000番台だったことを考えると順位が上がったように思えるが、あのダンジョンバトルで半数のダンジョンマスターが亡くなったことによって繰り上がっただけなので、他のダンジョンと比べても成長度は同程度だと言える。


 それでも以前は鬼人武者一体だけのとんでもダンジョンだった頃に比べれば断然マシにはなっただろう。


 ちなみに俺の順位は最下位だった時から一転して、267位の位置にいる。

 ダンジョンバトル直後は300番台だったのだが、俺のダンジョンは他のダンジョンと違って民間人が入って来てるので、日々得られるポイントの差は大きい。

 だが[ガチャ]が主軸となっている都合上どうしても他のダンジョンより成長効率が悪く、そこまで順位は跳ね上げられてはいないのが現状だ。


 こればっかりはどうしようもないし、[ガチャ]を主軸にするのを変える気はないし、変えようがないので気にするだけ無駄だな。


 さて、ダンジョンの成長度のことはともかく、今はカグラからの用事か。


「それでどうした? 近況報告か?」

『ええ、そんなところよ。私達と違ってナオトさんにはあまり関係ないかもしれないけど一応ね』


 俺には関係ない話とは一体……?


『先日、また自衛隊が私のダンジョンに入ってきたの』

「ああ、魔石の回収が目的のやつか」


 俺のダンジョンでは倒させていい魔物が全然いないから、訓練目的で来ていた自衛隊はもう来てないし、確かにあまり関係ない話かもしれない。


『私もそう思ったのだけど今回は違ったの。いつもなら1階層で魔物を倒したら去っていたのに、2階層まで入ってきたと思ったら魔物を倒すのは最小限だったわ』

「それは大丈夫だったのか? カグラのダンジョンは3階層までだろ。あの鬼人武者の桜を今の人類が倒せるとは思わないが……」


 カグラのダンジョンもかなり広くなってきたとはいえ、それでも最近ようやく3階層に到達したと言っていたし、2階層まで突破されたらダンジョンコアまでは、もはや目と鼻の先だ。


『ええ、大丈夫よ。2階層を隅々まで確認したら3階層に入ってきたけど、桜のいる部屋を見たら撤退していったから』

「一体何が目的だったんだ?」


 それではまるで調査だ。……あ、そういうことか。


『自衛隊がダンジョン入口で話していた内容から察するに、どうやら民間の人間が入っても危険度が少ないかの調査だったわ』


 やはりそういうことか。

 魔石の回収のために自衛隊を動かし続けるのは無理がある。

 いくら新しい資源になり得るとはいえ、自衛隊の本来の仕事をおろそかにできるわけもない以上、別の人間、つまり民間人にやらせるしかない。


 そのために俺のダンジョンを訓練所として利用できないか打診してきたわけだしな。

 そうか。もう民間に開放しだすのか。


 となるとマズいな。

 いくら訓練所として人が来てくれているとはいえ、安全度が違い過ぎて他のダンジョンの方が恐怖心を煽れることを考えると、得られるポイントが今まで俺の方が多かっただろうが、今後は逆転してしまうだろう。


 ダンジョンランキングはともかく、またダンジョンバトルのようなイベントがあることを考えると、他のダンジョンより力をつけないといけないというのに。


 さて、どうしたものか……。



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